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 モルディブの「環境税」
 温暖化による海面上昇で国土の大半が水没するとされるインド洋の島しょ国モルディブ。同国のナシード大統領はこのほど、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出量が極めて少ない太陽光など再生可能エネルギーへの変換計画を発表、財源として観光客に1日3ドル(約270円)の環境税を課す考えを明らかにした。

 だが人口約30万人、観光と漁業が主産業の同国で、環境税導入は観光客の足を鈍らせ国家収入減少につながりかねないとの懸念も出ている。

 同国の海抜は最高で1.8メートル。温暖化が進行すれば2100年には国土の大半が海面上昇で消えるといわれている。ナシード大統領は温暖化対策を最重要課題に掲げ、昨年11月の就任直後には、国土の水没に備え、全国民を移住させる土地を外国に確保しようと観光収入の一部を積み立てる構想を発表。だが「水没すると決め付けている」などと議会が激しく反発、計画は頓挫した。

 今回の構想の詳細は明らかでないが、大統領によると必要な費用は約11億ドル。世界的な金融危機により観光客数は減少傾向で、外交筋は「目先の観光収入の減少を理由に議会が反発するのは必至」と指摘。大統領の温暖化対策は再び抵抗に遭うと予測している。(毎日新聞 2009年9月13日)

 フランスの「炭素税」
 フランスのサルコジ大統領は10日、地球温暖化対策の一環として二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出に課税する「炭素税」を来年から導入する意向を示した。CO2排出量1トン当たり17ユーロ(約2300円)の課税の見込み。今後議会で審議されるが、産業や消費者の負担増になるとの反対論が強く、議論が高まっていた。

 新税導入の場合、ガソリン1リットルの消費につき0.04ユーロ(約5.3円)の課税となるほか、石炭、ガスの消費にも課税される。電力消費に関しては、同国は原子力発電が大部分で、課税がない見込み。9月の世論調査では国民の3分の2が課税に反発していたが、大統領は新税導入の見返りに所得税減税などを提言している。

 欧州ではフィンランドが90年に炭素税を導入。その後、ほかの北欧諸国や英国なども同様の税制を導入している。(毎日新聞 2009年9月11日)

 環境税とは何か?
 環境税(environmental tax)とは環境負荷の抑制を目的とし、かつ、課税標準が環境に負荷を与える物質に置かれている税である。温室効果ガスの抑制のために化石燃料に課税をする環境税については、炭素税という。

 環境税には2種類ある。1つは課税そのものによる削減効果を活用した手法。経済的手法で環境問題を解決するために導入される税の総称である。一種のペナルティで、環境税によって外部不経済が経済の内部に取り込まれることが期待される。ただし、税収は環境に使われるとは限らない。

 もう1つは、森林環境税・産業廃棄物税・水源環境保全税など、これらは上記の経済的手法としての面だけでなく、財源使途を環境対策にした目的税としての側面がある。これらの環境税は、地方分権一括法により新設された法定外目的税を活用して、創設されている。

 炭素税とは何か?
 炭素税(carbon tax)とは、化石燃料の価格を、税により引き上げることにより、その需要を抑え、さらには、その税収を環境対策に利用することにより、地球温暖化の原因である二酸化炭素 (CO2) 排出量を抑えることを目的としている。

 対象となる化石燃料は、石炭・石油・天然ガス及びそれから由来するガソリン(揮発油)、軽油、灯油及び重油などの燃料である。

 二酸化炭素 (CO2) 排出削減に努力した企業や個人が得をし、努力を怠った企業や個人はそれなりの負担をすることになるという、低炭素社会実現への努力が報われるという仕組みでもある。

 世界
 地球温暖化の対策として最も本質的な手法とも言われ、欧州のいくつかの国々で炭素税の導入が検討されている。スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリスなどでは既に導入されており、これらの国はいずれも温室効果ガス排出量削減を実現している(京都議定書#各国の取組状況を参照)ことから、導入を検討中の国においても高い効果が期待されている。

 これらの国では化石燃料に課税することが一般的だが、1990年代より様々な環境税を実施しているスウェーデンでは再生可能エネルギーに対する減免・還付等を行っている。

 また、直接的に温室効果ガスに課税する方法でなくとも、ガソリン・軽油などの自動車燃料や原油、石炭など特定の商品(化石燃料)に物品税(個別消費税)として課税することで、事実上の環境税として機能しているものもある。一方、アメリカでは導入への検討はほとんどされておらず、ガソリン税も安い。

 日本
 日本でも導入が提唱され、与野党で、温度差はあるものの、議論は進められている。日本経団連では、エネルギー課税は既に過重である等として新規の環境税の導入は反対している。一方で、既存エネルギー課税の環境対策への転用を認めている。

 2008年9月には、道路特定財源の一般財源化に伴い、既存のエネルギー課税と組み合わせて、使途を環境対策に組み替える考えを示し、容認に転じている。

 

参考HP Wikipedia「炭素税」「環境税」  

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