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 男女産み分け目指しタイへ
 男女の産み分けは可能だろうか?科学的には可能だとされる。男女を決めるのは精子の性染色体がXであるか、Yであるかによる。X染色体とY染色体を持つ精子では質量や運動量、酸に対する抵抗力などに差があり、これらを調整することで産み分けする方法がとられている。

 これらの方法は100%正確に産み分けできない。確実な方法としては、受精卵診断(着床前診断)という方法がある。これは体外受精で行う方法で、受精卵が8細胞〜胚盤胞前後のとき細胞を1つ取って、その遺伝子や染色体を解析し、男女の判定をする方法である。

 だが、日本では倫理的な理由で、産み分けの目的でこの手法を用いることは禁止されている。そこで、子どもを望む日本人夫婦の中では、タイなどに渡り、受精卵の染色体を調べて、男女産み分けをするケースが増えている。朝日新聞の取材では、この1年間で少なくとも30組の夫婦が利用していたことが分かった。

XY-Chromosomen

 受精卵診断はもともと遺伝病の有無を調べるために行う。体外受精卵が8~胚盤胞の細胞に分裂した段階で、1~2個の細胞を取って、遺伝子や染色体の異常がないか調べて、子宮に戻す。遺伝病だけでなく、性別も判定できるため、男女の産み分けにも使える。

 タイでは近年、医療技術が向上し、海外の患者にも人気の医療先進国になりつつある。受精卵診断も約15の医療機関が実施している。朝日新聞が、日本人が多く行く2施設に取材したところ、2~3年前から日本人が増え、この1年で計約30組が男女産み分けで受精卵診断を受けたと回答した。診断には体外受精が必要なため、不妊でない夫婦でも体外受精をしている。不妊夫婦が卵子提供を受け、男女の産み分けをする例もあるという。(asahi.com 2011年9月25日)

 産み分けをする国々
 産み分けは、男女どちらかの性別の子供を希望する夫婦が、それを実現するための科学的な根拠を持つ技術、またはその技術を用いること。

 男女の生まれる比率は男105、女100と男の子が生まれる率が高いと言われているが、生存率は女性の方が勝っているので、総人口は女性のほうが多いのが現状である。

 ところが、男性の数が多い国がある。それも、中国やインド、イスラム教国、タイ王国、アフリカ諸国、など多数ある。イスラム教国では女性が男の子をもうけることが宗教上重要であり、着床前診断による産み分けを積極的に実施する国が多い。男子が親の面倒を見る伝統の中華人民共和国ではさらに一人っ子政策のため男子を望む傾向が高い。

 男女の精子をフローサイトメトリーで分離するマイクロソート法によれば、着床前診断には劣るものの70〜90%の確率で産み分けが可能である。この方法は米国でのみ実施されている。 

 科学的根拠を有する確実な方法は、体外受精の手法を用いた着床前診断であるが、産み分けの目的でこの手法を用いることは日本産科婦人科学会が禁止しているため、日本国内では公然とは行われていない。しかしながらアメリカ合衆国では着床前診断による産み分けに特に規制はないので、一般的に実施されている。

 着床前診断(受精卵診断)
 着床前診断(PGD,PIGD)とは、受精卵が8細胞〜胚盤胞前後にまで発生が進んだ段階でその遺伝子や染色体を解析し、将来起こりうる遺伝疾患や流産の可能性を診断すること、ないしその技術である。遺伝子解析により遺伝子が特定されている遺伝病や、染色体異常等を発見することができる。受精卵診断と呼ばれることもある。

 世界で最初の着床前診断は1990年に英国で「ネイチャー」誌に公表された。これは性別判定によって伴性遺伝疾患を回避する目的で実施された。現在では、遺伝疾患回避の目的で実施される着床前診断は性別判定ではなく遺伝子の変異そのものを調べる事が多い。

 他方、着床前診断によって、染色体異常を原因とする流産の回避が可能であることも判明し、世界的には流産予防を目的とする着床前診断も多数実施されている。世界的には10,000人以上の児が着床前診断を受けて誕生したと推計されている。

 遺伝疾患回避の方法としては、従前は羊水検査や絨毛検査などの出生前診断が実施されていたが、出生前診断では胎児の異常が判明したときに人工妊娠中絶につながる可能性が高いことが大きな問題であった。1978年ルイーズ・ブラウンの誕生をきっかけとして体外受精の技術が発展した事、ポリメラーゼ連鎖反応等の分子生物学の技術の進歩等により、受精卵が子宮に着床する前、即ち、妊娠が成立する前に受精卵の遺伝子や染色体の検査を実施することが技術的に可能となってきた。

 推進派の医師は羊水検査などの出生前診断に比し、受精卵診断によって人工妊娠中絶の可能性を回避できるなどの利点があると主張している。

 ただし、ことに人間の場合、優生学を継承した生命の選別・選民思想などの生命倫理的な問題があるとする意見もあり、その是非については議論が分かれる。同様の問題は出生前診断についても当てはまる。一方、流産予防に関してはいずれにせよ流産してしまう受精卵を前もって除くだけなので倫理的な問題は少ないとされる。(Wikipedia)

 着床前診断の現状
 世界における着床前診断の現状着床前診断が社会的に受け入れられているかどうかはその国の宗教的背景に大きく影響を受けている。 ローマカトリック教会はエイズ予防目的のコンドーム使用にも反対するなど、生殖についてきわめて保守的な姿勢で知られるが、着床前診断を含む生殖医療にもきわめて制限的である。

 ローマカトリック教会は受精の瞬間から受精卵に人としての尊厳が生じると考えるためである。従って、ローマカトリック教会は中絶にも出生前診断にも反対している。ローマ法王庁のお膝元であるイタリアではベルルスコーニ首相が2004年に生殖医療を厳しく制限する法律を作り、これは、Pope(法王)への贈り物と揶揄された。 この法律に対しては有名なモデルであるモニカ・ベルッチを始めとした反対運動が広がっている。ローマカトリックの信者が半数を占めるドイツでも着床前診断は法でほぼ禁止されていたが、2010年着床前診断は違法ではないとの判決が最高裁判所で出たため、着床前診断が可能となった。

 その他ヨーロッパ諸国では生殖医療を法律で規制して、その範囲で認めようとする国が多く、イギリスでは病気の兄弟に骨髄移植を提供する目的の「救世主兄弟」を着床前診断で産むことも認められている。 一方、ヨーロッパの宗教的迫害から逃れて清教徒が移住した歴史のある米国では着床前診断を含む生殖医療には、殆ど何の制限もない。

 キリスト教国以外では、儒教、ヒンズー教などの影響で男尊女卑のある国では、もともと、出生前診断による女児の中絶が行われていて出生児の男女比が変わってしまっているため、女性の権利を守るために着床前診断による産み分けを禁じている国が多い。

 仏教国であるタイでは殆ど何の制限もなく男女産み分けを含めた着床前診断が実施されている。 イスラム教の教義によれば、妊娠3ヶ月までの胎児は水のようなものとされており、着床前診断を含む生殖医療には寛容である。 ユダヤ人の国家であるイスラエルでは、条件付で着床前診断による産み分けを認めている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia 着床前診断(受精卵診断)

男の子・女の子の産み分け法
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