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 COP15に向けて
 次回のCOP15で、いよいよ京都議定書に定められた期間後の、2013年からの温室効果ガス削減目標を定める。ポスト京都を占う、COP15は12月、コペンハーゲンで開催される。

 それまでに、先進国は中期目標を報告しなければならない。麻生太郎首相は2020年までの、温室効果ガス排出量削減の中期目標について「6月半ばごろに発表し、7月の主要国首脳会議(サミット)や、12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)につなげていきたい」と考えていた。

 政府は1990年比4%増―25%減の範囲内の6つの案の中から、7%削減を中心に検討していたが、その後どうなったであろうか? 

 2005年比15%削減目標
 6月10日、麻生首相は首相官邸で記者会見し、日本が目指す2020年の温室効果ガス削減の中期目標について、2005年比で15%減の削減を目指すと表明した。

 京都議定書のように1990年比を基準にすれば8%減となるが、2005年比を基準にして設定した。外国からの排出枠や森林吸収分などを含まない「真水」の目標とし、2013年以降(ポスト京都)の国際的な枠組み交渉で上乗せする余地を残した。

 中期目標は、ポスト京都の削減義務を議論する上での土台となる。欧州連合(EU)は1990年比で20%削減を掲げており、米国はオバマ大統領が2005年比で14%削減を打ち出している。麻生首相は、EUも2005年比にすれば13%減だと指摘した上で「日本の目標は欧米を上回る」と強調した。

 これまでの7%削減案から1%上乗せした形になったが、これについては、「太陽光発電の大胆な上乗せをして、削減幅を大きくするもの」と説明した。政府は2020年に太陽光発電を現行の20倍にする「未来開拓戦略」と名づけた新成長戦略を発表している。

 国際交渉で考えるべきこと
 2005年に発効した京都議定書で日本の削減義務は、外国からの排出枠や森林吸収による削減量が含まれている。ポスト京都の枠組みによる削減量の設定にあたり排出量や森林吸収分を上乗せするかどうかは「今後の国際交渉を見極めて判断したい」とした。

 ポスト京都の枠組み合意は12月が交渉期限。麻生首相は、今回の中期目標の設定は、本格的な国際交渉の第一歩との位置づけだと指摘した上で、今後の国際交渉では「日本だけが不利になることのないよう全力で取り組む」と語った。

 麻生首相はポスト京都の枠組みについて、中国やインドなど途上国の参加が必要だと指摘。「途上国は自らも行動を起こすべきだ」とした上で「新たな枠組みに責任を共有して参加する途上国に対しては技術支援を惜しまない」と語った。(2008年6月10日 REUTERS)

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2020年に05年比15%削減 温室効果ガス排出削減中期目標


 麻生太郎首相は10日記者会見し、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量削減の中期目標を発表した。2020年までに2005年比で15%削減するとしている。

 首相は、目標の設定に当たっては専門家による総合的な検討結果に加え、国民から寄せられた意見、世論調査の結果から最も理解を得られると考えた数値(14%)に、さらに1%積み上げた数字であることを強調した。欧州の13%、米国の14%(いずれも2005年比)に比べて、より厳しい目標で、外国からの排出権購入などを含まない“真水”の削減目標であることも力説した。

 目標達成に向けては、再生エネルギーの比率20%まで引き上げや新車の半分をエコカーにすることなどに加え、革新技術開発、原子力発電に力を入れる方策を明らかにした。14%から15%への1%上積み分については、当初10倍増を見込んでいた太陽光発電規模を補正予算で20倍に高めることにより0.7%の削減上積みを達成するほか、小水力発電開発などを積み上げることで実現できる、とした。

 中期目標設定の基本的考えとして、「主要排出国すべてが参加する形を推進する中で日本がリーダーシップを果たす」「実行可能」「2050年で世界の温室効果ガス排出量を半減するという長期目標達成につなげる」という3つの柱を示し、今回の中期目標が2050年に日本として60-80%の削減を目指すという目標達成につながることも強調した。(サイエンスポータル 6月11日) 
 

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