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 地震は予知できるか?
 地震国日本。日本には活断層がたくさんある。中にはこれまで発見されていなかった断層が動くこともあり、日本中どこに住んでも安全なところはどこにもない。

 ただ、これまでの地震の記録や、地形をつぶさに調べて、危険性の高い場所を予測することはできるようになってきた。緊急地震速報では、地震発生直後に一速く通報する...など対策も進んでいる。

課題は、地震の直前にそれを察知することであるが、政府の地震調査研究推進本部などの懸命の努力にもかかわらず、いつ地震が起きるか予知する方法は確立されていない。 

 

国内に 2,000本もの活断層
 地殻がある面に沿ってずれている断層のうち、過去約200万年の間に活動した形跡があり、今後も活動する可能性が高い断層を活断層という。

 日本列島には活断層が2,000本以上あるといわれている。活断層のズレによって生じる地震は比較的浅い所で発生することが多いため、阪神・淡路大震災のように都市直下型の場合、大きな被害をもたらすことがある。

 神奈川県から伊豆半島に及ぶ地域は活断層の分布密度が高い。県内には約30本の活断層があるといわれているが、1995年度から活動度の高い県中央部の伊勢原断層、三浦半島の北武断層群の調査を進め、2001年度からは、小向断層、平山断層、生沢断層の調査を行っている。

 県西部「国府津・松田断層」
 切迫性が最も高い県西部地震では、国府津・松田断層が震源域の一つに予想されている。1995年度に国の地質調査所が行った断層の調査結果では、約2800から2900年前に活動したことが確認された。

 政府の地震調査研究推進本部は6月22日、関東地方の地盤などに関する最新データを用いて、震度を再評価。この断層が発生する直下型地震を想定した予測震度分布図を改訂し公表した。

 それによると、地震そのものの規模はマグニチュード7.5で変わらないが、神奈川県や東京都の平野部で揺れが強まった。予測震度は、神奈川県小田原市や平塚市の平野部で6強以上、横浜市や川崎市の一部で6弱、東京都や埼玉県の荒川沿いの低地で5強となった。

 同本部は、この断層で30年以内に地震が発生する確率を0.2〜16%と予測している。(2009年6月22日19時46分  読売新聞)

 地震の原因と種類
 地震の原因は、岩盤が急にこわれて岩盤の中の切れ目(断層)にそってその両側の岩盤が急にずれ動くことである。それを断層運動とよんでいる。そのとき発生する振動が地震だ。

 地震の種類には、プレートの境界で発生するプレート境界型地震、プレートの内部で発生する内陸型地震、地表付近で起きる活断層型地震がある。東海地震のプレート境界型や神奈川県西部地震の内陸型地震発生の切迫性はよく指摘されている。

 神奈川に住む住人にとってどこにどのような活断層があるのか気になるところ。そこで今までわかっている、活断層とその危険度について調べた。

 神奈川にある活断層とその危険度
 神奈川県西部は関東地方で最も活断層の多い地域。とくに丹沢山地の東南縁にある伊勢原断層と、足柄平野西縁の国府津・松田断層が顕著なもの。相模湾にはフィリピン海プレートと本州のプレートの境をなす大きな活断層(相模トラフ断層)もある。

 丹沢山地の周辺や内部に鶴川断層、長者舎断層、玄倉断層、神縄断層、秦野断層などがあり、大磯丘陵には渋沢断層や大磯北方の諸断層がある。箱根火山地域には和留沢断層、平山断層などが知られている。県内にある活断層の概要は以下のとおり。

 伊勢原断層(B級)
 最近では約300から2050年前に活動。再来間隔は約3300から5000年。次の活動までに千数百年以上の時間があると推定される。

 秦野断層(A級)
 最近では約1.7万年前またはそれ以降に活動。再来間隔は不明。国府津-松田断層の活動に付随して活動する可能性がある。

 渋沢断層(A級)
 近では1万年前以降に活動した可能性が高い。再来間隔は不明。国府津-松田断層の活動に付随して活動する可能性がある。

 三浦半島北断層群 衣笠断層(A級)
 三浦半島北断層群 北武断層(A級)
 三浦半島北断層群 武山断層(A級)
 最近では約1000から1500万年前に活動。再来間隔は約1000から1600年。次の活動は、今後数百年以内に起こる可能性が高い。

 三浦半島南断層群(南下浦断層) 引橋断層(A級)
 最近では2万年から2.2万年前に活動。再来間隔は不明だが6100年以上ともいわれる。次の活動は不明だが、三浦半島北断層群に比べて活動度は低いと推定される。

 神縄・国府津-松田断層帯(A級)
 最近では約650から900年前に活動。再来間隔は約1000から1100年。次の活動は、今後数百年以内に起こる可能性が高い。

 平山断層(A級)
 最近では2600年前以前に活動。再来間隔は不明。国府津-松田断層の活動に付随して活動する可能性がある。

 小向断層(A級)
 最近では12万から13万年前に活動。再来間隔と次の活動は不明。

 生沢断層系(A級)
 最近の活動や再来間隔、次の活動は不明。

 これらの活断層の他、未知の活断層の存在も否定できず、県内には絶対に安全なところはないというのが現実である。

 

参考HP 神奈川県 防災・災害情報「県で想定されている地震
自然科学のとびら 神奈川の自然シリーズ10 神奈川西部の活断層と地震 

活断層大地震に備える (ちくま新書)
鈴木 康弘
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日本の活断層地図―中部・近畿・中国・四国・九州活断層地図
中田 高,今泉 俊文
人文社

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