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 サンゴの天敵を退治せよ!
 サンゴを食い荒らす天敵のオニヒトデの駆除に取り組んでいる和歌山県串本町の「サンゴを食害する動物駆除実行委員会」(御前洋代表)が、2010年度の「みどりの日 自然環境功労者環境大臣表彰」を受賞することになった。

 4月29日に東京・新宿御苑で表彰式が行われる。

 同町沿岸では、1991年以降、黒潮の影響で冬場の平均水温が1〜2度上昇。沖縄近海から運ばれたオニヒトデが越冬し、定着する環境が整った。2004年に始まった大発生では、約8割のサンゴが食害で死滅するなど、被害が深刻な海域も出てきた。

 このため、地元の29のダイビング業者でつくる同実行委が「ラムサール条約に登録された串本の海を守ろう」と、定期的な駆除に乗り出した。作業にはボランティアも加わり、今年3月末までに計400回以上実施。計6万6643匹を駆除した。

 継続的な作業が功を奏し、ピーク時に1人約60匹だった駆除数が、昨年度は6.3匹にまで減少。実行委は潮岬の南端から同町和深まで海岸線に沿って約30キロを潜水調査しているが、生息範囲は広がりを見せているものの、個体数は目視でも大幅に減少しているという。

 御前代表は「受賞は率直にうれしく思う。メンバーの士気も高まるだろう。オニヒトデを根絶することは無理だが、駆除を継続することで被害を最小限に食い止められる」と話している。

 同表彰は1999年、環境保護への功績の顕彰を目的に創設。県内では、これまで広川町立津木中学校、高野町の「ゲンジの森実行委員会」など6団体が表彰されている。(2010年4月23日  読売新聞)

 オニヒトデとは?
 沖縄ではよく知られていた、オニヒトデによるサンゴの食害。このように串本町のような本州の沿岸でも被害が報告されている。それを地元の人達が根気強く駆除して、サンゴを守り続けている努力が「自然環境功労者環境大臣表彰」を受けることになった。

 とても1人の力では考えつかない。駆除の回数400回、駆除数は計6万6643匹は素晴らしい協力と、努力の成果である。さてサンゴを食べる「オニヒトデ」とは何だろう?

 オニヒトデ ( Acanthaster planci)とは、オニヒトデ科の動物である。輻長約15cmで、多数の腕を持ち、全身が棘に覆われた、大型のヒトデである。サンゴを食べ、時に珊瑚礁の破壊者と目される。体表面には大量の有毒の棘が生えており、これがヒトの皮膚に刺さるとオニヒトデ粗毒によって激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックによって重症に陥ることがあり、最悪の場合、死に至ることもある。

 造礁サンゴの敵、オニヒトデ は腕の先端から先端までの直径が最大で約60cmまで成長する、通常は30‐40cmである。1個体のメスヒトデから1000万個もの卵(約 0.2mm)が放出される。受精卵はヒトデとして典型的な発生過程をたどり、約半日後に孵化し、幼生(ビビンナリア)は植物プランクトンを摂取して成長、2〜6週間の浮遊幼生期間の後に石灰藻などの付着基盤に固着。直径約0.5mmで5腕の稚ヒトデに変態する。

 定着した幼体は石灰藻やデトライタス(魚などの死体が分解してできた有機物)を食べるが、ある程度の大きさまで成長すると石灰藻食、デトライタス食に加えて珊瑚を捕食するようになる。腕の数を増やしながら生長し、熱帯海域の温度では約半年間で直径8mmまで生長して腕の数もこのヒトデとして 標準の14‐18本となる。この頃から腕と体盤の上の棘が伸び始め、造礁サンゴを食べるようになる。

