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 「GPS」とは何か?
 もうすでに生活に密着しており、なくてはならない「GPS」。自分の位置を正確に知ることのできるシステムだ。何に使われているだろう?

  航空機、船舶、カーナビゲーション、携帯端末...さまざまなところで使われる。このしくみはどうなっているのだろうか?

 GPSとは、「グローバル・ポジショニング・システム」の略で日本語では、全地球測位システムと呼ばれる。地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムの一つであり、米国によって運用されるシステムを指す。

 アメリカ合衆国が軍事用に打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知るシステムである。

 元来は軍事用のシステムであったが、現在では非軍事的な用途(民生的用途)でもさかんに用いられている。

 よく「GPS衛星はカーナビゲーションシステム搭載車にその車の位置情報を送っている。」といわれるがこれは誤解で、正しくは、GPS衛星は宇宙空間に向けて時報を発し、カーナビ(GPS受信機)側は複数のGPS衛星からの発信電波を受信することで自分の位置を割り出しているだけである。

 日本の「GPS衛星」打ち上げ計画
 GPS衛星は約20000kmの高度を一周約12時間で動く準同期衛星である(静止衛星ではない)。軌道上に打ち上げられた30個ほどの衛星コンステレーションで地球上の全域をカバーできる。中軌道なので信号の送信電力としても有利であり、ある地域からみても刻々と配置が変化するため、全地球上で誤差を平均化できる(地域によってはカバーする衛星の個数が常に少ない場合もある)。

 GPSは元々アメリカの軍事用システムであるため、民間や他国の利用には一定の制限が設けられる事が多い。そのため、より自身の利益に適った独自のシステムを保有しようとする動きがみられる。

 日本でも3基の人工衛星からなる、GPSの位置情報を補正して高精度の測位を可能とする準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System、QZSS)と呼ばれる計画がある。これまで計画は大幅に遅れていたが、今回、準天頂衛星の実用試験機「みちびき」の打ち上げが決まった。その運用によりシステムの有効性を検証した上で今後の計画を検討する事になる。

 準天頂衛星1号機「みちびき」
 2010年9月11日、カーナビや地震後の地殻変動観測などに活躍している衛星利用測地システム(GPS)と併用することで位置決定精度を飛躍的に高めることができる準天頂衛星システムの1号機が11日、H-�UAロケットで種子島宇宙センターから打ち上げられる。

 準天頂衛星システムは、天頂付近に必ず1機の衛星が見えるように軌道を設定した3機の衛星から成る。GPSと観測データ・信号を提供し合うことで地形や高層ビルなどに影響されず全国をほぼ100パーセントカバーする衛星測位サービスが可能になると期待されている。1号機の役割は、現在、30機の衛星によって運用されている米国のGPSを補完・補強する技術の実証。この結果の評価を経て、1号機を含めた3機の準天頂衛星によるシステムを実証する第2段階へ進む計画となっている。

 衛星を利用した測地システムは、各国が基幹的なシステムとして運用、開発を進めている。宇宙航空研究開発機構によると、ロシアが既に21機の衛星による「GLONASS」を運用しているほか、中国も「COMPASS(北斗)を一部試験運用中。さらに欧州が「Galileo」を実験中で、インドもIRNSSを開発中という。(サイエンスポータル 2010年9月8日)

 さらに、第2準天頂衛星開発プロジェクトチーム発足
 政府の宇宙開発戦略本部(本部長=菅直人首相)は27日、本部会合を開き、9月11日に打ち上げ予定の準天頂衛星「みちびき」の2号機以降の開発に向け、各省の政務官で作るプロジェクトチーム(PT)の発足を決めた。9月をめどに初回会合を開く。

 準天頂衛星は全地球測位システム(GPS)の機能を補完・補強する。日本の真上の空に近い場所から地上に向けて信号を送るため、GPSが苦手とするビルの谷間などでも受信でき、精度も上がる。日本上空を常時カバーするには最低3機が必要だが、2機目以降の打ち上げは民間の事業化を含めて判断するとされ、現段階では白紙状態。

 PTは内閣、文部科学、農林水産、総務、経済産業、国土交通、防衛、警察の各府省庁からなる。前原誠司宇宙開発担当相(国交相)は「やる以上、2機目以降の打ち上げが前提になる」と話した。(asahi.com 2010年8月28日)

 JAXAの「準天頂衛星システム計画」とは?
 人工衛星による測位システムは、これまで測地・測量やカーナビゲーションシステム、携帯電話など幅広い分野に利用され、私たちの生活になくてはならないものになっている。

 準天頂衛星システムは、日本付近で常に天頂付近に1機の衛星が見えるように、複数の衛星を静止衛星と同じ周期を持ち軌道傾斜角を有す複数の軌道面(準天頂軌道)に配置した衛星システムであり、山間地、ビル陰等に影響されず、全国をほぼ100%カバーする高精度の衛星測位サービスの提供を可能とするものである。

 JAXAは、準天頂衛星システムの初号機の研究開発と技術実証を行うことによって、わが国の衛星測位技術の高度化を実現し、便利で安心・安全な社会の実現に貢献したいと考えている。

 準天頂衛星システムの開発計画は、まず第1段階として準天頂衛星初号機「みちびき」によりGPS補完・補強に関する技術実証・利用実証を行う。第1段階の結果の評価を行った上で、初号機を含めた3機の準天頂衛星によるシステム実証を実施する第2段階へ進む計画。JAXAは関係研究機関と協力して高精度測位実験システムの開発、準天頂衛星バスシステムおよび追跡管制システムの整備、運用を行うとともに、システム全体の取りまとめを担当する。

 

参考HP Wikipedia「GPS」・JAXA「みちびき特設サイト」 

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