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 疲労感の中「COP15合意」
 コペンハーゲンで開かれていたCOP15は、終了予定が1日延び、12月19日、決裂寸前の土壇場で、主要国が何とか合意にこぎ着けた。しかし、私にはやたらに疲労感ばかり伝わってきて、何がどうなったのかよくわからなかった。

 しばらくして、冷静になって考えてみると、ようやく「世界の指導者達はすばらしい」と考えられるようになった。あれだけ、各国がエゴをむき出しにして主張して、まとまるはずがないように思えたCOP15を合意させたのだから、さすが世界のトップと言えるかも知れない。

 私だったら何をみんな勝手なことをいっているんだ、と言って国交断絶、次は戦争に発展するかも知れない。「あきらめない」根気は、さすが世界のリーダー達の会合であったと言えるだろう。

 地球温暖化阻止で協調
 合意の内容を簡単にまとめると、「世界中で地球温暖化を阻止するという方向性を確認。しかし、具体的な数値目標を上げるところまではいかなかった」というところだろう。

 よかった点としてはこれまで、京都議定書に参加しなかった、発展途上国や米国、中国、インドも含めて、世界中で森林伐採や森林伐採をストップし、温室効果ガス排出量削減に向かうことが決まったことである。そのために先進国は、継続的で十分な資金、技術、能力開発を途上国に支援することも決まった。

 とは言え、一時はどうなるかと思われたCOP15。各国のわがままにも思える主張表明は、今にして思えば当然のことでもある。なぜなら、どの国も不景気で不満のある中での会議。「不満」が消えることは、人が人である限りないものと考えた方がいい。一度持ってしまった不満は、無くなるものではなく、どこかで出口が必要だった。

 不満の捌け口
 そんな世界同時不況の、時期が悪い中で開催されたCOP15。一般の人達は「それどころではない」という人も多かったであろう。COP15はよい不満の良い捌け口になったのだ。

 その不満だらけの会議をしっかり受け止め、まとめた世界のリーダー達に感心した。何度も言うが立派だと思う。日本の鳩山首相の「温室効果ガス25%削減」目標も影が薄い結果になったが、野心的な数値目標を表明したことはよかった。

 世界の先進国が具体的な数値目標を掲げるのは、次回のCOP16以降になる。今回のCOP15の合意内容は具体的にどうなったのだろうか?

 コペンハーゲン合意
 COP15の政治合意案の要旨は次の通りである。
1.産業革命以前からの地球の気温上昇を2度以内に抑えるべきだとの科学的見解を確認する。
2.地球全体と国ごとの温室効果ガス排出量が可能な限り早くピークを迎えるよう、各国は協力する。途上国で社会・経済発展と貧困解消が最優先されることも認める。
3.継続的で十分な資金、技術、能力開発を、先進国が途上国に支援する。
4.先進国は、個別または共同で、20年の温室効果ガス排出量を(数値は空欄の)別表のとおり設定する。
5.途上国は持続的な開発に向けた温暖化対策を取る。対策の内容は2年ごとに報告する。対策は各国内で監査や査定を受ける。先進国資金による対策は国際的に監査・検証を受ける。
6.途上国は、森林伐採や森林破壊による温室効果ガスの排出を減らす。
7.先進国は、費用対効果を高めつつ温暖化対策を図るため、市場の活用を含む多様な手法を追求する。
8.森林減少・劣化対策や技術開発など途上国の温暖化対策を支援するため十分な資金を途上国に提供する。300億ドルを10〜12年までに提供すると確約した。また20年時点で年間1000億ドルを支援する目標を支持する。
9.ハイレベル委員会をつくり、(温暖化対策のための)財源の見積もりを行う。
10.途上国の温暖化対策を支援するため「コペンハーゲン気候基金」を設立する。
11.温暖化対策の技術開発や途上国への技術移転を強化する「技術機構」を設立する。
12.合意内容とその履行状況について16年に見直しをする。
(毎日新聞 2009年12月19日) 

 

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