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 カザフスタンの草原

 2009年12月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた野口総一宇宙飛行士が無事地球に帰還した。着地したのは、夏の緑にあふれたカザフスタンの草原。「ハッチを開いた時の空気がすがすがしく感じられました」と、5カ月半ぶりの地球を喜んだ。

 大気圏突入から着陸までの約23分間に、最大で4〜5G(重力の4〜5倍)という強い加速度が飛行士にかかった。ヘリコプターで迎えに来てもらえるよう、位置を示す信号を出しながら降下し、パラシュートと小型エンジンで減速して着陸。

 安全性には定評のあるソユーズだが、最近では2007、20008年に2度、帰還船の分離などで異常が発生し、通常より急角度で降下する事態となった。加速度が8〜10Gにもなり、2008年には飛行士1人が負傷したこともあった。

 第22次/第23次長期滞在クルーは、オレッグ・コトフ、野口聡一、ティモシー・クリーマー宇宙飛行士である。彼らを乗せたソユーズTMA-17宇宙船(21S)は、バイコヌール時間2010年6月2日午前9時25分(日本時間2010年6月2日午後0時25分)に、カザフスタン共和国の草原に無事着陸した。

 第22次/第23次長期滞在クルーの宇宙滞在期間は163日、ISS滞在期間は161日であった。これまでの日本人最長滞在記録は、若田光一さん(46)で、長期滞在を含む3回の宇宙飛行で計159日10時間46分だった。

 野口さん一問一答

 
―体調は。
 「ばっちりです」

 ―宇宙にもう一度行きたいか。
 「もちろんです。とりあえず無事に帰ってきました」

 ―どんな感じだったか。
 「本当に火の玉になって降りてきた。まだ何かシミュレーションをしている気がします。あした起きて国際宇宙ステーションにいても、おかしくない気持ち」

 ―帰路は。
 「順調でした。言われたとおりの時間に動いていた。船長が2回目なので、次に何が起こるか教えてくれた」

 (慣例で青いリンゴを渡されて、かじる)

 「おいしいですね。でも重い。ニュートンになった気分。草のにおいと土のにおいが強烈に感じる。ハッチを開けた途端に草のにおいが入り込んできた。地球の空気はおいしいです」

 (衛星携帯で家族と電話)

 「着きましたよ。すぐ帰るからね」       (2010.6.2 共同通信)


 野口宇宙飛行士:元気に帰還
 
 国際宇宙ステーション(ISS)から2日、ロシアのソユーズ宇宙船で無事帰還した野口聡一飛行士(45)は、着陸後間もなく元気な姿を見せた。昨年12月の打ち上げ時とはうって変わって夏の緑にあふれたカザフスタンの草原。「まずは風呂に入りたい」と、5カ月半ぶりの地球を喜んだ。

 米航空宇宙局(NASA)の中継映像などによると、帰還モジュールから担ぎ出された野口さんは、専用のいすに座ると、出迎えた先輩飛行士の若田光一さん(46)とがっちり握手した。笑顔で親指を立て、体調の良さをアピール。宇宙航空専門医の診断を受けながら「(体調は)ばっちり」と日本語で質問に答えた。その後、3人の飛行士はいすごと医療用テントに移動し、より詳しい診断を受けた。

 野口さんは同日夜、自宅がある米テキサス州ヒューストンに向かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、野口さんは重力の影響で首に少し違和感があるが、健康状態は良好という。(毎日新聞 2010年6月2日)

 野口聡一飛行士:ISSで会見
 
 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在し、6月2日に帰還する予定の野口聡一宇宙飛行士(45)が23日、ISSとドッキング中のスペースシャトル「アトランティス」の乗組員らと共に記者会見した。宇宙では最後の会見で、5カ月間の宇宙生活を「終わってみればあっという間だった」などと振り返った。

 野口さんは昨年12月21日、ロシアのソユーズ宇宙船で飛び立ち、同23日にISSに移った。この日はISS滞在152日目。日本人宇宙飛行士としては最長だ。

 会見で体調を尋ねられた野口さんは「体調は非常に良く、生活は快適。あと2〜3カ月いても大丈夫と思う」と笑顔で報告。「帰ったら、まずは温泉でのんびり一杯、といきたいところですが、家族の待つヒューストン(米テキサス州)に戻り、ゆっくり過ごしたい」と語った。

 印象に残っていることとして、3月に小型のロボットアームを日本実験棟「きぼう」から船外に出し、設置したことを挙げ、「『きぼう』の基本的な機能が完成した場面に立ち会えたのが一番うれしい」と述べた。(毎日新聞 2010年5月23日) 

 

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