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 高濃度放射線にロボット!
 レスキューロボット(Rescue robot)は、地震や水害などの災害が起こった際に被災した人間を救助することを目的として設計されたロボットである。現在開発が進められているものの多くは要救助者の探索を目的としており、瓦礫や建物内の中を移動するための特殊な移動機構や、人間を発見するためのセンサ技術などの開発が焦点となっている。

 阪神・淡路大震災をきっかけに、ロボット機器による被災者の救助の可能性がロボット研究者の間で議論されるようになり、レスキューロボットの開発が始まった。 この問題に関しては、災害発生時には倒壊家屋や瓦礫により被災者の発見が困難と成るだけではなく、都市部被災では燃料など可燃物の漏出や漏電などにより火災など二次災害も発生、救援活動を行っている側も被災者となる危険性を含んでいる。このため迅速に要救護者を発見・救出することが求められる。

 今回の東日本大震災の東京電力福島第一原発の事故現場に、ようやく国産ロボット「Quince」が投入される。日本のロボットは「実戦経験がない」と信用されず、まず現場に入ったのは米国製だった。産業ロボットなどでは世界的なシェアと技術を誇る日本。事故以来、日本のロボット研究者には国内外から「日本のロボットをなぜ原発に使わないのか」との声が相次いでいた。
Rescue Robot

 災害現場での捜索では、自衛隊や消防隊が活躍中であるが、福島第一原発事故のような、高濃度放射線下では、人の作業時間や能力に制限がでてくる。ロボットを利用することで、放射線による二次災害を減らすことができる。
 災害救助用ロボット「Quince(クインス)」
 東京電力福島第一原発の事故現場に、ようやく国産ロボットが投入される。日本のロボットは「実戦経験がない」と信用されず、まず現場に入ったのは米国製だった。「ロボット王国・日本」の威信回復なるか。

 投入されるのは、千葉工業大未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長や東北大の田所諭教授らが開発した災害救助用ロボット「Quince(クインス)」。長さ66センチ、幅48センチの車体に戦車のようなクローラー(無限軌道)が大小五つ。カメラやセンサー、ドアノブを回すアームも備えている。

 2009年のロボカップレスキュー世界大会では運動性能部門とアームの性能部門で優勝した。米国の模擬災害現場で実験した際、がれきの走行や階段や坂を上る性能などで米国製を圧倒したという。

 今回の原発事故に対応するため、無線操作できる距離を2キロに延長、有線でも使えるよう改造した。遠距離操作できるよう、強い電波の使用も特別に認められた。日本原子力研究開発機構の研究所で放射線の耐久試験も。5時間かけて10万ミリシーベルトをあてても問題なかった。作業員の被曝(ひばく)線量の上限の400倍に相当する。

 東電などの作業員が操作の訓練を受けた上で事故現場に投入する予定。原子炉建屋内部の様子、放射線量、温度などの調査を期待されている。操縦者は2キロ離れたところから無線で指示を出す作戦だ。
 産業ロボットなどでは世界的なシェアと技術を誇る日本。事故以来、日本のロボット研究者には国内外から「日本のロボットをなぜ原発に使わないのか」との声が相次いでいるという。

 「日本は実績がないから、東電は外国製を使いたがる」。東京工業大の広瀬茂男教授は嘆く。欧米のロボットは戦場での経験があり、核戦争を前提にした試験も受けているとされる。実は、日本でも原発用ロボットの開発を計画したことが2度あった。

 1度目は1979年の米スリーマイル島原発事故を受けて1983年に始まった、建前は「点検」用の極限作業ロボットプロジェクト。1990年まで約200億円かけたが、打ち切りに。2度目は1999年の茨城県のJOC事故の後。今度は事故用で数十億円使ったが、「原子炉では事故は起きない」と1年で終わった。
 「事故用ロボットを開発すると『原発事故が起きると思っている』と受け取られると考えたのでは」と広瀬教授は推測する。(asahi.com 2011年4月22日15日 岩田誠司、鍛治信太郎) 

 災害救助用ロボット
 被災で多くの人がその尊い命を失ってきた。あと少し、中に入れれば…。と何人の救助者が考えたことか。しかし、救助ロボットが、必ず不可能を可能に変えてくれるはず。東工大教授の広瀬茂男さん(写真) 遠くで助けを求める声をからさぬように 1995年、我々の記憶に大きな爪あとを残した阪神大震災。この時の救助関係者は、地震発生後の3日間を「黄金の72時間」と呼ぶ。いかなる災害においても、その発生から時間が経つほど、生存率は低くなる。だからこそ、救助を待つ人を、一刻も早く助け出す必要がある。

 しかし、時としてそこは、人が立ち入ることが出来ない場所でもあり、尊い命が奪われてしまうことも少なくない。しかし、そんな不可能を可能にしてくれるのが、救助ロボットだ。日本の最高水準をいく東京工業大学。この東京工業大学の広瀬・米田研究室は、日本有数のロボット研究室であり、現在35人の研究者が、さまざまなロボットを開発・研究している。

 ロボットの特性が一番発揮できるのは、人間がやりたくない仕事や、危険な仕事、レスキューや地雷除去などである。広瀬教授のロボット開発哲学には、こういった、社会に役に立つロボットを作るというものだ。これまでの開発してきたロボットも数多い。 最先端の救助ロボット例えば、「タイタン8」は、大きな段差でも簡単に乗り越えられ、さまざまな環境で四足歩行が可能なロボット。しかも、足の部分を倒すことで、車輪になり、ローラースケートのようにスピードのある動きにも対応できる。

 今では、地雷除去用としての開発も進んでいる。「水陸両用ヘビ型ロボットACM-R5」は、人が入っていけないような、狭い空間に無線操作で進入していく。さらに、先端には小型カメラが付いていて、操縦者にその画像を送信してくれる。このカメラによって、瓦礫の下敷きになった人の発見にも大いに役立つ。また、その名のとおり、水中の中も進むことが出来る。「蒼龍3」は、瓦礫を乗り越えられることはもちろん、体温を感じる温度センサーや、音声を拾うマイクを備えている。

 この機能を使って、72時間以内に被災で閉じ込められた人を救助するのが目標だ。同時多発テロの際、世界貿易センタービル倒壊現場で被災者の探索をしたのもアメリカの救助ロボットだ。今後、迅速な救助作業にはロボットの力が欠かせなくなるはずだ。


 参考HP 千葉工大未来ロボット技術研究センター fuRo 知恵の輪ニッポン 災害救助用ロボット


ロボカップレスキュー―緊急大規模災害救助への挑戦
クリエーター情報なし
共立出版

ROBO‐ONEのための二足歩行ロボット製作ガイド (RoboBooks)
クリエーター情報なし
オーム社

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