火星への移住計画のために

 遅かれ早かれ、人類は宇宙に進出する。将来の火星生活を考えると、半永久的に地球に戻らない人も出てくるであろう。そのための準備は着々と進んでいる。ISS国際宇宙ステーションにおける宇宙飛行士の長期滞在は、そのための準備でもある。宇宙に行くと人体にどのような影響が出てくるのであろうか?

 米航空宇宙局(NASA)は50年以上にわたる有人宇宙飛行の歴史を持ち、無重力空間が人体に及ぼす影響に精通している。だが将来の火星探査を見据えた人体研究プログラム(HRP)ではそのさらに先を行き、宇宙環境が人間の健康やパフォーマンスに与える影響を低減させることを狙いとした研究を行っている。

 火星への6カ月の旅は始まりに過ぎず、乗組員は火星に降り立ち、そこで生活して作業も行うことになる。NASAはその準備のため、国際宇宙ステーション(ISS)に半年交代で宇宙飛行士を滞在させた。スコット・ケリー飛行士にはISSでの1年間の滞在任務を課すなど、宇宙空間が人体に及ぼす影響を調べてきた。


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