科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!
 ドップラー効果とは何だろう?
 例えば、救急車などが通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえるのはこの現象によるものである。

 音についてのこの現象は古くから知られていたが、オーストリアの物理学者、クリスチャン・ドップラーが速度と周波数の間の数学的な関係式を1842年に見出し、オランダ人の化学者・気象学者であるクリストフ・ボイス・バロットが、1845年オランダのユトレヒトで、列車に乗ったトランペット奏者が G の音を吹き続け、それを絶対音感を持った音楽家が聞いて音程が変化する事で証明した。

 観測者も音源も同一直線状を動き、音源S(Source)から観測者O(Observer)に向かう向きを正とすると、観測者に聞こえる音波の振動数 f ’は、次のように表せる。

   f ’ = f × ( V − Vo)/( V − Vs)

 ただし、音源の出す音波の振動数を f、音速を V、観測者の動く速度を Vo、音源の動く速度を Vs とする。

 光のドップラー効果
 光の場合でも同様の効果が観測され、遠ざかる光源からの光は赤っぽく見え(赤方偏移)、近付く光源からの光は青っぽく見える(青方偏移)。しかし、光の伝播は特殊相対性理論に従うため、通常の波のドップラー効果とは違った現象を見せる。

 そもそもドップラー効果の原因は、波源や観測者が波の媒質に対して速度を持つために波の山の間隔が変わる所にあるが、光は波源や観測者の速度によらず常に光速 c で伝播するように観測されるので、山の間隔の変わり方が通常の波の場合とは異なってくる。

 また、光の場合、波源が運動していると、特殊相対論的な効果によって波源上での時間の進み方が遅れて観測される。これによって波源から出る光の振動数が小さく観測される効果が付け加わるという。

 例えば、上の図では左が太陽、右が遠方の銀河BAS11のスペクトル。吸収線(暗線)の位置の変移を測定することで、光源の視線方向の後退速度を計算できる。

 実際の活用法としては、恒星などの天体の可視光スペクトルに見られる吸収線(フラウンホーファー線)の波長の理論値とのズレ(ドップラー・シフト)から、地球とその天体との相対速度を算出する事が出来る。また同じ電磁波におけるドップラー効果を利用したものとしてドップラー・レーダーがある。

参考HP Wikipedia「ドップラー効果」  

トコトンやさしい超音波の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
谷腰 欣司
日刊工業新聞社

このアイテムの詳細を見る
絵とき「超音波技術」基礎のきそ (Mechatronics Series)
谷村 康行
日刊工業新聞社

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ  ランキング ←One Click please