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 シーシェパードとは何か?
 シーシェパード (Sea Shepherd) は、生態系と生物種の保全を名目とした団体のひとつであり、「世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉」を目指して活動する国際非営利組織。アメリカ合衆国ワシントン州フライデーハーバーに本部を置く。

 国際的な環境保護団体であるグリーンピース に所属していたポール・ワトソン(Paul Watson) らが同団体を脱退し、1977年に設立した。シーシェパードはカナダ、ロシア、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島、アメリカ、日本などで派手な「直接行動」による抗議活動を行っている。

 「環境保護団体」を自称しながら、自らの目的達成のために捕鯨船やその乗員に向けて発砲したり、捕鯨船に爆薬を仕掛けたり抗議船を衝突させて捕鯨船を撃沈させるなど手段を選ばない不法な暴力手段を用いている。

 このためメンバーが威力妨害等の容疑で逮捕ならびに国際手配されたこともある。また捕鯨船などに対する妨害活動の際に、環境中への放出禁止が指定された薬物の投擲やワイヤーの海洋投棄、さらに衝突によって油を垂れ流して沈没したアディ・ギル号を鯨の生息する南極海に放置する等、数々の環境破壊を行っている。

 シーシェパードの活動は度々エコテロリストによるエコテロリズムであると批判されており、ポール・ワトソンが及ぼす影響力についてカルト的であると指摘され、実際にアメリカ連邦捜査局(FBI)などの各国の治安当局によりテロ組織(エコテロリスト)の1つとして監視下に置かれている。1986年にアイスランドの捕鯨船を撃沈したため、国際捕鯨委員会 (IWC) によりIWCのオブザーバー資格を剥奪され、2008年3月にはシーシェパードを名指しした非難決議が全会一致で採択されている。(出典:Wikipedia)

 シー・シェパード抗議船、南極海で日本監視船と衝突 
 2010年1月6日、米環境保護団体「シー・シェパード」は、同団体の捕鯨抗議船アディ・ギル号が南極海で日本の調査捕鯨団の監視船、第2昭南丸と衝突、航行不能になったことを明らかにした。乗組員の1人が肋骨にひびが入るけがを負ったという。水産庁は、第2昭南丸の船体に大きな被害はなく、乗組員にけがはないとしている。

 シー・シェパードによると、ギル号は抗議活動中に第2昭南丸に衝突され、船体が半分以上沈んだ状態になった。乗組員のうち5人は別の抗議船に避難、船長が船体の修繕などを行った。

 シー・シェパードは「(事故発生時)ギル号は静止していたが、突然衝突された。(日本側は)救助もしてくれなかった」と批判。一方、調査捕鯨を行う日本鯨類研究所は、ギル号が衝突してきたとしている。(Nikkei net 2010年1月6日)

 シー・シェパード:調査船に液体入り瓶 3人顔に痛み
  2010年2月11日、水産庁に入った連絡によると、南極海で調査捕鯨をしていた日本の調査船団が、反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」から液体入りの瓶を撃ち込まれるなどの妨害を受けた。瓶の液体は調査船「第2昭南丸」(712トン、小宮博幸船長)の乗員3人の顔にかかり、3人は痛みを訴えているという。

 水産庁によると、日本時間の11日午後6時ごろから12日午前1時半ごろ、SSの小型ボートから断続的に液体入りの瓶が撃ち込まれた。液体は悪臭がしており、酪酸とみられる。(Nikkei net 2010年2月11日)

 シー・シェパード、捕鯨調査船に活動家が侵入
 2010年2月15日、日本時間同日午前9時ごろ、南極海で調査捕鯨中の日本の調査船「第2昭南丸」に米環境保護団体「シー・シェパード」(SS)の男性メンバー1人が侵入したと発表した。男性の身柄を保護しており、今後外務省などと取り扱いを協議する。

 同庁によると、男性はSSのアディ・ギル(AG)号の船長。昭南丸に水上バイクで近づき、侵入したという。乗り込み時に手の指に軽傷を負った。日本側にけが人はいないという。

 AG号は1月、昭南丸と衝突し大破。船長は事故の賠償を求め、3億円を請求する内容の抗議文を日本側に手渡したという。 (Nikkei net 2010年2月15日)

 シー・シェパードの元船長逮捕へ、監視船侵入で
 日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」に反捕鯨団体シー・シェパードの活動家が侵入した問題で、海上保安庁は同船で身柄を確保している活動家について、艦船侵入容疑で逮捕する方針を固めた。

 活動家はニュージーランド人で、今年1月に第2昭南丸と衝突し大破した小型高速船「アディ・ギル号」の元船長。先月、水上バイクで第2昭南丸に近づき、侵入防止用の網をナイフで切って船内に侵入した。

 捜査関係者によると、元船長はこれ以前に、ボートに乗り込んで同船に近づき、酪酸入りの瓶を投げつけたことも認めており、海上保安庁では一連の調査捕鯨妨害についても調べる方針。

 同船は東京港に今月12日頃に到着する予定で、上陸し次第、逮捕する。(2010年3月7日  読売新聞) 

 行き過ぎた環境保護
 船舶は旗国(掲揚する旗の国)に管轄があるため、日本船籍の「第2昭南丸」に対する反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」の妨害行為は、公海で行われていても、日本の法律が適用される。

 クジラを知的生物として保護する考え方があるが、クジラを食料として捕獲してきた捕鯨国には「食文化としての鯨肉食」が存続する。

 反捕鯨国の多くはクジラを保護の対象となる「野生動物」と見る、見解の相違を生じている。このことがクジラの食料利用、特に商業利用における対立の根幹である。ただし、反捕鯨国がクジラを野生動物としてみる点を捕鯨国側が短絡的に「食文化の否定」と決め付けるのは誤りであり、難しい問題だ。

 それにしても、合法的に航海上で我が国が行っている調査捕鯨に、わざわざ船で暴力的に妨害しにくるのは、あまりにも行き過ぎた環境保護だと思う。

 

参考HP Wikipedia「シーシェパード」・日本鯨類研究所「シーシェパード問題

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