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 キノボリトカゲ
 キノボチトカゲは平地から山地の森林に生息する。民家近くの樹木で見かけることもある。昼行性だが日陰を好み、あまり動かずに木の幹等でじっとしていることが多い。外敵に襲われると木の裏側へ回り込むようにして逃げる。オスは縄張りを持ち、他のオスが近づくと腕立て伏せのような動きをして威嚇する。

 食性は動物食で、主に小型昆虫類(特にアリ)や節足動物を食べるが、大型の昆虫類、小型爬虫類等も食べる。

 絶滅危惧種
 開発による生息地の破壊や、ペット用の乱獲、外来種のノネコ、ニホンイタチ、ジャワマングース等による食害等により生息数は減少している。またグリーンアノールが本種と形態や生態が似ており繁殖力も強いことから獲物である昆虫を大量に捕食し本種の生態を圧迫すること等が懸念されている。

 ペットとして飼育されることもあり、生息地のみならず日本国内でも流通する。上記の通り生息数の減少に伴い流通量は減少している。テラリウムで飼育される。樹上棲のため、高さのあるケージで飼育するのが望ましい。枝や観葉植物等を組んで活動場所や隠れ家にする。

 大量発生
 基亜種のオキナワキノボリトカゲが宮崎県日南市や鹿児島県指宿市など10年前から九州南部に住み着き、2万匹も大量発生しているとされる。原因はペットや、木材に紛れ込んで持ち込まれた可能性が指摘されている。

 大量発生の理由としては獲物である昆虫類が豊富なうえに、天敵がいないからとされている。また本州にも生息しているのではないかとも言われている。九州南部の生態系を崩すとの懸念があるものの絶滅危惧種であるため、保護すべきか駆除すべきか議論されている。(Wikipedia)

 天敵不在 
 本来は九州にはいないオキナワキノボリトカゲが、宮崎県日南市と鹿児島県指宿市で見られるようになり、日本爬虫両棲類(はちゅうりょうせいるい)学会(会長・松井正文京都大教授)は、駆除などの対策を求める要望書を環境省と両県に送った。

 沖縄や奄美諸島が生息域で、環境省のレッドリストで絶滅危惧(きぐ)2類に指定されているが、天敵がいない南九州では在来生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるという。

 オキナワキノボリトカゲの全長は最大で20センチ余り。やや開けた森林地帯で半樹上性の生活をして、日中に獲物を探し昆虫などを食べる。

 駆除要請
 要望書によると、生息が確認された2市の一部では、かなり高い密度でおり、近い将来、急激に分布を広げる恐れがある。日南市での調査では、アリからセミまでさまざまな昆虫を餌としていた。

 分布が広がった場合、南九州の生物多様性への悪影響が強く懸念されるが、駆除や封じ込めの具体策は実施されていない。外来生物法で規制しているのは、外国からの生物で、オキナワキノボリトカゲのような「国内外来種」は対象になっていない。

 要望書を起案した太田英利・兵庫県立大教授は「まだ、九州での分布は限られているが、生息密度は沖縄や奄美よりも高くなっている。生物多様性の保全を考える時、国内外来種に対する法規制がないことが大きな問題だ。今回の対策を急ぐとともに、同様な問題の再発防止を徹底する必要がある」と話す。(asahi.com 2009年12月2日)  
 

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