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沖縄・尖閣諸島沖の日本領海内での中国漁船衝突事件で、那覇地検は25日未明、公務執行妨害容疑で逮捕、拘置していた中国人船長を釈放した。
同地検は「捜査を継続した場合のわが国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、捜査継続は相当ではないと判断した」と述べたという。
また、同地検の決定を受けて仙谷由人官房長官は「那覇地検の判断を了としている」と述べた。
これに対し、自民・安倍晋三議員は「誰が見たって、中国のさまざまな圧力に対して、政府がそれに屈した。明らかじゃないですか。これは間違いなく、間違ったサインを中国に送ることになってしまいます」と述べた。
みんなの党の渡辺代表は「ここまで明白な外交的敗北で解決するというのは、開いた口がふさがらない。腰砕け釈放をやってしまった。これは説明責任の中で映像を公開すべきだと思います」と述べた。(FNN ニュース)

中国の圧力とは?
中国の圧力に屈した形になった今回の事件、中国はどんな圧力をかけてきたのだろうか?
異例な形で船長の釈放を決めた日本に対し、中国は「レアアースの輸出停止」や「観光客の日本訪問の自粛」などさまざまなカードで揺さぶりをかけている。
その他には、(1)東シナ海ガス田の共同開発交渉を無期限延期もしくは中止 (2)中国が円を買い進めることによる円高促進 (3)日中環境保護協力協定の停止 (4)戦闘能力のある漁船の尖閣海域への定期派遣 (5)尖閣海域での軍事訓練-など。
もちろん、毎度おなじみの「日本製品ボイコット」も可能性がある。予断を許さない状況が続きそうだ。ところで、今回話題になったレアアースとは何だろう?
レアアースとは?
レアアースとは、地球上全体でも量が少ない、希土類元素のこと。希土類元素(rare earth elements)は、スカンジウム 21Sc、イットリウム 39Y、ランタン 57La からルテチウム 71Lu までの17元素からなるグループである(元素記号の左下は原子番号)。周期表で表すと、第3族のうち(第4周期から)第6周期までの元素である。
これらの元素は化学的性質が互いによく似ている。性質を若干異にするスカンジウムおよび天然に存在しないプロメチウム以外の元素は、ゼノタイムやイオン吸着鉱などの同じ鉱石中に相伴って産出し、単独で分離することが難しい。そのため、混合物であるミッシュメタルとして利用されることも多い。
金や銀などの貴金属に比べて地殻に存在する割合は多いが、単独の元素を分離精製することが難しいため、2007年の現在でも「Rare=まれ」な元素である。
産出量の90%が中国産
中国(チベット)が世界の産出量の90%以上を占めており、その他の産地もインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している。日本は世界需要の約半分を占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っている。
最近の中国の経済成長によって中国からの輸出が減少しており、世界的な需給バランスの逼迫(ひっぱく)が懸念されている。
最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されていることが判明し、現状打破の新たな資源として注目されている。また、火力発電所等の集塵機で回収される石炭や石油の灰にも含まれているため、今後の利用促進が期待される。
また、海底のマンガン団塊やコバルトクラスト、熱水鉱床等の海洋資源も供給源として期待される。
近代科学技術に欠かせない
米国ではカリフォルニアの鉱床で希土類元素採掘が再開される見込みがある。ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)の中重希土類は、これらを多く含むイオン吸着鉱が中国でしか産出しない。
今後、需要が増加すると見られるハイブリッドカーや電気自動車用の高出力モーターの磁石にネオジム(Nd)とジスプロシウム(Dy)の添加で保磁力が高まるため、不足が懸念される。
中土類の産生が期待されるカナダのThor Lake鉱山の稼動開始が2010–2011年であり、少なくともそれまでは、中国に依存する体制が続く。
水素吸蔵合金、二次電池原料、光学ガラス、強力な希土類磁石、蛍光体、研磨材などの材料となる。マグネシウム合金に微量添加することで機械的特性を向上する。 使用後のリサイクルとして、乾溜ガス化燃焼等で有機質を熱分解し、レアアースを回収する方法がある。
参考HP Wikipedia「レアアース」 ・金属資源情報センター「レアアース需給状況」
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