 満1年で径数センチ、満2年で約 20cmとなって性成熟し始め、3年目以降数年間は毎年繁殖を繰り返し、6〜7年で生理的な寿命を迎えると見られている。石灰藻、珊瑚とも摂食するときは口から胃を裏返して広げて餌生物に押し付け、消化吸収を行う。なお、通常はミドリイシ類やコモンサンゴ類等の成長が早いサンゴを好む。(Wikipedia)

 串本町とはどんな町?
 さて、今回の舞台「串本町」は明石家さんまさんの出身地。紀伊山地を背に潮岬が雄大な太平洋に突き出した本州最南端の町。(面積135.78km2)本州最南端の地、潮岬は北緯33度26分、東経135度46分。これは、東京の八丈島とほぼ同緯度に位置する。茫々たる太平洋に面し、東西に長く延びた海岸線はこの地方の特色であるリアス式海岸で、奇岩・怪石の雄大な自然美に恵まれ、吉野熊野国立公園及び枯木灘県立自然公園の指定を受けている。

 黒潮の恵みを受けて、年間平均気温17℃前後と気候はいたって温暖。冬季でも平均気温6〜8℃でほとんど雪を見ることはない温暖な気候だ。1970年代末には潮岬海域にも貴重なサンゴ群落があることが認識されていた。環境の攪乱に対して敏感なサンゴ群集は陸域の環境攪乱に強く影響されるので、貴重なサンゴ群集のためにはこの海域に対する何らかの保全的施策が期待されていたところ、環境省自然保護局は2004年に串本海中公園地区管理方針検討調査という資質調査を実施。

 調査の結果、本州の中部という比較的高緯度に位置しながら大規模で高密度な、かつ、多様性の高いサンゴ群集が生息しており、串本海中公園で見られるテーブルサンゴ(クシハダミドリイシ)の群生は、群生地としては世界で最北に位置するといえる。また、串本町大島では、日本ではとても珍しいオオナガレハナサンゴの国内最大群生地も見つかった。

 ラムサール条約とは?
 渡りをする水鳥は、餌場やひなを育てる繁殖地として世界中の湿地を利用しているが、近年このような湿地は世界中で減少しつつある。1971年、イランのカスピ海湖畔の町ラムサールにおいて「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が制定された。これが「ラムサール条約」。

 日本は1980年にラムサール条約に加入し、わが国初のラムサール条約湿地として釧路湿原が登録された。現在では、水鳥の生息地だけでなくサンゴ礁やマングローブ、地下水系など、さまざまなタイプの水辺の保全・再生を呼びかけている。2010年4月現在、この条約に加盟する国は159カ国。最近では第10回締約国会議 (COP10)が2008年大韓民国 昌原で、次回は第11回締約国会議 (COP11)が2012年ルーマニアで予定されている。日本では第5回締約国会議 (COP5)が1993年、釧路で開催されている。

 串本の海が選ばれたわけ
 串本沿岸海域(串本海中公園周辺)は、2005年11月8日にラムサール条約に登録された。しかし、ラムサール条約(Ramsarm Convention)は、湿地の保存に関する国際条約。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的でつくられた。なぜ、串本の海が登録されたのだろうか?

 串本は北緯33度30分という位置にあり、位置的にみると本来ならサンゴよりも海藻がよく生える温帯の海に属す。しかしながら、串本はすぐ沖合を流れる黒潮によって、赤道付近から暖かく澄んだ海水が大量に運ばれてくるため、とりわけ暖かい環境が作られいる。そのため、沿岸では熱帯性の生物が豊富に見られる。

 その代表がサンゴで、串本の浅い海岸には熱帯の海に勝るとも劣らないくらいのサンゴが生息し、世界で最も北にあるサンゴの海をつくり出している。このような串本の海の特異性が評価され、ラムサール条約に登録された。

 

参考HP Wikipedia「ラムサール条約」・ラムサール条約事務局串本海中公園串本町公式サイト  

南紀串本 海の生き物ウォッチングガイド―本州最南端
山本 典暎,古見 きゅう,土屋 光太郎
ピーシーズ

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