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 身近な外来生物
 8月19日のNHK番組「ちょっと変だぞ 日本の自然」では、身近に増えている外来生物について、わかりやすく解説していた。

 どんな外来生物が身近にいるのだろう?

 番組ではアライグマ、カミツキガメ、ウチダザリガニ、トノサマガエル、日本にいないはずのアマゾン川の淡水魚などを紹介していた。アライグマやカミツキガメ、淡水魚などはペットとして飼っていたものが捨てられて広まったが、ウチダザリガニは国策で輸入したものが原因なことに驚いた。

 日本は、生物の多様さが絶妙なバランスを取り、豊かな自然環境を作り上げてきた。しかし今、そのバランスが温暖化や外来生物などの「想定外の出来事」のために、がらがらと崩れている。

 輸入されたウチダザリガニが在来の水草を食い荒らし、連鎖的に湖の環境を一変させている。また、各地の田んぼからはトノサマガエルがいなくなっている。これらに共通しているのは、もともとは人間が「よかれと思ってしたこと」が異変の原因になっている。

 海の外来生物
 奈良大の岩崎敬二教授(動物生態学)らの調査で、日本に侵入した外国原産の海の生物は少なくとも76種にのぼり、このうち37種は完全に定着していることがわかった。

 この中にはムラサキイガイなど、国際自然保護連合(IUCN)が「世界の侵略的外来種ワースト10」に指定した生物を含む。だが、カニの一部を除き、法規制の対象となる「特定外来生物」に入っておらず対策が遅れている。外来種は貴重な生態系を破壊する恐れがある。
 
 1980年代に日本に入り込んだチチュウカイミドリガニも繁殖を繰り返している。このカニを調べている横浜国立大の小池文人教授は「海中は人の目が届きにくい。いったん広まってしまうと駆除事業などを行うのが極めて難しい」と危機感を訴える。

 入り込んだ主な原因は、船舶に付着したり、船が重量調整に使うバラスト水に混じったりして運ばれたケースが29種。養殖などのため海外から意図的に運んだのは28種で、輸入したものが逃げ出すなど非意図的だとみられるのは15種だった。新しく入り込むのを防ぐ手立てが必要だ。 (asahi.com 8月12日)

 ウチダザリガニ
 ウチダザリガニは、エビ目(十脚目)・ザリガニ下目・ザリガニ科に分類される甲殻類の一種である。日本で見られるウチダザリガニはアメリカ合衆国からの帰化種である。原産地は北米大陸であり、日本では北海道の一部、滋賀県、福島県の冷涼な河川、湖沼に帰化・定着が確認され、生息地は増加の傾向にある。

 日本への移入は1926年に、食用とするべく養殖のため北海道の摩周湖に放流されたものである。帰化が確認された際、北海道大学の内田亨教授の手持ちのザリガニの標本が種の同定に役立ったため、敬意を表し和名となっている。

 前後して、滋賀県淡海湖でも同種が確認され、タンカイザリガニと同定された。現在この2種は同種またはごく近縁の亜種と考えられている。そのため学名表記の際はそれぞれ P. l. trowbrigii 、 P. l. leniusculus とされる。福島県産のものは、寄生虫の種別から北海道産のものが人為的に移入されたものと考えられている。

 体長は15cm程度になり、日本の他のザリガニと比較してやや大型。第一胸脚(はさみ)の可動肢に白い斑点があり、それを振り上げる動作が、信号 (Signal) を送っている姿を連想することから英名 シグナル・クレイフィッシュ(Signal crayfish)と呼ばれる。

 北海道では、在来種のニホンザリガニの生息域と競合し、圧倒するため環境問題として取り上げられることがある。特に天然記念物のヒブナが生息する釧路市の春採湖ではウチダザリガニによる水草の食害でヒブナの産卵床が食い荒らされ、合成樹脂製の人工産卵床を沈める対策がなされている。食性は雑食であるが、気が荒く共食いをすることが多い。

参考HP 朝日新聞・Wikipedia「ウチダザリガニ」・NHK「ちょっと変だぞ 日本の自然」 

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