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 「体脂肪」のかたまりセルライト
 セルライトは、主に腹部、臀部、大腿部に存在する組織で、体脂肪のかたまりのこと。美容業界、健康食品業界においてよく用いられる。

 普通の体脂肪は運動により燃焼するが、セルライトになるとなかなか燃焼しにくくなるという。しかし、医学的にはあまり根拠がないようだ。

 セルライトに限らず、体脂肪の増加は健康上気になるところ。体脂肪は体内にある脂肪のこと。主に、皮膚の下にたまる「皮下脂肪」と、内臓の周りにたまる「内臓脂肪」に分かれる。内臓脂肪はエネルギーとして燃焼しやすいが、皮下脂肪はなかなか減りにくい。

 「体脂肪」はなぜたまる?
 健康上問題視される体脂肪だが、本来のはたらきは、身体の臓器を守るために、その温度を一定に保つ役目を持っている。体脂肪が少な過ぎても、温度変化に対応出来ず、体温が低下し、病気をしたり、時には命を危機にさらすこともある。

 どうして「体脂肪」はできるのだろうか?

 問題なのはやはり、カロリーの摂りすぎと運動不足。体脂肪は脂肪なので脂肪をとらなければよいと考えるのは間違い。

 食事で炭水化物を摂取し血糖値が上がると、膵臓からインスリンが出されて、血糖をグリコーゲンに変換、肝臓や筋肉などに蓄える。そして、運動するときのエネルギーとしてグリコーゲンを使う。

 しかし、肝臓や筋肉に蓄える分が一杯になると、糖分は中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられる。これが「体脂肪」である。

 夢の化合物「ファトスタチン」とは?
 薬で脂肪を減らせたら?ダイエットに関心のある人ならば誰でも思う。これまでにも数多くのダイエット薬が市販されている。

 今回、京都大の上杉志成教授らは、細胞内で脂肪の合成を抑える化合物を発見した。過食で肥満になるマウスにこの化合物を与えたところ、体重の増加や血糖値の上昇を抑え、脂肪肝になるのを防いだという。

 化合物の名は「ファトスタチン」。この化合物を注射したマウスは、えさを同じだけ食べても、注射をしなかったマウスに比べて体重は12%少なく、血糖値は70%低かった。注射をしないマウスは脂肪肝になるが、このマウスの肝臓は正常だった。

 通常のダイエット薬は食物繊維などで糖分の吸収を抑えるのに対し、この化合物は糖から脂肪を合成する際に必要な遺伝子に、スイッチを入れる「親玉遺伝子」のはたらきを阻害することがわかった。

 糖尿病や脂肪肝などに苦しむ人の、治療薬の開発につながる可能性がある。

 しかし、薬には副作用がある。まずカロリー控えめの食事、適度な運動をこころがける毎日の生活習慣が大切なのは言うまでもない。 


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いっぱい食べても脂肪抑える化合物発見 京大教授ら


 京都大の上杉志成(もとなり)教授(ケミカルバイオロジー)らは、細胞内で脂肪の合成を抑える化合物を発見した。過食で肥満になるマウスにこの化合物を与えたところ、体重の増加や血糖値の上昇を抑え、脂肪肝になるのを防いだ。糖尿病や脂肪肝などの治療薬の開発につながる可能性がある。28日付米専門誌に発表する。

 上杉教授らは、米ベイラー医科大、東京大と共同で、がんを抑える作用があるとされていた化合物の働きを詳しく調べた。この化合物を細胞にかけると、働きが落ちる遺伝子が多数あり、その多くが脂肪合成にかかわることに注目。食欲が減退せず肥満になるような遺伝子異常のあるマウスに4週間、この化合物を注射した。

 その結果、えさを同じだけ食べても、注射をしなかったマウスに比べて体重は12%少なく、血糖値は70%低かった。注射をしないマウスは脂肪肝になるが、このマウスの肝臓は正常だった。

 この化合物をファトスタチンと命名。細胞には糖から脂肪を合成する際に必要な多数の遺伝子のスイッチを入れる「親玉遺伝子」があり、ファトスタチンはこの親玉遺伝子の働きを阻害することがわかった。

 「肥満になる過程でファトスタチンの効果をみたが、肥満になった後にも効果があるかどうか調べたい」と上杉教授は話している。(asahi.com 2009年8月28日) 
 

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