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 品種改良と遺伝子組換えの違いは何か?
 遺伝子を変えるという意味では品種改良も遺伝子組換えも同じである。

 遺伝子組換え技術を応用することで、生物の種類に関係なく品種改良の材料にすることができるようになった。

 従来の交配による品種改良でも自然に遺伝子の組換えは起きており、人工的に起こした遺伝子の突然変異を利用することもある。

 遺伝子組換え技術が従来の品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み換えるため、種の壁を越えて他の生物に遺伝子を導入することができ、農作物等の改良の範囲を大幅に拡大できたり、改良の期間が短縮できたりすることである。

 しかも変わる遺伝子は従来の放射線を当てるなどの危険な品種改良と違って、安全で正確な遺伝子の改変方法が確立している。(ジーンターゲット法など)

 イモチ病に弱いコシヒカリ
 ところで、イネにかかわる病気で「イモチ病(稲熱病)」とは、イネに発生する主要な病気の1つ。単に「いもち」と呼ばれることも多い。あのササニシキやコシヒカリなどに多い病気でもある。

 そもそも、「イモチ」という名前が付けられていることから推察できるように、古来から稲に発生する定型的な病気であり、最も恐れられてきた。イモチが広範囲に発生したところでは十分な収穫が期待出来なくなり、大幅な減収と共に食味の低下を招く。いもち病とは、イネが「イモチ病菌」という「菌類」に感染し発病することで起きる。いもち病菌はカビの一種であり、子のう菌に分類される。

 イモチ病に強いコシヒカリ
 愛知県と独立行政法人農業生物資源研究所などは20日、いもち病に強く、コシヒカリ並みに「うまい」米が実るイネの新品種「中部125号」を開発した。

 従来の品種改良では、いもち病に強い性質を持つ陸稲と水稲をかけ合わせてきたが、食味が悪くなるため、実用的な品種開発は難しかった。 なぜ稲熱病に強いと味が落ちるのか?

 今回、日本を含む国際研究チームが解明したイネの遺伝子情報を参考に、遺伝子に目印をつける「DNAマーカー」という手法を用いて交配を繰り返し、どこにどのような性質をつかさどる遺伝子があるかを正確に突き止めた。

 イモチ病に強いわけ
 この結果、驚いたことに「いもち病」に抵抗性のある遺伝子と、食味を損なう遺伝子が非常に近い位置にあることが判明。陸稲を用いた従来の品種改良では、両方の遺伝子が同時に取り込まれるため、食味が悪くなることが分かった。

 陸稲とコシヒカリ系の種を何代も交配させ、さらにコシヒカリとかけ合わせた結果、6000株のうち3株が、病気の抵抗性遺伝子を持ちながら食味を損なう遺伝子を含まない個体だと特定できた。この個体を栽培して性質が変わらないことを確認し、新品種となった。コシヒカリ系の種と何度も配合しているため、食味はコシヒカリとほとんど変わらないという。

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 うまくて強いイネ開発 「まずい」遺伝子を特定、排除


 同じ田に植えられたコシヒカリ(左側)と中部125号。コシヒカリはいもち病にかかり、葉が変色した=愛知県提供

 愛知県と独立行政法人農業生物資源研究所などは20日、いもち病に強く、コシヒカリ並みに「うまい」米が実るイネの新品種「中部125号」を開発したと発表した。

病気への抵抗性が高い遺伝子と食味を損なう遺伝子を特定し、両方の性質を持った品種とコシヒカリを掛け合わせ、「まずい」遺伝子を持たない個体だけを栽培して品種化した。「世界初の成果」といい、米国の科学雑誌「サイエンス」21号で公開する。

 愛知県農業総合試験場などによると、これまでの品種改良では、いもち病に強い性質を持つ陸稲と水稲をかけ合わせてきたが、食味が悪くなるため、実用的な品種開発は難しかった。

 今回は、日本を含む国際研究チームが解明したイネの遺伝子情報を参考に、遺伝子に目印をつける「DNAマーカー」という手法を用いて交配を繰り返し、どこにどのような性質をつかさどる遺伝子があるかを正確に突き止めた。

 この結果、いもち病に抵抗性のある遺伝子と、食味を損なう遺伝子が非常に近い位置にあることが判明。陸稲を用いた従来の品種改良では、両方の遺伝子が同時に取り込まれるため、食味が悪くなることも分かった。

 陸稲とコシヒカリ系の種を何代も交配させ、さらにコシヒカリとかけ合わせた結果、6000株のうち3株が、病気の抵抗性遺伝子を持ちながら食味を損なう遺伝子を含まない個体だと特定できた。この個体を栽培して性質が変わらないことを確認し、新品種となった。コシヒカリ系の種と何度も配合しているため、食味はコシヒカリとほとんど変わらないという。

 農業生物資源研究所によると、いもち病の被害は年間数百億円。県農業総合試験場は、「中部125号」は全国のいもち病発生地域に普及が期待できるほか、遺伝子レベルで性質が保証されているため、今後の品種改良にも活用されると見込む。年度内には、全農が市場調査に乗り出すといい、県農業経営課は「味もよく、農薬散布が少ない安心・安全な品種。普及に期待したい」と話している。(asahi.com 2009年8月21日) 

遺伝子組み換えイネの襲来 (クリティカル・サイエンス)

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