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 金星と月の天体ショー
 5月16日の日曜日の夕方、細く美しい月と、ひときわ明るく輝く天体が寄り添う天体ショーが観察できた。あの明るい天体は何だろう?

 そう、宵の明星「金星」である。今、金星がが夕方の西の空で明るく輝いている。今月は、先月よりも日の入後の高度が高くなっているので、見つけやすい。明るさもマイナス4等と、さらに明るくなってきた。

 太陽と月、および人工衛星や流星などの突発的な現象を除けば、星のように輝く天体の中で一番明るいのが金星である。星座を形作る星々の中で一番明るい、おおいぬ座の「シリウス」と比べると、なんと最大で20倍もの明るさになる。

 人気が高いのは、1か月に1度のペースで見られる「三日月との接近」である。とくに5月16日は、細い月が金星にくっつきそうなほど近づいた。

 よく晴れた五月晴れの宵闇に、輝く月と金星はなんともいえないほど美しかった。日本では、金星と月が接近する様子しか観察できなかったが、東南アジアでは、金星が月にかくされる「金星食」が観察できたという。

 次回の天体ショーは5月20日。月はだんだん金星から離れていくが、今度は火星に近づく。8月13日 には、三日月と金星・火星・土星を合わせた4天体の接近ショーが見られる。 

 金星の謎に挑む「あかつき」
 さて、美しい金星に向け惑星探査機「あかつき」が打ち上げられる。

 日本の惑星探査機は、2003年に火星軌道への投入が失敗しており、あかつきが成功すれば史上初めて。金星は、地表の温度が約460度に達し、上空では秒速100メートルの暴風が吹き続ける。その謎の解明に挑む世界初の「金星版気象衛星」として、海外からも注目されている。

 上空の暴風は「スーパーローテーション」(超回転)と呼ばれ、その風速は自転速度の60倍にもなる。なぜ地面との摩擦で減速せず、高速を維持できるのかが大きな謎だ。また、大気の96%は温室効果ガスの二酸化炭素で、それが高温を引き起こしている。しかし、大気の成分が、大きさの似た地球とまったく違っている理由はわかっていない。

 これらがわかれば、地球が現在のような穏やかな大気の状態になれた原因を解明する手がかりにもなる。

 あかつきは、今年12月に金星へ到着し、赤外線や紫外線など様々な種類の光を使って、金星大気の全容に迫る。気温や雲の動き、大気の成分などを、地表付近から高度90キロ・メートルを超える上空まで高さごとに調べる。

 あかつきを運ぶH2Aロケットには、世界初の宇宙ヨット「イカロス」も相乗りする。14メートル四方の帆に太陽からの光を受け、そのエネルギーでヨットのように航行する。宇宙機構は、将来の探査機への活用を目指している。(2010年5月15日13時33分  読売新聞)

 金星探査機「あかつき」とは何か?
 金星探査機「あかつき」(PLANET-C)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究本部 (ISAS)が計画している金星探査機。火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)に続く日本による惑星探査計画で、金星の大気の謎を解明することが目的。

 金星は「地球の兄弟星」と言われてきた。その理由は、金星の大きさや太陽からの距離が地球に近い惑星と考えられているからである。ところが実際には、金星は高温の二酸化炭素に包まれ、硫酸の雲が浮かぶ、地球とはまったく異なる環境だ。

 なぜそうなったのか原因がわかってくれば、地球の誕生や気候変動を解明する手がかりが得られるはず。つまり地球環境を理解する上で最も重要な探査対象なのである。

 この「あかつき」は、そのような金星探査の時代の先駆けとなるもの。計画では、約半年かけて金星の軌道に到達する予定だ。

 赤外線でより詳しく金星の素顔を調査
 「あかつき」は、金星表面からの距離300kmから8万kmまで変化する楕円軌道に投入される。この距離の違いを利用して、金星全体の気象現象や地表面を広い範囲で調べたり、金星から宇宙空間へと逃げ出す大気の観測や雲のクローズアップ撮影を行う。

 また金星表面には毎秒100mにも達する「スーパーローテーション」と呼ばれる暴風が吹き荒れているが、これまでこの自転速度の60倍にも及ぶ風速が発生する原因は気象学的にも理由がつかず、金星最大の謎とされてきた。「あかつき」では、雲の下の大気や地表の様子までを赤外線による観測を行ってその謎の解明に迫る。

 その他、これまで確証のつかめなかった金星での雷の放電現象や、火山活動の有無等を調査することもミッションに含まれている。この計画によって、日本は惑星探査の新たなパイオニアとなることを目指す。

 「あかつき(PLANET-C)」は、ハレー彗星を観測した「すいせい(PLANET-A)」、火星を目指しながらも、目的を遂げられなかった「のぞみ(PLANET-B)」に続く3機目のJAXA惑星探査機。2010年に打ち上げられ、太陽系を半周した後、年内に金星に到着し、金星をめぐる軌道に入る。「はやぶさ(MUSES-C)」でJAXAが習得した惑星間航行の成果が生かされる。(プロジェクトマネージャー中村正人)

 

参考HP JAXA「あかつき特設サイト」・AstroArts「金星を見よう」 

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