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 ドイツ観測衛星が大気圏突入
 ドイツ航空宇宙センター(DLR)は10月23日、運用を終えたエックス線観測衛星「ROAST」が同日朝、大気圏に突入したと発表した。突入の時間や詳しい場所は明らかでない。

 燃え残った衛星の破片が地上に落下したとの確認報告は今のところないとしている。破片落下に伴い、地上の人間がけがなどを負う可能性については極めて低いとも述べた。

 同センターは当初、落下の予想時間について日本時間23日午前8時半から午後2時の間とし、欧州、アフリカやオーストラリアは落下が予想される場所から外れたとみられると報告していた。

ROSAT_UARS

 最大で30個の破片が時速約2万8000キロの速さで大気圏に突入し、北緯53度から南緯53度の範囲内で幅約80キロの領域に落下すると説明していた。最大の部品は非常に耐熱性の高い望遠鏡の鏡部分で、重さ約1.77トンに達するとみられる。

 衛星上に推進装置が搭載されていないため、大気圏突入の制御は不可能となっていた。(CNN 2011.10.23 Sun)

 日本上空を4回も通過
 ドイツの人工衛星「ROAST」が落下した。地上に落下する時間について、日本時間10月23日午前3時から同午後9時になるとの見通しを発表していた。同衛星は約1時間半に1周の速度で地球を周回し、落下地点は日本を含む北緯53度から南緯53度の間のどこかになるとしていた。

 宇宙航空研究開発機構によると、この時間帯では、同午前9時半ごろ本州上空を通過するのをはじめ、同午後5時10分ごろの関西上空など、日本上空を計4回通過。だが、通過時間はいずれも数分以下で、同機構では日本に落下する恐れは小さいと見ていた。

 衛星は重量約2.4トン。大気圏再突入後、約30個(計約1.7トン)の破片が燃え尽きずに地表に到達すると見られていた。人間に当たる確率は「2000分の1」で、同衛星が2000回落ちると仮定した場合に1人に当たる頻度に相当する。陸上にいる特定の人物に当たる確率は15兆分の1という。(2011年10月23日  読売新聞)

 今回の衛星の落下は、日本の上空を4回も通過し、9月の米国の人工衛星の場合と比べて、人に当たる確率が3200分の1から、2000分の1と高くなっている。日時・場所ともに、もう少し正確に特定できないものだろうか?

 リスクが高くなる原因は、X線望遠鏡のミラーがしっかりとシールドされているためで、このミラーと支持構造用の炭素強化繊維構造が再突入時の高熱にも耐えられるため燃え尽きずに落下すると予想されること、また、運用を終了し制御不能な状態なこと、太陽活動の影響により大気抵抗は日々変動するため、落下前日になってようやく+/-5時間の範囲にまで予測が絞りこめるレベルだという。

 宝くじは当たらないが、衛星に当たる人はいる?
 米航空宇宙局(NASA)は9月21日、寿命が尽きて地球に落ちる大気観測衛星(UARS)が大気圏に再突入する時間は、米東部時間の23日午後(日本時間の24日未明から午前)になるとの予測を発表した。

 大気との摩擦で燃え尽きない破片が26個、800キロ・メートルにわたって帯状に落下するとみられたが、衛星が大気中を回転しながら落ちていく動きは複雑なため、大気圏突入の2時間前でもまだ正確な落下場所は特定できなかった。地球上の誰かに当たる確率は推定3200分の1だった。

 この時の落下で、自分に当たる確率は20兆分の1だったという。地球の面積の7割は海で、陸地も人の住んでいない場所がほとんどのため、NASAは「過去、衛星でけが人が出た例はない」と安全を強調している。

 ただ、運の悪い人はいるもので、1997年には、ロケットの燃えかすが米オクラホマ州で散歩中の女性の肩に当たった例がある。この女性は米メディアに「今度はオクラホマには落ちないでしょうね」と話した。

