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 いきなり猛暑日
 気象庁は7月14日、関東甲信地方で梅雨明けしたとみられると発表した。沖縄・奄美、九州南部に続く梅雨明けで、平年より6日、昨年より5日早い。朝鮮半島付近にある梅雨前線が16〜17日に南下するものの、関東付近では前線の活動が弱まると予想されるためだった。(毎日新聞)

 梅雨明けの7月15日気温は一気に上昇。群馬・館林で最高37.7度になるなど各地で猛暑日を記録した。

 気象庁によると、7月として最高の暑さとなった4地点は、福島市の茂庭(もにわ)35.3度、富山県の魚津35.9度、長野県の白馬33.5度(過去タイ記録)、沖縄県の伊是名(いぜな)34.1度。東京都内でも練馬で35.1度、八王子で35.7度など、今夏初の猛暑日になった地点があった。

 ほかにも埼玉県の鳩山37.1度、三重県の尾鷲と新潟県の糸魚川36.8度、愛媛県の新居浜36.7度など、体温を超すような厳しい暑さ。この日、日本海側は山越えの乾いた熱風が吹き下ろす「フェーン現象」が発生した。この暑さで各地で熱中症が発生した。

 ただ気象庁の予報では、西日本や北陸は16日以降、当面曇りや雨模様となる見込みで、梅雨明けしていない地域の「夏本番」到来はまだ先になりそうだという。

 フェーン現象
 フェーン現象とは、風が山肌にあたり、その風が山越えをして下降気流として降りてくる暖かくて乾いた風によってその付近の気温が上がる現象のこと。

 フェーン現象という名前は、もともとフェーンというアルプス山中で吹く局地風から来ており、この局地風というのがまさに風がアルプスを越えたときに吹く乾いた暖かい風のことである。

 フェーン現象の起きる仕組みは、湿った空気が上昇しながら温度が変化する率(湿潤断熱減率)と乾いた空気が下降しながら温度が変化する率(乾燥断熱減率)が異なることで起きる。15日は日本上空に湿った南風が吹き、日本アルプスにぶつかると山で雨を降らせた。こうして乾燥した空気が、日本海側に抜けるときには温度が急上昇した。

 湿潤断熱減率は、0.5〜0.6 ℃/100mなのに対し、乾燥断熱減率は1.0 ℃/100mもある。南風が1000mの山を越えるだけで、気温が5℃も上昇する計算になる。

 エルニーニョ現象
 気象庁は6月25日、今年の夏7-9月の3か月予報を発表している。それによると、今夏は南米ペルー沖で海面水温が上がる「エルニーニョ現象」が発生する恐れがあるため「気温は平年並みの可能性が高い」と予測した。

 降水量は平年並みで西日本では空梅雨気味で雨不足を解消するかは微妙な状況。同庁は5月に発表した6-8月の予想で「平年並みの北日本を除き気温は高め」と予測したのを修正した。過去の統計ではエルニーニョ発生時の夏は、西日本を中心に低温の傾向があるという。

 7月は北日本は天気は数日周期で変わり、東日本では曇りや雨の日が多いが、西日本では後半には晴れの日が増え、気温も平年並みか高めとなる模様。8月は晴れの日が多く気温は平年並みと予想。雷雨が発生しやすい時期がある。9月は北・東日本では天気は数日周期で変わり、西日本と奄美・沖縄は晴れの日が多い。

参考HP 気象庁・毎日新聞・朝日新聞・Wikipedia「フェーン現象」

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