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 ハインリッヒ・ヴィーラントとは? 
 私たちの食べた食物は、胃腸の中を通り消化吸収されていく。そのときに消化を助けてくれるのが消化液である。例えばだ液には、消化酵素アミラーゼが入っていて、デンプンを糖に分解してくれる。ところが、消化液の中には消化酵素の入っていないものがある。それは何か?

 正解は、胆汁である。胆汁は肝臓でつくられ、胆のうで蓄えられる。胆のうは、消化に必要になるまで胆汁を蓄積する洋梨形の器官で、胆管(胆道)によって肝臓と十二指腸に接続している。

 胆汁の構造やはたらきは、複雑だ。これを解明した人の1人が、ドイツのノーベル化学賞の受賞者、ハインリッヒ・ヴィーラントであった。


 
 ハインリッヒ・オットー・ヴィーラント(1877年〜1957年)はドイツ・プフォルツハイム出身の化学者。1917年、アドルフ・バイヤーの後任としてミュンヘン大学の化学の教授となり、さまざまな胆汁酸とその類縁物質の構造を解明し、1927年に胆汁酸の研究でノーベル化学賞を受賞した。受賞理由は、「胆汁酸とその類縁物質の構造研究」である。

 ナチス・ドイツの時代にはニュルンベルク法(優生学に基づく法律)の適用からユダヤ人(特に学生)を個人的な顧問として保護した。同じなかまには白いバラで運動を行ったハンス・コンラート・ライペルトがいる。

 消化酵素のない消化液
 それでは胆汁のはたらきは何だろう?

 正解は脂肪の消化吸収を助けるはたらきがある。胆汁(たんじゅう)は、肝臓で生成される黄褐色でアルカリ性の液体である。胆汁は1日に約600ml分泌される。

 胆汁は胆汁酸と胆汁色素を含み、前者は界面活性剤として食物中の脂肪を乳化して細かい粒とし、リパーゼと反応しやすくすることで脂肪の消化吸収に重要な役割を果たすが、消化酵素は含まれない。

 胆汁酸
 さて、胆汁を構成する胆汁酸と胆汁色素のうち、胆汁酸は哺乳類の胆汁に広範に認められるステロイド誘導体でコラン酸骨格を持つ化合物の総称である。胆汁酸の主な役割は、消化管内でミセルの形成を促進し、食物脂肪をより吸収しやすくするものである。

 胆汁酸の種類としては、実にさまざまなものがある。まず、肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸という。そして、一部は腸管で微生物による変換を受け、その代謝物は二次胆汁酸と呼ばれる。また、通常、胆汁酸は、グリシンやタウリンと結び付いており、これらは抱合胆汁酸(胆汁酸塩)と呼ばれる。

 ヒトでの代表的な2つの一次胆汁酸は、コール酸とケノデオキシコール酸である。胆汁酸がグリシン又はタウリンと結びついた、抱合胆汁酸としてはグリコロール酸がある。7-α-デヒドロオキシ(脱水酸)誘導体(デオキシコール酸及びリトコール酸)は、人の腸内での胆汁から発見されたもので二次胆汁酸である。

 抱合胆汁酸
 胆汁酸は、通常グリシンやタウリンと結び付いており、これを抱合胆汁酸と呼ぶ。胆汁酸はそのままでは組織を傷つける場合があるので、通常はアミノ酸と縮合して抱合胆汁酸となって存在している。

 ヒトの場合、グリココール酸及びタウロコール酸は、いずれもコール酸とグリシン又はタウリンと結びついた抱合胆汁酸であり、これらの2つで抱合胆汁酸の全体の約80%を占めている。 

 食事をすることにより、胆嚢に蓄えられた抱合胆汁酸は腸内に分泌され、食物脂肪の乳化を促進する。最近、タウリン抱合胆汁酸にはコレステロール溶解効果があり、コレステロール排泄が増強され、タウリンの投与で血清中コレステロールが下がることが分った。

