
ハローキティのスイーツ 企業再生 あなたはいくら融資されるか? そば店新規開業─行列店をつくる!
咀嚼とは何か
咀嚼(そしゃく)とは、摂取した食物を歯で咬み、粉砕すること。これにより消化を助け、栄養をとることができる。しかし、咀嚼は単に食物を粉砕し、嚥下(えんげ)しやすくするのみでない。他にどんな役割があるのだろうか?
ざっとあげてみると、覚醒効果やリラックス効果、歯を丈夫にする効果、肥満、ぼけ、視力低下、姿勢悪化、虫歯、ガンなどを予防し、内臓の働きを助け、大脳の働きを活発にし、精神を安定させ、ダイエット効果もある。 何より食事を美味しく食べられるなど効果は計り知れない。 そして、よく噛むことであごの筋肉を使うため、あごが引き締まり顔がすっきりするとも言われる。
最近は脳の働きとの関係の研究も進み、心身の健康へのプラスの効果など、咀嚼の重要性がさらに注目されている。「よくかんで食べるということは、人間の健康にとっては、いいことずくめの行為だ」。脳と咀嚼との関係について詳しい小野塚實・神奈川歯科大教授は強調する。料理や器の見た目(視覚)、味、香りなどの五感への刺激に加え、かむという行為で脳に刺激を与えられるからだという。
小野塚さんらはこれまで、65歳以上の高齢者1000人以上を対象に、かむことと記憶の関係について調べてきた。64枚一組の写真を覚えてもらい、一部を差し替えたもう一組の写真を見て「同じものを見たかどうか」を答えてもらうテストで、約2割の人はガムを2分間かんだ後に記憶してもらったときのほうが、かまずに記憶したときより正答率が15%以上アップした。
東北大などが仙台市内の70歳以上の高齢者約1200人を対象に実施した調査では、健康な人は平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人は9.4本だった。脳をMRI(磁気共鳴画像化装置)で調べると、歯が少ない人ほど、記憶に関係する海馬付近の容積が減少していた。小野塚さんは「歯を使ってかむという行為自体に、認知機能にプラスの効果があるのではないか」と見る。
泰羅雅登・東京医科歯科大教授(神経生理学)によると、よくかむからといって、アルツハイマー病や脳血管疾患など認知症の原因を予防できるという根拠はないものの、脳に刺激を与え続ける一つの方法にはなりうるという。
咀嚼は脳を覚醒
脳からあごを動かす筋肉に信号を伝える「三叉(さんさ)神経」は、歯ごたえなど歯や口の粘膜の感覚を脳に伝えるルートでもある。三叉神経は、覚醒(頭がさえた状態)をコントロールする「脳幹」と呼ばれる部分につながっているため、何かをかんで脳幹に刺激が伝わると脳の覚醒につながるという。泰羅さんは「ガムをかむと頭がすっきりするといわれるのは、三叉神経を介したこうした働きも関係している」という。
だが、かんで食べるという行為は非常に複雑で、脳との関係についてはまだ分からないことも多い。例えば、あごと舌では、それぞれ動かしたときに働いている脳の領域が少し異なるという。泰羅さんは「咀嚼は、大脳の内側の大脳辺縁系がつかさどる本能的なシステム(生きるために食べること)と、大脳新皮質がコントロールする人間の意思や理性に関係するシステム(楽しんで食べること)の両方が、うまくバランスをとっていると考えられ、非常に興味深いメカニズムだ」と話す。
咀嚼は1口30回
「よくかむこと」の目安として、厚生労働省などは「一口30回」を例に挙げている。だが、「数えるのが面倒くさい」という人も少なくない。猪子(いのこ)芳美・日本歯科大新潟生命歯学部講師は「食物繊維を多く含む食品をメニューに加えると、意識しなくても30回の咀嚼と同程度、食べ物をかむことができる」と提案する。
猪子さんらは、健康な成人男女12人にピーナツ(2粒)生のニンジンの角切り、それぞれ約2グラムずつを食べてもらい、咀嚼回数や咀嚼に関係する筋肉の動きなどを調べた。咀嚼回数を指定しなかったとき、のみ込むまでの咀嚼回数は、ピーナツが平均24.5回、ニンジンは27.1回だった。ちょうど30回咀嚼した場合と比べると、ピーナツの場合だけ咀嚼時間が短く、筋肉の活動量も少なかった。
猪子さんは「どちらも歯ごたえのある食品だが、ピーナツはすぐに砕けて、のみ込めてしまう。一方、食物繊維の多いものは、かんでもなかなか小さくならないので、時間をかけてかむことになる。咀嚼回数を増やすことに一生懸命になるのではなく、繊維を多く含むものをメニューに取り入れて、食事を楽しむ中でしっかり食べ物をかんでほしい」と話す。(毎日新聞 2011年2月18日)
咀嚼の健康効果
普通に考えて、よく噛むことはあごの骨を強くする。スポーツや格闘技をしている人が、ガムを噛んであごを鍛えるのはよく知られている。また、よく噛むと当然、消化がよくなる。しかし、咀嚼の効果はそれだけではない。咀嚼には次のようなはたらきがある。
リラックスする
緊張すると交感神経が優位になる。そうなると口の中がカラカラになる。その反対にリラックスして副交感神経が優位になると、口の中に唾液が分泌されてくる。
よく噛むと多量に唾液が分泌するので、副交感神経が優位になり、リラックスできる。
免疫力を高める
よく噛むと副交感神経が刺激される。このことは白血球の中のリンパ球の数を増やし、免疫力を高め、病気に負けない体を作ることになる。
よく噛むことでノルアドレナリンという物質が分泌されるので、全身の細胞の活動が活発化。このため体温が上昇するので、その結果、免疫力が高まるともいえる。
虫歯を予防する
よく噛むと唾液が多く出てきますが、そのなかには虫歯を予防する成分が含まれている。
溶かされたエナメル質を再石灰化してくれるのです。また、歯を支える骨を丈夫にします。このことは歯の健康を守る基礎体力をつけることに。
視力が向上する
目も咀嚼筋の近くなので、当然目の周辺の血行がよくなる。よくかむことは水晶体の厚みを調節する毛様体筋のコリをほぐす働きがある。仮性近視程度なら、よく噛むことで治ってしまうかもしれない?疲れ目対策としてもよい。
ダイエットに役立つ
よく噛んで食べると、はやく血糖値が上昇するため、脳の満腹中枢を刺激することになる。
そのため20分くらいかけてゆっくり食べれば、たくさん食べる前に満腹感を覚えることができる。
小食で満腹に。これをダイエットに利用しない手はない。
姿勢がよくなる
食べることと姿勢ってどういう関係が?実は、よく噛んで食べているときは、首、胸、背中などの多くの筋肉も連動させている。このため体を支える筋肉が強くなり、姿勢もピンとなる。
筋肉をよく使うので、基礎代謝が高まり、ダイエット効果も期待できるかもしれない。
美容効果がある
よく噛むことで、顔の筋肉が鍛えられる。このことはシワを予防し、若々しい肌を維持することになる。
参考HP Wikipedia「咀嚼」・健康生活のアイデア 咀嚼健康法
![]() | 誰も気づかなかった 噛む効用―咀嚼のサイエンス |
クリエーター情報なし | |
日本教文社 |
![]() | 1日1分で小顔になる! 咀嚼筋マッサージ |
磯崎 文雄 | |
実業之日本社 |
��潟�<�潟��