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 国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で10月に開かれる。日本は南北に長く、四方を海に囲まれ、森林や干潟、サンゴ礁など多様な自然が広がっている。その恩恵で災害が防止され水資源が確保されるなど、私たちの生活は支えられている。しかし、開発や乱獲、外来種の侵入によって維持するのが困難になっている。

 環境を守り、生物多様性を守り、利用する法律にはどんなものがあるのだろうか?今日は自然公園法について調べたい。

 国立公園と国定公園
 美しい自然に囲まれた日本。日本に29箇所ある自然公園は何だろう?また、56箇所ある自然公園は何だろう?

 正解は国立公園と国定公園である。国立公園は29箇所、国定公園は56箇所、都道府県立自然公園は309箇所指定されており、面積の合計は、日本の国土の約14%、東京都では36%を占める。では、国立公園と国定公園の違いは何だろう?

 正解は、国立公園は国の「環境省」が管理し、国定公園「都道府県」が管理する。では世界で初めて国立公園に指定された場所はどこだろう?また、日本で最初の国立公園はどこだろう?

 正解は、イエローストーン国立公園と瀬戸内海国立公園、雲仙国立公園、霧島国立公園である。世界最初の国立公園、イエローストーン国立公園は、1872年に第18代アメリカ合衆国大統領・ユリシーズ・S・グラントによって指定された。日本では1931年に自然公園法の前身である国立公園法が施行され、1934年3月16日に瀬戸内海国立公園、雲仙国立公園、霧島国立公園の3か所が最初の指定を受けた。

 では一番新しく制定された国立公園は何だろう?

 正解は尾瀬国立公園である。2007年8月30日に日光国立公園から尾瀬地域を分離し、周囲を新たに編入する形で尾瀬国立公園が新設された。これは釧路湿原国立公園以来20年ぶりの国立公園の新設である。

 吉野熊野国立公園・西大台地区
 立ち枯れした老木と青い葉をつけた幼木が並び、厚いコケが地面から大木の幹を覆う。吉野熊野国立公園の一角にある西大台地区(奈良県上北山村)。東京ドーム100個分(450ヘクタール)の地域には、少なくとも45科860種の植物が確認されるなど、多様な動植物が分布する。

 生物多様性は、種の多さと、それらによって成り立つ生態系の豊かさなどを指し、西大台地区はその好例だ。かつては観光シーズンには月1500人、年間約5000人が訪れた。地域は活況を呈したが登山道は荒れ、植物の盗掘が続いた。貴重な自然は損なわれた。

 多様性に富む貴重な自然を保護するため、自然公園法は2002年に新たな制度を設けた。1日の利用者数を平日で30人以内、休日で50人以内とするなどの制限を設けた「利用調整地区」制度だ。

 当初、候補地として浮上したのは、世界自然遺産に登録された知床(北海道)などだ。しかし、その多くは私有地を所有する地主らに「観光業などの支障になる」と反対され挫折。全域が国有林になっている西大台に矛先が向けられた。

 制度運用の半年前の2007年1月、村に通じる国道で崩落事故が発生。3人が死亡し、3カ月間通行止めになり、村に入るのは危険という印象が広がった。そして全国初の「利用調整地区」の運用が始まった。

 しかし、運用開始後、地元で不満が噴出した。ハイカーや観光客らは2週間前までに身分を証明する書類を提出しなければならない。団体で入る場合も全員の押印を求められる。天候理由による入山日の変更も認められない。年間利用者は5分の1に落ち込んだ。利用者の受け付け事務を請け負った地元の森林組合は「採算が取れない」として1年後に業務を返上。

 住民からは「崩落事故と利用調整地区制度で、村はゴーストタウンのようになった」との声が出始めた。

 環境保護か地域振興か?
 環境省は、団体で入山する場合は代表者の押印だけで済み、5日前までの申し込みも可能とする措置を取った。だが、天候など個人の事情による日程の変更は認めていない。地元の環境NGO(非政府組織)に所属する田村義彦さん(77)は「環境省は、入山申請を国と個人の契約とする解釈に固執した。もっと地元や利用者の声に耳を傾けるべきではないか」と批判する。

 これに対し、環境省吉野自然保護官事務所の浜名功太郎自然保護官は「風雨で入れなくなるのは準備不足。雨の西大台を体験してほしい」と説明する。

 昨年、村の観光客は前年比5%増の15万人と回復の兆しが見えてきた。

 「国の規制対象になったのは、他地域にない価値があると認められたことだ」。現在、利用者の受け付け事務を担う商工会の中谷守孝会長(52)は今後に期待する。ただし、ピーク時の25万人に及ばない。「これ以上、自然を損ねないようにしなければならないが、もう少し山に人が入っても大丈夫ではないか。環境保全と地域振興をどう両立させていくのか悩ましい」と村の担当者は苦慮する。

 畠山武道・早稲田大教授(環境法)は「利用調整地区制度の理念は間違っていないが、国立公園の利用について、人々の関心が遠のいている。こうした状況で、新しい制度が運用されてもとまどってしまう。生物多様性は適度に人がかかわることで保全される。環境省が国立公園を抱える地域に対し、愛着を持って管理に参加できるよう地道に働きかけることが大切だ」と提言する。(毎日新聞 2010年5月17日)

 自然公園法とは何か?
 1957年制定。優れた自然の風景を守るとともに、利用増進を図り国民の健康を維持することなどを目指している。今年4月に施行された改正法では、生物多様性基本法制定を受け、第1条の目的に「生物多様性の確保に寄与する」と追加。自然保護区の設置や動植物の捕獲を規制しているが、景観保護に偏り、生態系や動物保護の視点が薄いとの批判がある。

 国立公園、国定公園および都道府県立自然公園からなる自然公園を指定し、自然環境の保護と、快適な利用を推進する。

 自然公園は、環境大臣が指定する国立公園・国定公園、都道府県知事が指定する都道府県立自然公園があり、いずれも自然環境の保護と快適で適正な利用が推進されている。土地の所有に関わらず地域が指定されているため、公有地のほか、民有地が含まれている場合もある。

 国立公園は環境省が管理し、国定公園・都道府県立自然公園は都道府県が管理する。

 2007年(平成19年)末現在、国立公園は29箇所、国定公園は56箇所、都道府県立自然公園は309箇所指定されており、面積の合計は、日本の国土の約14%、東京都では36%を占める。(Wikipedia)

 

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