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 酸・アルカリとは?
 酸性・アルカリ性と誤解しやすいものに、酸性食品、アルカリ性食品というものがある。

 酸性食品には、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉等)、魚類、卵、砂糖、穀類(米、酢等) などがあげられている。アルカリ性食品には野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン、里芋等)、果物(メロン等)、海藻(ひじき、ワカメ、昆布等)、キノコ、干し椎茸、大豆などがあげられている。

 例えば、果物のレモンにはクエン酸という酸が含まれており、リトマス紙で調べればちゃんと赤色になる。だから酸性なのだが、酸性食品にはならない、これはどうしてだろうか? 

Food

 酸性のものは、酸っぱい味がして、リトマス紙の青色を赤色にしたり、BTB液を黄色にする性質がある。また、アルカリ性のものは、リトマス紙の青色を赤色にしたり、BTB液を青色にする性質がある。酸性の正体は水素イオン(H+)であり、アルカリ性の正体は水酸化物イオン(OH-)である。

 代表的な酸としては、塩酸・硝酸・過塩素酸・硫酸(強酸)や、酢酸・ギ酸・炭酸・リン酸(弱酸)などがある。代表的なアルカリとしては、水酸化ナトリウム・水酸化カルシウム・水酸化バリウム(強アルカリ)やアンモニア(弱アルカリ)などがある。

 また、酸、アルカリのどちらにも入らないものとして、水や食塩水などがあり、これらは、リトマス紙を変化させない。BTB液は緑色を示す。このような液には、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)が同数入っており、中性と呼ばれる。

 「酸性食品・アルカリ食品」とは?
 梅干しのようなすっぱい味のするものは酸性食品と思われがちだが、それは見かけ上のこと。実は、食べた食品が生体内で燃焼した場合、結果的に酸性になるか、またはアルカリ性になるかによって決める。

 栄養学では、カロリーという言葉が食品の燃焼によるエネルギー値を表すのと同じように、食品を燃焼して残った灰分について、酸性またはアルカリ性の度合いを調べる。灰分中にリン、硫黄、塩素などの陰性イオンのミネラルが多ければ、それぞれリン酸、硫酸、塩酸などとして酸性に傾く。これが酸性食品である。

 これに対して、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの陽性イオンのミネラルが多ければアルカリ性に傾く。これがアルカリ食品である。人体内でも、生理的に燃焼したあとに残ったミネラルが同様の働きをすると考える。 

 現在では使われない「酸性食品・アルカリ性食品」
 1890年前後にこの概念を提唱したのは、スイスのバーゼル大学の生理学者、グスタフ・フォン・ブンゲで、肉を食べると含硫アミノ酸(当時は硫黄と呼ばれた)が硫酸に変化し、体組織を酸性にするのでアルカリ性のミネラルを摂取する必要があると主張した。アルカリを欠乏させないことで健康を保つことができるということである。

 後に、日本でも国立健康・栄養研究所の西崎弘太郎博士が、食品の酸性度やアルカリ度を発表しているが、日本の栄養学ではこうした主張はなくなっていった。1984年の日本の病理学書によれば、重度の脱水症によってアシドーシス(血液が酸性化すること)が起こるとしか書かれていない。1980年代後半になると、健康法ブームに対して、日本の栄養学から様々な生理学的、栄養学的矛盾点が指摘されるようになり、1990年前後に、臨床実験や実験の引用を行わないまま、体液を酸性にすることはなく病気の予防にも関係がないために無意味な分類だとされた。

 そして、日本では分類は無意味だという説が一般化し、2008年現在でも山口県栄養士会は否定的な見解を示している。ただし、これらの否定説は後述するように科学的方法にのっとっていないため、判断の合理性には疑問が示される。2010年時の管理栄養士の国家試験を目標とした教科書である『新しい臨床栄養学』の5版には、酸性食品とアルカリ性食品を分類している。

 理論的には血液を含む体液の酸塩基平衡は呼吸により排泄される二酸化炭素と腎の尿細管による炭酸水素イオンの生成量により決定されることが解明されているが、疾患をもつ場合や食事の摂取が不十分の場合には、食事の種類や構成によって血液が酸性に傾くことがある。

 酸、アルカリよりも、栄養・ミネラルのバランスを
 誤った考え方の一つに、食品の酸やアルカリ性によって体液が変わるというのがある。酸性食品を多食すると血液が酸性になるとか、血液は弱酸性だから、アルカリ性食品をとった方が健康に良いというたぐいのもの。われわれの体は成人で約60%の水分から成っているが、水は体液として血液、細胞内液、細胞間液等に分布し、それぞれ特有のミネラル成分を含んでいる。しかもそれらの組織は常に一定に保たれており、食物中のミネラル組織をそのまま反映することはない。

 血液を例に取ってみると、pHは7.35から7.45の範囲に常に保たれているが、そこにはpH調節のための絶妙な生理機能が働いている。なぜならほんの少しでも上記の範囲を外れたとすると、重篤な症状を呈し、生きることすら不可能になるからだ。食物によって血液が酸やアルカリ性に傾くことは決してない。

 このように、栄養学的にみて、両者の区別は余り重要ではない。しかし、現実問題としてアルカリ性食品=健康食品というイメージが今でも根強く残っている。確かに野菜や果物はアルカリ性食品であり、肉や魚は酸性食品である。アルカリ性食品がよいからといって、野菜サラダばかり食べ、肉料理を食べないとしたらどうなるだろう。栄養不足に陥ることは目にみえている。

 以前に栄養のバランスの話をしましたが、アルカリ性食品と酸性食品の摂取バランスが大切。もちろん、栄養バランスと酸・アルカリ性バランスは考え方に大きな違いがある。前者は栄養素を中心にしたバランスであり、後者は単にミネラルを中心にしたバランスである。牛乳は乳幼児にとってはほぼ完全栄養食だが、中性に近い食品。アルカリ食品だからといっても、ミネラルの中味が問題である。梅干しを例にとっても、ナトリウムイオンのとり過ぎは返って健康を損ねることになる。(食エッセンス)

参考HP Wikipedia 酸性食品・アルカリ性食品
食エッセンス
13.酸性食品・アルカリ性食品について

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