超伝導の起きる理由「BCS理論」と「磁気的ゆらぎ」

 超伝導(superconductivity)とは、特定の金属や化合物などの物質を非常に低い温度へ冷却したときに、電気抵抗が急激にゼロになる現象。1911年、オランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オンネスにより発見された。

 超伝導が起きる理由としては、BCS理論がある。BCS理論では電子-格子相互作用を介して電子同士がフォノンを仮想的に交換(或いはフォノンを介して運動量を交換)することによって、電子同士に引力が働くと考える。この引力によって生じる電子対(スピンは互いに逆向き、かつ対の全運動量がゼロ)をクーパー対(クーパーペア)と言う。

 ところが、従来の超伝導体では、このBCS理論によって超伝導が引き起こされることが確立しているが、銅酸化物超伝導体や鉄系超伝導体などでは従来の発現機構では説明がつかず、これらの非従来型超伝導の発現機構の解明は、物性物理学における大きな課題の一つとなっている。


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