
台風12号とハリケーン「アイリーン」
台風12号による豪雨の被害の状況が明らかになってきた。全国で54人が死亡、53人が行方不明となっている。NHKのまとめでは、死者・行方不明者は合わせて100人を超え、平成になって最悪の台風被害になるおそれが出ている。今回の台風はノロノロとした動きで、各地で観測史上最高雨量を記録した。
一方、日本の裏側では、先月、ハリケーン「アイリーン」が通過して大きな被害を出している。、全米で死者は40人、ロイター通信によれば、最大で510万戸が停電となった。米国のオバマ大統領は、「アイリーン」が通過して大きな被害を受けた東部ニュージャージー州の被災地を初めて訪問した。そこでは、今もおよそ3500人が避難生活を送っている。オバマ大統領は政府として復興に全力で取り組む姿勢を改めて強調した。
日本では、この夏、観測史上4番目に暑かったことが、気象庁によって発表されている。こうした異常気象の原因は、単なる温室効果ガスによる、地球温暖化であろうか?最近では、フォトンベルトという電磁波が原因だとする説など、別の理由も考えられている。太陽の活動周期による説もその1つだ。
太陽の磁場サイクルに異変が?
太陽観測衛星「ひので」の観測により、太陽の北極と南極における磁場の対称性が崩れていることが初めて明らかにされた。太陽に長期的な異変が起きている兆候のひとつと見られる。また、黒点の様子を4日間にわたり鮮明にとらえた世界初の動画が公開された。
「ひので」の得意分野の1つととして、極域磁場の観測(注)が挙げられる。太陽の南極・北極の磁場は11年サイクルで反転することがわかっているが、2008年夏にマイナス極が強かった北極で、今年7月にはプラス極が強くなっており、反転がもうすぐ完了することがわかった。これは予想よりも2年早いという。
一方で南極の方はマイナス極に転じることなく安定しており、両極の対称性が崩れているという史上初めての観測結果が見られた。このように、通常では見られない南北のサイクルのずれが明瞭に観測されたことから、太陽が従来と異なる状態になっていると推測される。
太陽の活動は通常11年周期で活発になったり停滞したりするが、現サイクルでは非活発な時期が長く、周期が延びていた。ここ1、2年でようやく活動が上昇に転じ黒点やフレアが見られるようになってきたが、その活動レベルは必ずしも高くなく、上述の観測結果を含めて、むしろ長期的に見ると太陽活動は低下していく兆候がはっきりしてきた。
太陽極域には黒点の磁場の源があり、磁場の起源の解明や太陽の活動予測には重要な場所である。「ひので」による極域の精密な観測により、太陽活動の長期変動のしくみが解明されることが期待される。(2011年9月6日 JAXA)
黒点11年周期
太陽黒点数が約 11 年の周期で変動することは良く知られているが、この発見は 19 世紀中期のことで ( シュワーベ )、17 世紀初頭のガリレオによる最初の望遠鏡観測から 200 年以上も後のことである。この遅れの原因は、17 世紀半ばからしばらく、黒点がほとんど見えない時期が続いたためであるが、このことは黒点数の周期性には非常に長い周期のうねりがあることを示している。
黒点は強い磁場が集中して存在する場所で、内部から伸び出した磁力線の束の切り口を表している。黒点数の周期性は、太陽内部で磁場を維持増幅する機構 ( 太陽大気のような電離気体の運動に伴って磁場を維持増幅する機構は、電流を生み出すため、発電機を意味するダイナモ機構と呼ばれる ) が周期性を生み出していることを意味し、見えない太陽内部大気のダイナモ機構を探る手がかりとして重要である。黒点のある場所では、フレアなどの活動現象が付随して起こるため、黒点数周期は太陽の活動周期とも呼ばれる。黒点数周期は太陽輝度の変化と連動していることがわかり、この長周期変動は地球の長周期気候変動との関連を示唆する。
黒点数の数値化には伝統的に黒点相対数を用いている。これは、チューリッヒ天文台長ヴォルフによって 1849 年に考案されたもので、 R = k ( 10 g + f ) で表される。ここで、g はチューリッヒ分類法 ( 理科年表 2008 年、天 24 参照 ) により分けられた黒点群の数、f は見える黒点の総数、 k は異なる観測者間の補正係数で、ヴォルフの観測 ( 口径 7.5 cm、倍率 64 倍の眼視観測 ) を k = 1 とするものである。
ヴォルフは当初黒点の総面積を指標として考えたが、黒点面積の正確な測定は難しいため、簡便な代用としたものである。この定義は物理的な根拠から生まれたものではないが、黒点群に大きな重みを付けた点、活動現象の頻度との関連を暗示させるものがあり、先見の明があったと言えよう。実際、黒点やプラージュ*1の総面積、太陽電波の強弱ともよく比例することから、黒点相対数は太陽活動の良い目安として広く用いられている。
また、プロミネンス、X線強度、コロナ輝線でも 11 年周期が現れる。( http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/database.html の 5303A コロナ緑色の変化図参照 )。黒点では赤道から中緯度にかけての変化しか分からないが、これらのコロナ現象を用いると、同時に極域まで変化を調べられる。ヴォルフの提唱により黒点相対数の国際共同観測は 1855 年から始まり現在に至っている。現在、黒点相対数の集計はチューリッヒ天文台を離れ、ベルギー王立天文台で行われている。 (理科年表HP)
参考HP アストロアーツ 太陽の磁場サイクルに異変が?
![]() | 太陽黒点と歴史の脈動 太陽黒点数約50年周期と気候・経済変動 |
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文芸社 |
![]() | ネオスピリチュアルアセンション 第3版―今明かされるフオトンベルトの真実 地球大異変・太陽の黒点活動 |
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明窓出版 |
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