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 再び、スターダストレビュー?
 2009年8月17日、米航空宇宙局(NASA)は、無人探査機スターダストが彗星(すいせい)の近くで採取して地球に持ち帰った試料から、アミノ酸の一種「グリシン」が見つかったと発表した。ウイルスを除く地球の生命は、グリシンを含む20種のアミノ酸の組み合わせでさまざまなタンパク質を合成し、生命活動に役立てている。

 スターダスト (Stardust) はアメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画による宇宙探査機の一つである。ヴィルト第2彗星とそのコマの探査を目的として1999年2月7日に打ち上げられ、約50億kmを旅して2006年1月15日に地球へ試料を持ち帰った。宇宙塵を地球に持ち帰った最初のサンプルリターン・ミッションであった。

 NASAのカール・ピルチャー博士は「今回の発見は、生命の基本的な構成要素は宇宙に広く存在するという可能性があり、宇宙で生命は一般的なものかもしれない」と述べた。

 今回はアースダストレビュー?
 2009年9月10日、海洋研究開発機構と東京工業大学の研究チームは、生命誕生に必須とされる高濃度の水素が、初期地球の深海底で大量に発生していたことを実験で確認、初期地球に豊富に存在していた二酸化炭素(CO2)と海底で発生した水素からメタン生成菌が生まれたのが生命の始まり、とする説を支持する有力な成果を得た、と発表した。

 最近の深海探査により、熱水が噴出する海底でメタン菌を一次生産者とする生態系が見つかっている。メタン菌は地球上で最も古くからいる生命体の1つなので、地球上の生命は、熱水噴出口のような海洋底の高温な熱水域で誕生したという説は自然な考え方である。

 コマチアイトとは何か?
 メタン生成菌が生きるためのエネルギーを得るためには、二酸化炭素と水素が必要である。このうち二酸化炭素は地球初期の大気及び、海洋に現在よりはるかに高濃度に存在していたことは、すでに明らかになっていた。

 ところが、初期地球に水素に富む環境を作り出すような地質環境が存在しえたかどうかについては、コマチアイトという岩石が作り出す熱水が最有力であるという仮説はあったものの、それを実験的に証明した例はなかった。

 コマチアイトは今の地球では作られていない、太古の地球のマグマがまだ熱かったときにできた岩石である。成分は酸化マグネシウム(MgO)をたくさん含んでいるのが特徴。これは、コマチアイトがカンラン石を非常にたくさん含んでいるためで、このようなMgOの多いマグマは、非常に高温(1650℃以上)の条件で形成される。

 生命発生とコマチアイト
 今回、鈴木勝彦・海洋研究開発機構システム地球ラボ主任研究員らは、まず、南アフリカで採取されたコマチアイトを加熱、乾燥した後、1,600度で再度溶融したものを急冷することで噴出した当時の新鮮なコマチアイトを再生した。

 それを粉末にして熱水実験装置に入れ、深海底の熱水活動条件である300度500気圧の下に2,800時間おき、その間に反応水を何度か採取して、水素濃度を測定した。その結果、地球初期のメタン生成菌を中心とする生態系を地球規模で普遍的に維持するのに十分な高濃度の水素が供給され得ることを証明した。

 「生命はどこで発生したのか?」という問いの答えは地球で発生したか、地球外で発生したかの2つしかない。何だか宇宙を調べれば宇宙に生命発生の証拠があり、地球内を調べれば地球内に生命発生の証拠がある。どちらも「なるほど」と思わせる説明をされていて面白い。答えは2つのうちどちらかというより、どこでも発生するものなのかもしれない。


参考HP 海洋研究開発機構「進化をつなぐ水素の生成を初めて証明」・地球のささやき「コマチアイト:思い出の石 

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