植物の根はなぜ下に伸びるのか?

 根はなぜ下に伸びるのだろうか? あたりまえのことだがしくみは複雑だ。植物の根が重力の方向に伸びる性質を屈地性(重力屈性)と言う。根を横に寝かせると、根の先端だけが下に向って伸び出す。この時、根の先端を取り除いてしまうと、根は横をむいたまま伸びる。この事から根の先端に仕組みがあることがわかる。

 根の先端を良く調べると、コルメラ細胞という重力を感知する細胞がある。コルメラ細胞では、他の組織では見かけないアミロプラストと言う特別な細胞小器官がある。アミロプラストとは色素体の一分化形態で、葉緑体の仲間。これは、デンプンを蓄積して比重が大きくなっており、植物体が傾くと重力の方向へと細胞の中で沈降(移動)する。

 このようにアミロプラストは比重が大きいため、いつも下に沈んでいるので、根の先端の細胞は、アミロプラストの沈殿している方向が重力の方向だと認識するのだと考えられている。アミロプラストを平衡石(スタトリス)と呼び、スタトリスがどの位置にあるかによって、根はどちらが下かを判断しているのだという考えが「スタトリス説」である。


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