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 2月4日立春 各地で最低気温
 立春の2月4日、北日本から東日本の上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、東京都心でも氷点下0.4度まで下がるなど、各地でこの冬一番の冷え込みとなった。気象庁によると、北海道では日高町で氷点下27.8度を記録するなど、4地点で観測史上最低を更新した。

 気象庁によると、栃木県鹿沼市では氷点下6.9度、埼玉県越谷市では同5.7度、前橋市では同4.3度、千葉市では同1.1度...などでもこの冬一番の冷え込みで、平年を2〜5度程度下回った。

 日本付近は冬型の気圧配置となり、降れば平地でも雪になるような強い寒気が関東を覆っている。夜間に地表の熱が奪われる放射冷却現象も重なったという。

 北海道内では依然として強い寒気が居座り、上川管内占冠(しむかっぷ)村で氷点下34.4度まで下がるなど、各地で今季一番の冷え込みとなった。日高管内日高町(氷点下27.8度)、同浦河町(同26.7度)、釧路管内弟子屈町(同24.9度)、夕張市(同23.6度)の4カ所は観測史上最低気温を更新した。

 日本気象協会北海道支社によると、道内で氷点下30度を下回るのは2年ぶり。十勝管内陸別町でも氷点下30.9度、弟子屈町川湯でも同30.1度を記録した。厳しい寒さは6日まで続く見込み。



 今年は暖冬?冷冬?
 一方、1月5日は愛媛県松山市では、全国トップを切って梅が開花した。平年より1週間早い開花である。1月20日の「大寒」には、九州・山口の各地は3〜4月並みの暖かい日となり、福岡県太宰府市の太宰府天満宮では神木の「飛梅」が小さな白い花を咲かせた。

 その後、2月に入ってからは、また寒気が南下して寒い日が続いている。しかし、梅の開花前線は北上を続け、ここ神奈川県でも、鎌倉の梅の見ごろは2月中旬〜2月下旬ごろになりそう。現在全体的には3〜4分咲きになっている。一部早咲きの紅梅が散り始めている。2月4日現在、荏柄天神社、光則寺、長谷寺などが見ごろ。

 小田原市の曽我の梅林では、早咲き(白梅)は7分咲きから満開で、見ごろを迎えている。紅梅は満開、しだれ梅は2分咲きから3分咲きである。 小田原梅まつりは曽我梅林、小田原城址公園を会場に1月30日(土)から2月28日(日)まで開催される。

 「立春」の2月4日、島根県内は日中の気温が上がらず、寒い一日となったが、松江市の松江城山公園では、約80本ある梅の木の一部で花が咲き始めており、昨年より約1週間早く、3月上旬に見頃を迎えるという。(2010年2月5日  読売新聞)こうして見ると、今冬は冷冬なのか暖冬なのか、どちらなのだろう?

 寒気の原因は「北極振動」
 昨年末から北米や欧州、アジアなど北半球を襲っている寒波は、北極圏の寒気の動き「北極振動」が強い寒気放出期になったのが原因とする分析を米雪氷データセンターが12日までにまとめた。

 寒気の蓄積や放出の大きさを示す指数は、昨年12月にマイナス3.41と1950年以降最も低く、寒気が強く放出されているという。

 同センターなどによると、北極振動は気圧の変動により大気の流れが周期的に変化する現象。今冬は北極圏の気圧が高く中緯度地域は低い北極振動指数がマイナスの状態で、北極圏から放出された寒気が中緯度地域に流れて気温が低くなる一方、北極周辺は気温が高い状態が続いている。

 年末から年始にかけて、米国や欧州、アジアでは記録的な寒さを記録。温暖な気候で知られる米フロリダ州で氷点下を記録、欧州では主要空港で航空便の遅れや運休が相次いだ。中国やインドでも記録的な寒さが続き、インド北部では300人近くが寒波の犠牲になった。(47NEWS 2010.1.13)

 はずれた長期予報
 当初、気象庁では「暖冬で日本海側の雪は少ない」(気象庁)と予想していたが、平年並みの寒さが続き、4年ぶりの大雪となっている。日本付近に寒気が流れ込みやすい上空の気圧配置が続いていることが主な原因で、気象庁は「予想外だった」と説明する。

 夏に発生したエルニーニョ現象が予想に反して顕著でないことも影響しているといい、「平成18年豪雪」以来の豪雪となる恐れも出てきた。

 気象庁によると、昨年12月の降雪量は平年比で北海道109%、東北日本海側80%、北陸131%。2008年までの3年間の12月は、北陸で平年の20%前後、東北日本海側で30〜60%で、今冬は大幅に増えた。今月も日本海側ではまとまった雪が降る日が続き、積雪は各地で平年を上回っている。

 原因は上空の気圧配置だ。昨年11月末ごろから、北極付近で気圧が高く、日本を含む中緯度帯で低い状態が続き、北極付近の寒気が南下しやすくなっている。米国や欧州も先月中旬、寒波に襲われ大きな被害が出た。

 また、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が発生すると、日本は高気圧に覆われやすくなり、暖冬になる傾向がある。だが、今冬は同現象によって大気の対流活動が活発になる領域が通常より西側にずれているため、日本付近では高気圧が発達していないという。

 気象庁は、昨年9月発表の寒候期予報や毎月発表している3カ月予報で、今冬(12〜2月)について「気温は平年より高く、日本海側の降雪量は平年より少ない」としていた。気象庁気候情報課は「上空の気圧配置がこれほど長く安定するとは予想外だった。北極付近の気圧が変動するメカニズムは解明しきれておらず、予測が難しい」と説明する。同庁は平成18年豪雪の冬も「北日本を除き暖冬」と予想し、大きく外れた。(毎日新聞 2010年1月7日)

 今後、しだいに温暖に?
 気象庁の予報では「2月10日から2月19日まで」において、関東甲信地方では、2月10日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上となっている。

 気温の上昇にともない、北部山沿いではなだれの危険があるという。また、関東甲信地方では、向こう1週間は気温がかなり高くなるが、その後は次第に気温は平年を下回る予想で、気温の変動が大きい見込みだ。

 どうやら、強い寒気も流れ込みやすい状況に変わりはないようだが、確実に春は近づいているようだ。

 

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