 宝くじの1等1億円が当たる確率は1000万分の1だというから、20兆分の1で当たる人は逆にすごい。

 米航空宇宙局(NASA)の人工衛星「UARS」の大気圏突入で、米東部時間の9月23日深夜から24日未明にかけ地上に落下したとされる機体部品の目撃談が、米本土やハワイから寄せられた。部品は合計で26個、約545キロの破片が地上に落下したとみられるが、幸い人には当たらなかったようだ。

 X線観測衛星「ROAST」
 ROSAT(ROentgen SATellite)は1990年代に運用されていたドイツのX線観測衛星。ドイツではヴィルヘルム・レントゲンに因みX線はレントゲンシュトラーレンと呼ばれており、これに由来して衛星の名前もレントゲンサテリット(Röntgensatellit)とされ、この略称としてROSATとよばれる。1990年6月1日にデルタIIによってケープカナベラルから打ち上げられた。当初は5年の計画であったが、1999年の2月12日までの8年間を超える期間運用された。

 2011年2月26日、ドイツのニュースマガジンデア・シュピーゲルはドイツ政府が2400kgのRASATはその構造にセラミックやガラスが多く利用されていることから再突入の間に燃え尽きそうにないという研究結果を持っていると報告している。ドイツ航空宇宙センターの情報によれば2011年10月22日か23日にかけて、1600kgに上る重さの破片が落下する可能性があるとされる。

 大きさ:2.38m× 2.13m × 4.50m 重さ:2426kg 観測機器:X線望遠鏡(X-ray Telescope: XRT)、PSPC(Position Sensitive Proportional Counters) 2基、高解像度X線撮像装置(High Resolution Imager: HRI)、広視野紫外線カメラ(Wide Field Camera: WFC)

 功績:X線全点掃天カタログ(15万星)、極端紫外線の全点掃天カタログ(479星)、超新星爆発残余物とクラスター星雲の細部の形態学、分子星雲のX線放射の影の探知、ジェミンガからのパルスの探知、孤立した中性子星の探知、彗星からのX線放射の発見、シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突崩壊時のX線放射の観測

 ROSATはもともとスペースシャトルによって打ち上げられる予定であったが、チャレンジャー号爆発事故が起こった後にデルタ IIロケットでの打上げに切り替えられた。このため、太陽電池パネルがロケットのフェアリング内に収容できるようにするため3分割にするなどの設計変更が行われた。(Wikipedia)

 上層大気観測衛星「UARS」
 UARS(Upper Atmosphere Research Satellite)は、米国の上層大気観測衛星である。地球の上層大気、特にオゾン層を観測することが目的であった。

 1991年9月12日、STS-48ミッションにおいてディスカバリーから軌道上で放出された。2005年12月15日に運用を終了し、高度を下げるマヌーバを行った後、軌道上に放置されていた。2010年10月26日には国際宇宙ステーションがUARSを避けるためにデブリ回避マヌーバを実施した。2011年9月24日に大気圏に再突入し、消滅した。

 観測機器:10の観測機器が搭載され、そのうちWINDIIはカナダNRC(英語)による提供である。SOLSTICE(太陽放射測定用分光計)-太陽スペクトル放射照度、SUSIM(太陽紫外放射測定用分光計)-太陽フラックスの変動、PEM(高エネルギー電子・陽子測定装置)、CLAES(大気測定用走査型冷却剤冷却式地球周縁赤外分光計)-大気中の窒素・塩素、オゾン破壊種、微量成分、気温のグローバルな総観測定、ISAMS(大気測定用改良型機械的冷却式赤外サウンダー)-気温および大気成分濃度、MLS(大気測定用マイクロ波リムサウンダー)-O3、O2の垂直分布、風測定、気圧推定、HALOE(ハロゲン観測用太陽掩蔽式分光計)-成層圏気体種の濃度、HRDI(風測定用走査型ファブリ・ペロー干渉計)-中間圏の風、WINDII(風測定用走査型マイケルソン干渉計)-エネルギーのDopplerシフト、上層大気の風、ACRIM-II(太陽常数測定用広帯域放射計)-全太陽放射照度(Wikipedia) 

参考HP Wikipedia UARS ・ ROSAT ドイツ航空宇宙センター DLR

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