 胆汁酸の脂肪の消化・吸収以外の役割としては、体からコレストロールを排出すること、肝臓から異化生成物を胆汁分泌の際に排出すること、小腸内や胆管での腸内細菌叢の形成を妨げること、などが上げられる。

 腸肝循環
 人以外のほとんどの種でも、胆汁酸の生合成は、コレステロールの代謝によるものが一般的である。人体では1日あたり800mgのコレステロールを産生し、その半分は胆汁酸の新たな生成に使用されている。

 肝臓には2〜4gの胆汁貯蔵能があり、毎日、合計で20-30gの胆汁酸が腸内に分泌されている。分泌される胆汁酸の90%は回腸で能動輸送され再吸収され再利用され、腸管から肝臓や胆嚢に抱合胆汁酸が移動することを、腸肝循環と呼んでいる。

 人は一日におよそ10回程の腸肝循環を行なっている。これにより、少ない抱合胆汁酸の産生にもかかわらず消化器官での大量分泌を可能にしている。

 一次胆汁酸と二次胆汁酸
 ケノデオキシコール酸は、数多くの種で産生されており、胆汁酸として優れた性質を有している。その最大の欠点は、腸内細菌の働きにより7-αのヒドロキシ基が脱落させられてしまうことであり、その結果として、3-αにしかヒドロキシ基が残らず、リトコール酸に変化してしまう(リトは石の意味)。

 この化学物質は水溶性に乏しく、遺伝子レベルで細胞にかなり有害である。肝臓で産生される胆汁酸を一次胆汁酸と呼び、腸内細菌の働きで新たに産生されるものを二次胆汁酸と呼ぶ。これゆえ、ケノデオキシコール酸は一次胆汁酸であり、リトコール酸は二次胆汁酸である。

 リトコール酸の産生によって引き起こされる問題を解決するため、多くの種はケノデオキシコール酸に3番目のヒドロキシ基を付与している。このことにより、腸内細菌の働きにより7-αのヒドロキシ基が脱落させられることに対しても、結果として二次産生物の毒性を弱め、かつ、2つのヒドロキシ基を有する胆汁酸として引き続き機能できることとなる。

 胆汁酸解明の歴史
 1769年 François Poulletier de la Salleが胆石からコレステロールを発見。
 1784年 コレステロールが単離される。
 1815年 ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールが「コレステリン」と命名[45]。
 1848年 アドルフ・ストレッカーがコラン酸(胆汁酸の基本骨格)の組成式を C24H40O5 と決定する。
 1888年 フリードリッヒ・ライニッツァー (Friedrich Reinitzer) がコレステロールの組成式を C27H40O と決定する。ヒドロキシ基が含まれることがわかったため「コレステロール」と呼ばれるようになる。
 1910年 アドルフ・ヴィンダウスとオットー・ディールスが血管のアテローム中に高濃度のコレステロールが含まれることを発見した。
 1913年 アニチコフ (Nikolai Nikolaevich Anitschkow) がコレステロールはアテローム硬化(動脈硬化)の原因物質であることを発見した。
 1919年 ヴィンダウスが胆汁酸とコレステロールが共通の骨格(ステロイド骨格)を持つことを示した。
 1927年ハインリッヒ・ヴィーラントが胆汁酸とその類縁物質の構造研究によりノーベル化学賞を受賞した。
 ディールスがコレステロールから「ディールスの炭化水素 (Diels' hydrocarbon, 3'-methyl-1,2-cyclopentenophenanthrene; C18H16)」へと化学変換して、ステロイド骨格の構造を決定する。
 1928年 ヴィンダウスがステロール類の構造(およびそのビタミン類との関連性)についての研究によりノーベル化学賞を受賞した。

 

参考HP Wikipedia「タウリン」「胆汁」「胆汁酸」「ハインリッヒ・ヴィーラント」 

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