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 ワシントン条約締約国会議開催
 ワシントン条約締約国会議が、3月13日よりカタール・ドーハで開催されている。今回の日本にとってのポイントは大西洋と地中海のクロマグロの取引規制だ。取引規制が採択されても太平洋のクロマグロは獲れるが、クロマグロの国内流通量は半減する。

 現在は在庫が豊富で、禁輸になっても2年分くらいは十分な在庫があり、すぐに品薄になることはないので、「マグロパニック」は起きないとの見方が大勢だが、中長期的にはマグロ全体の価格への影響も予想される。

 禁輸が決まれば、政府は決定に従わない意思を示す「留保」の手続きを行う方針を固めている。同様に留保を表明した国との間で、認められた取引を継続することができるが、その場合は国際的に強い批判を受ける可能性がある。

 

 行き過ぎた環境保護活動
 今回の会議で気になるのは、会議に先立つ、環境保護運動である。極寒の南極海における「シーシェパード」の執拗な抗議活動。そしてアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーブ」。この映画では、日本のイルカ漁を批判したり、ワシントン条約で日本の食文化に深くかかわる魚類が多く取りざたされている。

 この問題を見て、江戸時代の生類憐れみの令を思い出した。一般的に「苛烈な悪法」「天下の悪法」として人々に認識されているが、江戸時代史見直しと共に徳川綱吉治世の見直し論も起こり、この令も最近は再検討されている。もちろん動物の乱獲や虐待はいけないが、最近はこの時代の感覚に近くなったように思う。

 海洋生物にも環境保護
 日本ではあまり知らされていないが、ちょっと都市を離れ山の方に行くと、シカやイノシシ、サルがふえ、農家の作物の食害がひどい。そのため、せまい畑を囲って動物たちから守るようにして、細々と農業をしている。現在、法の規制があり、動物たちを猟銃でやたらに駆除することはできない。かくして、山村の過疎化が進んでいるという。

 世界的にもこの度が過ぎた環境保護の流れがあるように感じられる。ワシントン条約による規制は、これまでジャイアントパンダやトラなど陸上の希少動物が中心だったが、2000年代に入ると、ジンベエザメやヨーロッパウナギなど海洋生物が対象となり始めた。

 世界自然保護基金など環境団体の間には「海洋生物は野生生物の大半を占める割に、ワシントン条約に十分に反映されていない」との認識があり、規制拡大を後押ししている。(2010/03/14 共同通信)

 漁業規制をして得をするものは誰か?
 私は環境保護を悪いとは思わないし、アカデミー賞作品も悪いと思わない。きっと人々を感動させる、芸術性に富んだものだと確信している。しかし、これには何か裏があるように思う。ちょうど数年前に、バイオ燃料と称してトウモロコシの値段が高騰したように、環境保護と称して漁獲量が減れば、マグロが高騰したり、他の食物に影響が出るかもしれない。

 現在デフレが続いているから、食品の値段が上がるのも悪くない。だが、バイオ燃料の問題では、トウモロコシの高騰により、他の食品も高騰。世界的に多くの貧しい人達が飢えて苦しんだ。規制をして一方に利益がでて、貧しい人達が飢えるのであれば、それは行き過ぎである。

 かつて欧米の政府と商人が、キリスト教を利用して各地で植民地を広げたように、環境保護の美名を利用して、利益を得ようとする者がいるのであれば許せない。やはり、よい商品を提供して支持を得るべきである。

 「ザ・コーブ」は素晴らしい作品
 そういう意味ではアカデミー賞受賞の「ザ・コーブ」は素晴らしい。人々に感動を与えたからだ。この商品はよい。この映画を見て賞賛する日本人も多い。この時点で日本は窮地に立たされることになった。

 だからこれに対抗するためには、日本でも映画をつくればよい。フランス政府から、芸術勲章の最高章コマンドール章を受章した北野武監督あたりでどうだろうか?欧米で名前が知られている監督が、日本が明治維新以降、欧米の植民地政策に対し、アジアのためにいかに頑張ったかを映画にできたら、アカデミー賞も夢ではない。しかし、あのおちゃらけた性格では無理な注文か。

 ちなみにフランスでは、地中海でクロマグロ養殖を行っていて、日本に向けて輸出をしている。 

 

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