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 悪玉コレステロールを減らすには?
 健康診断で悪玉コレステロール(LDL)が多いといわれた。悪玉コレステロールと善玉コレステロール(HDL)の違いは何だろうか?実は悪玉も善玉もコレステロールは同じ。ただし、コレステロールは血液に溶け込めないため、リポタンパクというカプセルに包まれて血液中を移動する。そのカプセルのうち、肝臓からからだの隅々までコレステロールを運ぶものが「悪玉」、反対にからだから余分なコレステロールを回収して肝臓に戻すものを「善玉」と呼んでいる。

 そして、コレステロールと言えば、血管にたまって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞など命に関わる病気の原因となる悪いやつ・・・というのはもはや常識。これまで血管についたコレステロールは、プラークとなってもはや取れないものと思われてきた。ところが今回、血管からがきれいに取れることがわかった。いったいどうやって取るのだろう?

 動脈硬化を改善する主役となる物質は、何と“善玉コレステロール”だった。実際の患者さんの血管の中で、いわば「血管若返り」といえる現象が起きることが分かった。狭心症を患った、ある患者さん。「血管内視鏡」という最先端の検査機器で、心臓の血管の中を直接見てみると、コレステロールがたまり、動脈硬化を起こしていた。ところが1年半の治療でみごとに回復。その理由は善玉コレステロールが増えたから。ではどうすれば善玉コレステロールは増えるのだろう?

LDL・HDL
 善玉を増やすには「有酸素運動」が有効。ランニング以外の運動でも大丈夫。1日に歩く歩数が多ければ多いほど、善玉の値も高くなることが分かっている。ところで、運動で“悪玉コレステロール”値を下げようとしている方は多いですが、運動には悪玉を低下させる直接的な効果はないことが分かった。悪玉が下がらなくても、善玉が増えれば回収する力が上がるので、動脈硬化を改善する方向に向かうと考えられる。

 コレステロール・クイズ
 コレステロールに関する、これまでの常識が変わってきた。これまで、常識と思っていたことが、新しいことが発見されて変わることもある。そこで、コレステロールについてのクイズ。○か×で答てみよう。

 1.肉より魚を食べた方がコレステロールは低くなる。
 2.コレステロールが気になる人は、タコやイカは食べない方がよい。
 3.オリーブオイルをたくさんとると動脈硬化を防げる。
 4.卵はコレステロールが多い。

 正解は1.○  2.×  3.×  4.  ドラッグで解答

 イワシなどの魚には、栄養面で、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含むものが多く、これらは悪玉コレステロールを下げる。タコやイカはコレステロールが多く、昔はよくないといわれていたが、タウリンを多く含み、これが悪玉コレステロールを下げることがわかった。オリーブオイルは悪玉コレステロールを下げるはたらきがあるが、取りすぎはカロリーが多くなり、逆効果。卵はコレステロールを多く含むが、悪玉になるか善玉になるかは体質による。

 コレステロールは栄養!
 「コレステロール=悪いもの」というイメージがすっかり定着してしまったが「体にとって重要な栄養素の1つ」でもある。「コレステロールを減らそう」と、がんばり過ぎて、「低栄養」になってしまうケースもあるとのこと。気をつけたい。

 食生活のバランスが崩れたりして、コレステロールを配達するタンパクが血液中に増え過ぎると、血管の壁の中にコレステロールが入り込んでしまう。すると、白血球の一種であるマクロファージがやってきてコレステロールを食べ、掃除しようとする。しかし、マクロファージにはコレステロールを分解する力がない。食べ過ぎたマクロファージは死んでしまい、どんどん血管の壁の中にたまっていく。こうしてできるのがプラークだ。

 配達するタンパクは増えすぎると動脈硬化を起こしてしまうので、“悪玉”と呼ばれている。一方、回収タンパクは、細胞から余分なコレステロールを回収する役割なので“善玉”と呼ばれている。でも、これまではプラークを小さくする程の力はないと考えられていた。ところが最近では、それができるということが分かってきたのだ。回収タンパクは、いったん進んでしまった動脈硬化を改善してくれる、まさに“善玉”コレステロールだった。

 それでは、回収タンパクを増やすにはどうしたら良いのか?

 善玉を増やす方法 大公開!
 善玉を増やす方法を聞きに、ある大学の女子学生グループに会いに行った。この年代の“善玉コレステロール”平均値は、およそ65mg/dl。ところが彼女達はほとんどが90mg/dl以上、100mg/dlを越える人も少なくなかった。実は、彼女達は陸上の長距離選手。毎日のように朝晩2回のランニングをしていたのだ。

 善玉を増やすには「有酸素運動」が有効である。ランニング以外の運動でも大丈夫。1日に歩く歩数が多ければ多いほど、善玉の値も高くなることが分かっている。ところで、運動で“悪玉コレステロール”値を下げようとしている方は多いが、運動には悪玉を低下させる直接的な効果はないことが分かってきた。「運動しているのにコレステロールが下がらない」とお悩みの方も、ガッカリすることはない。悪玉が下がらなくても、善玉が増えれば回収する力が上がるので、動脈硬化は改善すると考えられている。

 男女で違う!コレステロールの危険度
 コレステロールで悩む60代のご夫妻。3年前の“悪玉コレステロール”値は妻178mg/dl 、夫143mg/dl でした。基準値は140mg/dlですから、妻はかなり高い値。そこで、2人の血管が、どのくらい動脈硬化しているのか、血管の硬さを測る検査や、超音波で頸(けい)動脈を見る検査(頸動脈エコー)などで詳しく調べてみた。

 すると、妻はほぼ正常でしたが、夫はかなり動脈硬化が進んでいるという結果!夫の方がコレステロール値が低いのに、どうしてこんな結果になったのか?

 実は、動脈硬化の進行は男女で大きな差があるのです。女性ホルモンには、“悪玉コレステロール”値を下げる作用をはじめ、血管を保護する様々な効果がある。そのため、40代までの間、女性の血管は男性よりはるかに若く保たれている。女性ホルモンの値が下がってくる 50才前後になると“悪玉コレステロール”値が急上昇して、男性より高くなることも多いですが、動脈硬化はすぐには進まない。いわば“若さの貯金”があるのだ。一般に女性の血管は男性よりも10才若いと言われる。この違いがひと目で分かる表があった。

参考HP Wikipediaコレステロール NHKためしてガッテン本当に血管が若返る!コレステロール調節術2011/01/19

ここが知りたい! コレステロールを下げる新常識
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