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 COP15辛くも合意
 デンマーク・コペンハーゲンで開催されていた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、現地時間12月19日土曜日の15時半ごろ閉幕した。 その時各国はどんな主張をしたのだろう?

 12月18日には主要国による首脳級会合で、2013年以降の温暖化防止の枠組みに関する“政治合意”として「コペンハーゲン合意」を大筋で合意。翌19日に開いたCOP15の全体会合では、参加国すべての合意は得られず、「合意に留意する」という形で落着した。この文書には日米欧のほか、中国、インドなど26カ国以上が合意している。

 各国の削減目標を、法的拘束力のある条約として固めていく交渉は、来年11月にメキシコで開催するCOP16まで先送りされた。採択もされておらず、法的拘束力もない合意だが、混迷からひねり出されたコペンハーゲン合意によって、新たな将来枠組みへの道筋ができた。

 京都議定書の延長?
 今回のCOPで一番肝を冷やしたのは12日だ。作業部会の議長が京都議定書の単純延長を提案。この報道には背筋の凍る思いをした向きも多いのではないか。ある電力大手の幹部は、土曜日にもかかわらず出社して情報収集したという。

 仮にこの提案「だけ」が合意されてしまえば、現在、京都議定書に批准している先進国(日本、欧州連合、オーストラリア、ロシアなど。当然米国は含まれない)「だけ」が2020年までの削減義務を負ってしまう。もちろん、その後の交渉で他国にも削減を求める枠組みを追加することもできるだろう。しかし、日本の2020年までの義務を、他国(主に米中)の削減義務や行動がどうなるかわからないまま、固定させてしまいかねない大きなリスクがあるのだ。

 日本の産業界にすれば、米国や中国がそれなりの削減をすることが担保されなければ、とてもではないが受け入れられる話ではない。米中の削減も議論のそ上にのぼったと報道されるまでの数日間、新聞を開き、ニュースを聞くたびに胸を射られるような思いがした。(nikkei BPnet 12月11日)

 先進国と途上国の対立
 今回のCOP15で目立ったのが、先進国と途上国の対立だ。とりわけ、中国は途上国グループ「G77プラス中国」とブラジル、南アフリカ、インドとともに新興国グループ「BASIC」を立ち上げた。

 民族問題、環境問題、地域格差など国内に矛盾の多い中国にとって、排出削減を義務づけられるのは困る。経済成長を続けることが、国内体制維持の絶対条件だ。最後まで合意には抵抗し続けた。

 一方技術に優れた先進国が、生き残るためには、CO2削減目標が高ければ高いほど賞賛される。ブラウン英首相は21日、気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)をめぐり「未来への歩みが数カ国によって人質に取られた」などと述べ、法的拘束力のある政治合意を採択できなかったことについて、名指しを避けながらも中国を批判している。

 また、CO2排出量世界1位の中国に次ぐ2位の米国もリーダーシップを取れなかった。この国も軍事力世界一を維持するためには、よけいな出費を増やすわけにはいかない。国内の石油エネルギーなどを有効に使って世界に対抗せねばならない。

 米国はオバマ大統領が積極的に動いたもののCO2排出削減目標は日欧より低く、国内の温暖化防止法の成立も遅れている。

 何が理想なんだろう
 26カ国以上が合意はしたものの、参加国120ヶ国の大半の途上国は最終局面で反発、「平均気温が2℃上がれば国民の相当数は死に至る(スーダン)」などのアフリカ諸国や、海面上昇におびえる島国の数カ国が反対を表明。大半が納得のいかない複雑な空気の中、「合意を留意」という最低限の形で終結した。

 もとから、どの国も利害関係は一致しない。その中で地球環境を守りながら、科学技術と産業を融合せねばならない。その中で合意があるということ自体が奇跡だ。各国のリーダー達はよくやったと思う。ご苦労様でした。

  しかし、地球環境を考えるとこのままでよいはずがない。鍵をにぎるのはCO2大量排出国である、中国と米国であり、この2国に批判が集中するのは当然のことだと思う。

 会議で日本がCO2削減目標25%を表明したが、たいした影響はなかった。現在の地球環境は、中国と米国、この2国にゆだねられているのが明確化した「COP15」であった。

 

CO2と温暖化の正体
ロバート・クンジグ,内田 昌男監訳,ウォレス・S・ブロッカー
河出書房新社

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気候変動 2℃
山本 良一,Think the Earth Project
ダイヤモンド社

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