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 発癌性物質ニトロソアミン
 安全なはずのシャンプーが、発癌(がん)性物質の生成につながる恐れがあることが新たな研究で明らかになった。

 アメリカの下水処理場で調査したところ、シャンプーをはじめとする家庭用製品が浄水処理過程で使用される消毒剤と反応して、ニトロソアミンという発癌性物質を生成することがわかった。ニトロソアミンはほとんど研究が進んでおらず、この物質が回り回って水道水に混入することもあり得るという。

 今回の研究でイェール大学チームは、ニトロソアミン類のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)に注目した。アメリカ環境保護庁(EPA)はNDMAを“ヒトに対しておそらく発癌性がある(Probable human Carcinogen)”化学物質に分類している。

 アメリカの下水処理場で一般的に使用されている消毒剤クロラミン(塩素とアンモニアの化合物)と、家庭用洗剤の化学物質が反応した際に、少量のニトロソアミンが生じる。クロラミンは、最近、アメリカの水道水に用いられるようになった物質である。従来の塩素消毒で生成されるトリハロメタンなどの有害物質が問題になり、EPAが基準を定めて以来、下水処理にも利用されている。

 まだ結論は出ていないが、「新たな問題が浮上したことは確かだ。それも深刻化している。クロラミンによるものだ」と、マサチューセッツ大学アマースト校の環境工学者デイビッド・レックハウ氏は今回の研究を聞いて指摘する。

 ニトロソアミンの発生源
 ニトロソアミンの発生源は加工肉製品やたばこの煙など多岐にわたるが、水道水に含まれるニトロソアミン誘引物質については長年謎だった。

 しかし、これまでの化粧品の研究から、第四級アミンという物質がニトロソアミン生成の一因である可能性が示唆されていた。家庭用洗剤にも含まれている化合物である。

 ニトロソアミンのさらなる発生源を探すため、研究チームはコネチカット州の下水処理場3カ所で、処理水に含まれる第四級アミンとニトロソアミンを測定し、クロラミンによる処理前後の相対量を解析した。

 また、家庭用製品から無作為に4製品(シャンプー2種類、食器用洗剤、洗濯用洗剤)を選び、ニトロソアミン生成を誘引する化学物質を含んでいるかを調べた。調査対象製品は、米ユニリーバ社製のシャンプー“Suave”(スアーブ)とP&G社製のシャンプー“Pantene”(パンテーン)、同社製の食器用洗剤“DAWN”(ドーン)、洗濯用洗剤“Cheer”(チアー)である。

 第4級アミン類
 調査の結果、ニトロソアミン類の一種NDMAを生成する第四級アミンは、さまざまな製品に大量に使われているため、処理過程で完全に除去されるわけではないことがわかった。

 例えば、下水処理場の1施設あたり80%の住民が調査対象のシャンプー“Suave”を毎日一定量使用すると、処理水に最大3%のニトロソアミンが含まれることになるという。食器用洗剤“DAWN”の場合は“Suave”の約36倍のNDMAを生成する。「Environmental Science & Technology」誌1月19日号に掲載されている。

 洗濯用洗剤“Cheer”やシャンプー“Pantene”など一部の製品では確認されなかった。この結果は暫定的なもので、ニトロソアミンを生成する家庭用製品を特定するものではない。

 今回の研究に携わったイェール大学の化学工学者ウィリアム・ミッチ氏は、第四級アミンは処理課程で除去される場合と、生物学的変化を生じて第三級アミンになるものがあると指摘する。第三級アミンはニトロソアミンをさらに多く発生させる物質である。

 「問題はこれらの誘引物質の多くが高分子の有機化合物(ポリマー)であることだ。現在の分析方法ではポリマー濃度の測定には限界があるため、確かなことがわからない」と同氏は言う。ポリマーは基本となる単純な構成単位が繰り返し結合してできた鎖状の分子である。

 「だからこの点でも今回の結果は忠告にすぎない。ポリマーの第四級アミンを測定して関連性を示すことはできないからね」。 (National Geographic News May 3, 2010)
 
 アミン類とは何か?
 洗剤やシャンプーに含まれているアミン類が下水処理場で普通に使われる、消毒剤クロラミンと反応して、発がん性物質、ニトロソアミンを生成するとは驚きである。

 アミン類とは何だろう? 

 アンモニアの水素原子を炭化水素基で1つ以上置換した化合物の総称である。置換した数が1つであれば第一級アミン、2つであれば第二級アミン、3つであれば第三級アミンという。また、アルキル基が第三級アミンに結合して第四級アンモニウムイオンとなる。一方アンモニアもアミンに属する。

 こうしたアミン類は何に使われるのだろう?

 2級アミンである、DEA(ジエタノ−ルアミン)や3級アミンである、TEA(トリエタノールアミン)に合成され、さまざまな化粧品・洗剤などのの製造時にpH調整剤として使用されている。例えば、スキンローション、アイジェル、モイスチャー、シャンプー、シェービングクリーム等である。

 クロラミンとは何か?
 それでは、消毒剤クロラミンとはなんだろう?

