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 猛暑日の連続記録
 日本列島は7月24日、各地で勢力の強い太平洋高気圧に覆われて、朝から気温が上がり、東京・大手町では35度以上の「猛暑日」が、観測史上最長記録に並ぶ4日連続となったほか、各地で30度以上の「真夏日」となった。

 気象庁によると、午後0時半現在、岐阜県多治見市で37.3度、愛知県東海市で37度、岐阜県郡上市で36.9度、岐阜市で36.8度、東京都練馬区で36.7度を観測した。全国921の観測地点のうち、86地点で猛暑日、618地点で真夏日となっている。

 東京・大手町も午前7時半には30度を超え、午後0時半に35.4度を観測した。同所での4日連続猛暑日は、1961年の統計開始以来、1978年8月と1994年8月しかないという。

 気象庁によると、上空に徐々に寒気が流れ込んでおり、午後には一時的に雨や雷雨の地域もある見込み。東京消防庁によると、都内では24日午前10時現在、男女11人が熱中症で病院に運ばれ、うち調布市の女性(79)が重症という。(2010年7月24日  読売新聞)

 ロシアの猛暑
 連日猛暑の日本。だが、世界に目をやると、各地を異常気象が襲っている。ロシアは記録的な暑さに見舞われ、中国は大雨続き。一方、季節が逆の南米では寒波が猛威をふるい、各地で多くの死者が出ている。原因の一つは上空で吹く偏西風の異変とされる。

 ロシアは西部やシベリアを中心に猛暑となり、同国気象庁によると、1日の平均気温が平年より9〜10度も高い状態が長く続き、「130年の観測史上最も暑い年になる」(フロロフ同庁長官)。緊急事態省によると、水死者は全土で昨年より倍増、6月は1244人、7月も891人に達し、計2千人を超えた。干ばつや自然火災で26の連邦構成体が非常事態を宣言した。

 モスクワはここ連日、最高気温が33〜35度台を記録し、24日には36.7度に。クレムリン恒例の護衛交代式典が「参加者や観客の安全のため」中止された。エアコンが品切れ状態になり、救急車の出動要請も1日8千〜1万回と通常の倍近くに増え、エアコンのない地下鉄で乗客の死者も出た。郊外の泥炭地が自然発火して煙が舞い、異臭とともに市中心部に迫っている。

 干ばつ被害も広がり、小麦輸出大国のカナダやカザフスタン、欧州連合(EU)での被害とも相まって、小麦の国際価格は20%ほど上昇した。

 中国は集中豪雨
 中国南部では6月中旬から続く大雨で、7月23日現在で742人が死亡、367人が行方不明となっている。世界最大の三峡ダムは過去最多の水が流れ込み、長江は1987年以来で最大規模の洪水被害が出ている。被災者は約1億2千万人、倒壊した家屋は約67万軒に上っている。

 福建、湖北、河南などの各省では、例年の3割増から2倍の降水量が続いている。水利省によると、約230の河川で警戒水位を超えており、六つの小型ダムが決壊した。2009年に完成したばかりの三峡ダムの23日の水位は159メートルで過去最高となり、満水時の175メートルにじわじわと近づいている。約100万人が避難生活を強いられている。

 広東省には台風が上陸し、北上する見込みで、被害が拡大する恐れがある。北部の遼寧、吉林両省でも21日ごろから、1994年以来、最大の大雨が降り始めており、全国的に被害が広がりつつある。

 南半球の寒波
 一方、冬の南半球。南米各地では、寒波で少なくとも200人以上の死者が出ている。

 ボリビアでは過去に降雪記録がない地域で雪が降り、チリでは各地で吹雪による停電で交通が止まり、町が孤立した。アルゼンチンでは寒さで少なくとも14人が死亡、ホームレスの人を屋内に収容するなどの対策に追われ、ガス需要が増えたため炭で料理するレストランもあるという。ペルーでも、標高3千メートル以上の地域で零下24度を記録し、政府が緊急事態宣言を出した。

 ブラジル西部の州では寒さで家畜2万7千頭が死に、損害額は400万レアル(約2億円)に上ったという。

 偏西風の蛇行
 こうした熱波や寒波は、偏西風の異変がもたらしている。西から東に向かって地球を一周して吹いているが、気象庁によると、北半球では7月から南北に大きくうねる状態が続いている。

 ヨーロッパ東部からロシア西部、シベリア東部の地域では、北極寄りに大きく波打ち、その内側に、大気の下層から上層にまで及ぶ「背の高い高気圧」が発生。暖かい空気を吐き出して一帯の気温を上昇させている。日本付近でも太平洋高気圧の勢力を強め、梅雨明け以降の連日の猛暑を招いている。

 南米の大寒波も南半球の偏西風が原因だ。当初、南極側に蛇行していた風が逆に赤道側に波打ったため、低気圧ができて南極からの冷たい空気が引き込まれたとみられる。
 
 エルニーニョ・ダイポールモード
 一方、中国の大雨は、インド洋の水温が関係しているとの見方がある。東京大の山形俊男教授(気候力学)によると、インド洋はここ50年で水温が0.6度上昇。今春までエルニーニョ現象が太平洋中央部の赤道近くで続いた影響でさらに水温が上がり、活発な上昇気流ができた。その気流がフィリピン近海に下降して高気圧を生んだ。暖かく湿った風が中国南部から日本の九州付近に停滞していた梅雨前線に大量の水蒸気を送り込み、豪雨をもたらしたという。(asahi.com 2010年7月25日)
 
 エルニーニョ現象とは、東太平洋の赤道付近(ちょうどガラパゴス諸島に当たるところ)で海水の温度が上昇する現象。海水温の変化はまずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現れ大気の流れを変えて、天候を変えてという具合にして世界中に波及する。

 ダイポールモード現象とはインド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる大気海洋現象。世界の気候に大きな影響を与えることが明らかになっている。この現象はテレコネクション(遠隔作用)によってアジア各地の気候にも影響を及ぼす。フィリピンから中国南部、インドシナ半島からインド北部にかけては降水量が増加し、テレコネクション機構により、日本を含む極東地域では降水量が減少し猛暑となるとされる。(Wikipedia)

 

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