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 ガンマ線バーストとは?
 ガンマ線バースト(gamma‐ray burst、GRB)は、天文学の分野で知られている中で最も光度の明るい物理現象である。

 ガンマ線バーストではガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、その後でX線の残光が数日間見られる。この現象は天球上のランダムな位置で起こるように見え、一日に数回という頻度で起きている。

 ガンマ線バーストを起こす元となっている仮想的な天体をガンマ線バースターと呼ぶ。現在では、100億光年以上という遥か宇宙論的な遠方で、太陽よりも何十倍も重い星がその進化の最後に燃え尽きて超新星爆発を起こすときに発生する現象である事がわかっている。

 しかしその発生頻度は普通の超新星よりずっと低い珍しい現象で、普通の超新星爆発よりずっと大きなエネルギーが放出される。そのため、GRB を伴うような巨大な超新星 (supernova) のことを極超新星 (hypernova) と呼ぶ事もある。

 ブラックホールがガンマ線発生源
 爆発前の星は、水素やヘリウムなどの外層がはがれた状態と考えられ、中心に鉄(Fe)のコア、その周りにより軽い元素(ケイ素 Si, マグネシウム Mg, ネオン Ne, 酸素 O, 炭素 Cなど)からなる外層がとりまいている。

 中心の鉄コアが重力に負けてつぶれ、中心部に高速回転するブラックホールができる。ブラックホールには、周囲の物質が円盤状に落ち込む(降着円盤)。その際、円盤面に垂直な二方向に「ジェット」と呼ばれる細く絞られた質量放出が起こり、それらが星の外層を突き破った時にガンマ線が放出されると考えられている。

 このジェットは大変な速度で、ほぼ光速(99.99%以上!)に達する。ガンマ線の放出はジェットの方向に細く絞られており、我々がたまたまそのジェットの方向にいる時だけ、ガンマ線バーストとして観測される。

 オルドビス紀の大量絶滅
 研究者の中には、近距離のガンマ線バーストによって地球がガンマ線の放射を受けた場合の影響について調べている者もいる。この研究は、地球で起きた大量絶滅の原因を説明し、また地球外生命の存在の可能性を評価するという動機に基づいている。

 ガンマ線バーストによる被害はバーストの継続時間が短いために限定されたものに留まるが、十分に近い距離でバーストが起きた場合には地球大気に深刻な被害をもたらし、オゾン層が破壊されて大量絶滅を引き起こす可能性もあるとされている。

 2005年、NASA とカンザス大学の研究者が、約4億5000万年前のオルドビス紀−シルル紀境界での大量絶滅がガンマ線バーストによって引き起こされたことを示唆する研究結果を発表した。

 研究者達はこのようなバーストが古代の絶滅を引き起こした直接的な証拠を持っているわけではないが、彼らの研究の特色は、大気のモデリングによって、「そのようなバーストがもし起きたとしたらどうなるか」というシナリオを描いている点である。

 わずか10秒でオゾン層破壊
 彼らは比較的地球に近い恒星の爆発によるガンマ線放出の計算を行い、この爆発で地球にはわずか10秒間しかガンマ線は降り注がないものの、これによって地球大気のオゾン層の約半分がなくなる可能性を示した。消滅したオゾン層の回復には少なくとも5年を要するとされている。オゾン層の破壊によって、太陽からの紫外線が地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半を死滅させ、食物連鎖も破壊される。

 我々の銀河系内でガンマ線バーストが起こる可能性は非常に小さいが、NASA の研究者は過去数十億年の間に少なくとも1回は地球にガンマ線が降り注ぐほど近い距離でバーストが起きたと考えた。

 カンザス大学の古生物学者であるブルース・リーバーマン博士は、ガンマ線バーストがオルドビス紀の大絶滅の原因となった可能性があるという具体的なアイデアを提唱した人物である。

 「我々はそれがいつ起きたか正確には知りませんが、それが過去に起こり、その痕跡を残したこと自体には確信を持っています。最も驚くべきことは、たった10秒間のバーストでオゾン層に数年にわたる破壊的な被害がもたらされるということです」と彼は述べている。

 オルドビス紀(5億〜4億5000万年前)の終盤、繁栄していた海洋生物の70%が大量絶滅したのはこういった天災が原因だったかもしれない。 だが、ガンマ線バーストの多くは、100億年以上も前の、若い恒星の集まった「軽い銀河」で起きており、地球のある銀河系などのように「重い銀河」で発生するのかどうか、まだ分かっていなかった。

 

参考HP Wikipedia「ガンマ線バースト」「オルドビス紀」・京都大学 戸谷友則「ガンマ線バーストの解説と想像図 

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