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 インコがリズムに合わせて運動
 オウムの仲間の一種であるセキセイインコがリズムに合わせてタッピング(机などを叩く)できることを世界で初めて確認した。そして、オウムのなかまといえばものまね(発声模倣)。リズムをとる行動と発声模倣能力に関連があることを示した。

 ヒト以外の動物は(オウムの仲間やゾウなどを除き)、特定のリズミカルな運動は行うが、与えられたリズムに応じて自在に動きを合わせることはできまない。本研究は、オウムの仲間の一種であるセキセイインコの一群を用いて、外部から与えられる多様なテンポのリズムに対して同調したキーをつつく運動ができることを確認した。ヒトにおいてはタッピングによるリズムとの同期実験は多数行われているが、今回の成果は動物がリズムに合わせてタッピングできることを示したもので、世界で初めての公式な報告。

 リズムに合わせて運動できる、ヒト・オウムの仲間・ゾウの共通点は「発声を模倣する」ことであるが、本成果はリズムに合わせて運動する能力が「新たな発声パターンを獲得する能力」の副産物として備わったのではないか、とする仮説(Patel、2006)を裏付けるもので、ヒトが文化や世代を超え、当たり前のように行ってきた「音楽に合わせて踊ること」が、言語能力と密接に関連していることを示唆するデータが得られたことになる。

Melopsittacus undulatus

 本研究により、動物における「リズムに合わせて運動する能力」と「新たな発声パターンの獲得」の関連性が裏付けられ、今後、リズムに関わる神経機構の仕組みや言語能力のメカニズムの解明につながるものと期待される。

 本研究は、理化学研究所 脳科学総合研究センターや東京大学 大学院総合文化研究科の長谷川 愛 大学院生(研究当時)との共同研究で行われ、本研究成果は、2011年10月17日(英国時間)にNature Publishingグループのオンラインジャーナル「Scientific Reports」で公開された。

 会話能力とリズム運動に相関関係
 ヒトは音楽など多様なリズムに合わせて運動できる。一方、多くの動物の運動にも、リズミカルなパターンがあり、中にはリズミカルなダンスを披露する動物もいる。しかし、動物たちはもともと持っているリズムのパターン以外に、「外部から与えられる」リズムに合わせて運動する能力を持っているわけではない。

 「音楽に合わせてダンスする」動物のビデオを解析すると、音楽と運動の同調が認められた動物はオウムの仲間数種とゾウ一種だけで、イヌやウマ、サルなどでは確認できなかった(Patel et al., 2009; Schachner et al., 2009)。つまり、ヒトにとっては容易な外から与えられた「リズムに合わせて運動する」ことが、動物一般にとっては当たり前ではない。

 リズムに合わせて運動できる、ヒト・オウムの仲間・ゾウの共通点は「発声を模倣する」ということ。この「発声の模倣」は、「新たな発声パターンを獲得する能力」と言い換えることもできる。実はこれまでに、『リズムに合わせて運動する能力が「新たな発声パターンを獲得する能力」の副産物として備わったのではないか』とする仮説(Patel, 2006)が挙げられてきたが、その裏付けとなる研究は、ビデオ解析によるいくつかの事例報告に過ぎなかった。

 本研究は、『リズムに合わせて運動する能力が「新たな発声パターンを獲得する能力」の副産物として備わったのではないか』とする仮説(Patel, 2006)を裏付けるものとなる。つまり、ヒトが文化や世代を超え、当たり前のように行ってきた、「音楽に合わせて踊ること」が、実は言語能力と密接に関連していることを示唆する興味深いデータを得たことになる。

 インコは喋るが、ゾウは?
 たしかにインコのなかまは、よく人の声をまねする。セキセイインコの中には100種類以上の単語をしゃべる個体が記録されている。昔話の「桃太郎」などの長文もよくしゃべる例がある。飼い主の姓と住所を覚え込まされ、逃げ出して保護された先で名乗った為に自宅が判明した例もある。覚えさせるつもりがなくとも勝手に覚えてしまうこともある。

 しかし、ゾウはどうだろうか?あまり喋ったところを記憶していない。

 ところが、調査結果によると、ゾウはなんと10キロメートルも離れた所にいる仲間と連絡を取ることが出来る(Wikipedia)。

 人間には聞こえない低周波音(人間の可聴周波数帯域下限である約20Hz以下)で会話していると言われ、その鳴き声は最大約112dBもの音圧(自動車のクラクション程度)があり、最長で約10km先まで届いた例もある。加えて、象は足を通して低周波を捕えられることも確認されている。

 ゾウの足の裏ゾウの足の裏は非常に繊細であり、そこからの刺激が耳まで伝達される。彼らはこれで30~40km離れたところの音も捕えることができる。この生態領域はまだ研究途中であるが、雷の音や、遠く離れた地域での降雨を認知できるのはこのためではないかと考えられている。また足の裏はいくつものひび割れがあり、滑り止めの役割をしている。なお、個体によってひび割れの模様は違っており、人間の指紋に近い。また、その巨体ながら、時速40キロ程度で走ることができる。

 ゾウは高い認知能力も持ち、人間を見分けることもできると言われる。また、群れの仲間が死んだ場合に葬式ともとれる行動をとることがある。死んだ個体の亡骸(なきがら)に対し、周りに集まり鼻を上げて匂いを嗅ぐような動作や、労わるように鼻でなでる等の行動をとった記録がある。これらの行為の意味については不明な点も多いが、いずれにせよかなり優れた記憶力や知能を持っていると推察されている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia ゾウ 東京大プレスリリース インコがリズムに合わせて運動できることを確認

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