 クロラミン (chloramine) または窒素上に塩素原子を持つ窒素化合物である。 アンモニアの水素原子を塩素原子で置き換えた化合物にはモノクロラミン(クロロアザン、NH2Cl)、ジクロラミン(ジクロロアザン、NHCl2)、トリクロラミン(塩化窒素、NCl3)の3種があり、単にクロラミンといった場合は普通モノクロラミンのことを指す。

 ジクロラミンは不安定な化合物であり、単離することができない。化合物群の呼称のクロラミン、モノクロラミン等は慣用名の無機化合物に対する呼称であり、〜アミンとつづられるが狭義には有機化合物のアミン類を含まない。

 低濃度のモノクロラミンは塩素の代用として水道水の消毒に用いられる。塩素よりも安定で消費者のもとに届くまで消散することがない等の利点から、モノクロラミンの使用は増加しつつある。比較的無害な炭化水素であるメタンなどの有機化合物の存在下でもクロロホルムや四塩化炭素などのハロメタン類を生成させず、塩素のように不快な悪臭を生じさせないので水道水の味が良くなるとされる。

 観賞魚などを飼育する場合、モノクロラミンは魚に有毒なので水道水から取り除かねばならない。 塩素は数日間放置することによって揮発するが、モノクロラミンは揮発性が少なく、より安定なため、観賞魚店などで手に入るチオ硫酸ナトリウムなどの薬剤で除去しなければならない。

 ニトロソアミンとは何か?
 次に発がん性物質、ニトロソアミンとは何だろう?

 ニトロソアミン (nitrosoamine、nitrosamine) とはアミンの誘導体のうち、アミン窒素上の水素がニトロソ基に置き換わった構造をもつ化合物群のこと。中には発がん性などの生理活性が知られる物質がある。

 ニトロソ基は -N=O という構造を持つ基であり、この基を持つ有機化合物をニトロソ化合物(nitroso compound)という。ニトロソ化合物は R−N=O 構造を有する有機化合物である。

 ニトロソ化合物には発癌性をもつものがある。中華人民共和国河南省安陽市、林県、広東省汕頭市周辺には食道癌や胃癌の患者が多いが、この地域の漬物などの食品中に含まれるニトロソアミンなどのニトロソ化合物が影響しているともいわれる。

 また、魚介類に多く含まれるジメチルアミンが、ハム、ソーセージなどの発色剤、保存料として使用される亜硝酸ナトリウム等と化合して発癌性のあるニトロソジメチルアミンとなることも指摘されている。

 シャンプーの問題成分
 シャンプーや洗剤などにそんな危険な物質がひそんでいるとは知らなかった。さて、シャンプーや洗剤の成分は何だろう?

 水を基材に、ラウレス硫酸ナトリウムといった洗浄剤、増泡剤、保湿剤、キレート剤、香料、防腐剤が成分である。

 これらの成分のうち、他に問題な成分ないのだろうか?

 シャンプーで避けたほうがよい成分に、ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸カリウムなど、「ラウリル」と「硫酸」がつく成分がある。石油系合成界面活性剤のひとつで、表示指定成分である。また、同じ石油系のラウレス系(ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸TEAなど)の界面活性剤が、成分表示の上のほうに来るものも避けたほうがよい。

 なぜ避けたほうがよいのかというと、これらの界面活性剤は、洗浄力が強すぎるため、頭皮や髪そのものに必要な脂質まで取り過ぎてしまうから。皮膚に残りやすく、毛根などに悪影響をおよぼすこともある。パーマやカラーのくり返しなどで傷んでいる現代人の髪は、髪を守っているキューティクルがはがれたり、ささくれたりしているので、髪の内部の栄養が抜けやすくなっている。そこに洗浄力の強いシャンプーを使うと、シャンプーするたびに髪の傷みが激しくなることになる。

 しかしこれらの成分は、市販のほとんどのものに含まれている。洗浄力が高くて泡立ちやすく、原料が安価で大量生産が可能であるため、価格競争の激しい市販品で使われることが多いのだ。主成分がよくないと、どれだけツバキ油やホホバオイルといった髪によい成分を配合しても、洗浄成分の影響力が強すぎるために、効果はマイナスになってしまう。

 シャンプーのおすすめ成分
 ではどんな成分のシャンプーがよいのだろうの?

 アミノ酸系、ベタイン系など、両性界面活性剤をつかったシャンプーがおすすめ。例えば、「ココイル加水分解コラーゲンK」など、さまざまな成分があり、どんどん進化していくので、よい成分を列挙して覚えておくより、「避けたほうがよい成分」を覚えて、消去法で選ぶほうが楽。美容室でおすすめされるシャンプーは、このタイプが多い。

 これらの成分が主成分になっているシャンプーを、両性系とか、アミノ酸系、ベタイン系とよびます。洗浄力が優しいため、髪の汚れは落としてくれますが、必要以上に髪の成分を流出させない。また、汚れを落としながら、髪の栄養となるたんぱく質の成分を髪にくっつける効果があるので、洗浄と一緒に、傷んだ髪を修復することができる。傷んだ髪にはトリートメントと考える人がほとんどですが、よいシャンプーは、泡立てて放置すれば、栄養補給もできる。

 

参考HP Wikipedia「アミン」「クロラミン」「ニトロソアミン」 「ラウリル硫酸ナトリウム」・正しいシャンプーの選び方「成分表示

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