さまざまなアレルギー
アレルギーとは、免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。
アレルギーはさまざまな場合に見られる。1913年のノーベル生理・医学賞を受賞した「アナフィラキシー・ショック」もそうであるし花粉症もそうである。代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、 アレルギー性胃腸炎、気管支喘息、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹などがあげられる。
先日、内臓脂肪に対するアレルギーがメタボリックであることもわかった。東京大学の永井良三教授らは、免疫細胞「CD8T細胞」があるマウスでは、高脂肪のエサを与えると、内臓脂肪に免疫細胞が集まり、炎症が起きた。 (asahi.com 2009年7月27日)
アレルギーは遺伝する?
今回、理化学研究所は、アレルギー体質のマウスとそうではないマウスの遺伝子を比較して、アレルギー体質を決定する遺伝子は転写因子「Mina(ミーナ)」の遺伝子であり、その遺伝子の多型(SNPs)がアレルギーの発症にかかわっていることを明らかにした。
アレルギーに「なりやすい」、あるいは「なりにくい」といった体質には、遺伝的要因が関係しているのではないかといわれている。これまで、アレルギー体質かどうかを決定する遺伝子やそのメカニズムは明らかになっていなかった。
研究チームは、アレルギー体質の系統とアレルギー体質ではない系統のマウスを比較し、Minaという転写因子の遺伝子に複数のSNPsが存在することを発見しました。その結果、アレルギーになりにくいマウスの系統では、T細胞に多くのMinaが存在し、アレルギーの発症に重要なインターロイキン-4(IL-4)というサイトカインの産生を抑制しているのに対し、アレルギー体質のマウスのT細胞にはMinaが少なく、IL-4の産生が抑制されないために、アレルギーを発症しやすいことが明らかになった。
病気のかかりやすさや薬の効き方など、個人個人の体質の違いは、SNPsがいくつも複雑に関連することが、次第に明らかになってき。今回、マウスのアレルギー体質が、Mina遺伝子のSNPsによって決まることが明らかになったことから、ヒトでも同様に、Mina遺伝子のSNPsがアレルギーに「なりやすい」、あるいは「なりにくい」、といった違いを生み出しているのではないか、と推察される。
参考HP Wikipedia「アレルギー」・理化学研究所「アレルギー体質は転写因子Minaの遺伝子が原因と判明」
アレルギーはなぜ起こるか (ブルーバックス) 斎藤 博久 講談社 このアイテムの詳細を見る |
食物アレルギーハンドブック―保護者ならびに医療スタッフの方々へ 日本小児アレルギー学会,向山 徳子,森川 昭廣,西間 三馨 協和企画 このアイテムの詳細を見る |
��潟�<�潟��