元素とは何か?
元素は英語で「Chemical element」という。元素とは何だろう?
元素は万物の性質の根源をあらわすものであり、古代の哲学者らは様々な物性が少数の基本的性質の混合により多様性を発現していると考察した。例えば、タレスは万物の根源にアルケーという呼名を与え「水」であるとした。その他、「空気」であると考えた人、「火」であると考えた人、「土」だと考えた人がおり、それぞれがアルケーであるという立場を採った。
エンペドクレスはアルケーが、火・空気(風とも)・水・土の4つのリゾーマタからなるとする後世にいう四元素説を唱えた。プラトンやアリストテレスは四元素説を承継した。これが元素の始まりである。
地球上にある元素
現代では、元素とは化学物質を構成する基礎的な成分であることがわかっている。すなわち、水素、酸素、炭素、窒素、ナトリウム、塩素、鉄...などのことである。これらは互いに化合して化合物である水、二酸化炭素、デンプン、アミノ酸、などさまざまな化学物質をつくっている。
ではこの元素、地球上に何種類あるだろうか?
そう、正解は約100種類である。正確には94種類ある。これらの元素は原子番号1番の水素から94番のプルトニウムまで番号がつけられている。つい最近まで92番目のウランが地球上に存在する最後の元素とされていたが、ウランが放射線を出して崩壊するときに、ネプツニウムやプルトニウムができることが確認された。
超ウラン元素
ところが実際には、約118種類の元素が知られているという。これはどういうわけだろう?
実は、原子番号94以降の元素は、基本的に全て人工的につくり出さねばならない。また、全て放射性で、半減期は地球の年齢よりかなり短い。よって、これらの元素が地球誕生の頃に存在していたとしても、はるか以前に消滅してしまっている。
この92番目のウラン以降の、人工的につくられる元素を超ウラン元素という。現在地球上で発見される超ウラン元素は、基本的に原子炉や粒子加速器で人工的につくられる。
超ウラン元素には、93-ネプツニウム(Np)、94-プルトニウム(Pu)、95-アメリシウム(Am)、96-キュリウム(Cm)、97-バークリウム(Bk)、98-カリホルニウム(Cf)、99-アインスタイニウム(Es)、100-フェルミウム(Fm)、101-メンデレビウム(Md)、102-ノーベリウム(No)、103-ローレンシウム(Lr)、104-ラザホージウム(Rf)、105-ドブニウム(Db)、106-シーボーギウム(Sg)、107-ボーリウム(Bh)、108-ハッシウム(Hs)、109-マイトネリウム(Mt)、110-ダームスタチウム(Ds)、111-レントゲニウム(Rg)...などがある。
これ以下の112番目〜118番目の元素は化学者の国際学術機関、IUPAC(国際純正・応用化学連合)で、まだ認定されておらず正式名称はなかった。
112番目の元素認定
今回、IUPACが2009年5月、112番目の元素を公式に認めた文書を発行した。 現在、命名の手続きに入っており、「コペルニシウム」が提案されている。
この元素は、1996年にドイツ・重イオン科学研究所(GSI)などの国際チームが合成した。しかし、短時間しか存在できないことなどから再現実験が難しく、確認に時間がかかっていた。だが、2004年、日本の理化学研究所のチームも合成に成功して2007年に発表し、認定されることになった。
ドイツ・重イオン科学研究所(GSI)のホフマン教授は「私たちの世界観を変えた傑出した科学者の名をたたえる」とし、地動説を提唱したことで有名なポーランドの天文学者コペルニクスにちなんだ、「コルペシニウム」を提案。意見募集などを経て、数カ月後にIUPACが最終決定する。
元素の数が増えるのは、2004年のレントゲニウム(原子番号111番)の認定以来になる。 (asahi.com 2009年8月24日)
参考HP Wikipedia「元素」「超ウラン元素」「レントゲニウム」
プルトニウム―超ウラン元素の正体 (ブルーバックス) 友清 裕昭 講談社 このアイテムの詳細を見る |
目で見る元素の世界―身のまわりの元素を調べよう (子供の科学サイエンスブックス) 誠文堂新光社 このアイテムの詳細を見る |
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