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 集団感染急増
 厚生労働省は9日、学校や施設などで確認された新型インフルエンザの集団感染の発生件数が、8月31日から9月6日までの1週間で前週の約1.7倍にあたる2318件に上ったと発表した。北海道は111件で、東京、大阪、千葉に次ぎ全国で4番目に多い。 神奈川県では80件ほどで、まだ少ないが、これから気温の下がる秋から冬にかけていつ近所で集団感染が発生してもおかしくない状況である。

 こうなるとワクチンの予防接種を早く打ちたいが、準備が完了するのが10月下旬なので待ち遠しい。ワクチンを卵でつくるなら、いっそ世界最大の卵でつくっては?そう考えた京都府立大学大学院生命環境科学研究科の塚本康浩教授。



 ダチョウ卵はワクチンにならない?
 鶏卵の30倍もあるダチョウの卵で抗体生産すれば、抗体の量も30倍になる。ところがダチョウの卵がつくる抗体は、大きすぎて人の体にはあわないとのこと。注射するワクチンにはならない。

 しかし、このダチョウ抗体自体は有効で、インフルエンザウイルスを退治するために、ダチョウ抗体をマスクに塗って有効なマスクが開発、市販されている。

 有用なダチョウ抗体
 さらに、ニワトリを用いた抗体と比べて、ダチョウ抗体は熱に対する耐性があることも明らかになった。高温でもウイルスに対する無害化活性を維持できれば、さまざまな加工ができ、これまでにない用途でのダチョウ抗体活用が期待できる。また、ダチョウ抗体にはフリーズドライ製法でも活性を失わないという特性があることから、錠剤として製品化することも可能。
 
 近年多発している、ノロウイルスによる食中毒は、糞便を介して感染が広がることが知られている。そのため、ノロウイルスに対する抗体をダチョウに作らせ、錠剤にしてトイレの貯水タンクに入れておけば、流すたびに抗体が便器に供給され、ノロウイルスの無害化が期待できる。介護施設などでの需要は大きい。

 このように、ダチョウ抗体は耐久性に優れ、さまざまな製品に応用が可能である。

 ダチョウ抗体を食中毒予防に
 今回、免疫力が強いダチョウの抗体を利用し、食中毒を防ぐ効果を狙った納豆を、京都府立大の塚本康浩教授の研究チームが、アサヒ食品工業(兵庫県明石市)と共同で開発した。

 病原体をダチョウに注射すると、約2週間後に産んだ卵の中に大量の抗体ができる。この方法で食中毒菌などに対する抗体を持つ卵を作り、その粉末を納豆のたれに混ぜた。「納豆ぢから」と名付けて、10月から関西で試験的に販売する予定。

 食べるダチョウ抗体
 塚本教授は「抗体が、胃や腸の中で悪玉菌と反応してくれれば」と期待する。今後、ふりかけやビスケットなど色々な食品につなげていく予定だ。「納豆ぢから」は、9日から3日間、大阪市の「インテックス大阪」で、全国29大学が企業と開発した食品が並ぶ「メイド・イン・キャンパス ぐるめ街道」で紹介される。

 ワクチンにはポリオワクチンのように飲むワクチンもあるというが、これまで「ビフィズス菌」や「ヤクルト菌」のように、善玉菌を増やす食品はたくさんあった。しかし、悪玉菌を減らしながら善玉菌を増やす食品はなかった。

 食品にダチョウ抗体を混ぜる商品はなかなかのアイデアだ。まさに「コロンブスの卵」ならぬ「ダチョウの卵」である。 


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 免疫力が強いダチョウの抗体を利用し、食中毒を防ぐ効果を狙った納豆を、京都府立大の塚本康浩教授の研究チームが、アサヒ食品工業(兵庫県明石市)と共同で開発した。

 塚本教授が開発したダチョウ抗体は、インフルエンザの防護マスクに塗布されて商品化されており、今回は腸内の悪玉菌をターゲットにした。

 病原体をダチョウに注射すると、約2週間後に産んだ卵の中に大量の抗体ができる。この方法で食中毒菌などに対する抗体を持つ卵を作り、その粉末を納豆のたれに混ぜた。「納豆ぢから」と名付けて、10月から関西で試験的に販売する予定。

 塚本教授は「抗体が、胃や腸の中で悪玉菌と反応してくれれば」と期待する。今後、ふりかけやビスケットなど色々な食品につなげていく予定だ。「納豆ぢから」は、9日から3日間、大阪市の「インテックス大阪」で、全国29大学が企業と開発した食品が並ぶ「メイド・イン・キャンパス ぐるめ街道」で紹介される。(2009年9月6日14時43分  読売新聞)

 

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