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 地下は別世界
 地球上の水の97%が海水として存在し、淡水は残り3%にすぎない。そのほとんどが氷河や氷山として存在している。淡水のなかで、淡水湖・河川水・地下水の一部が、人間が直接に利用可能な水で、総量の1%未満である。飲料水として利用できるものはさらに少ない。

 地下水は、地球の淡水のうち約20%。水の人間が利用する地下水は、このうち半分程度、比較的浅いところに存在する。だが、地下水の半分は地中の深いところに存在。今回、地下数百キロメートルの場所で大量に発見された。そのほとんどは、プレート運動で、プレートととともに沈んだ海水に由来する。

 その量も半端ではない。北極海ほどもある巨大な水の塊が東アジアの地下数百キロメートルに広がっていることがわかった。この地下の「海洋」は地球内部を通過する地震波の調査中に明らかになったものだ。これほど大きくなると、地底にもう一つの世界が存在していると、考えたほうがよいかもしれない。

Ocean-Under ground

 調査チームの責任者である米セントルイスのワシントン州立大学のマイケル・ワイセッションと、同大学の元院生であるジェシー・ローレンスは、遠隔地震波が地球のマントルを通過する様子を観察しているときに、地中に水分の多い場所を発見した。この地帯はインドネシアからロシアの最北端まで及んでおり、比較的軟弱な岩盤の領域であるため、ほかの場所よりも地震波の強さが急速に失われる。

 巨大な地下海洋
 この水はプレートテクトニクスの運動による地殻変動によって発生したものと考えられる。通常、岩盤に含まれる水は地球の内部熱で温められ、深さ100キロメートル以上の地点に到達すると、火山ガスとして上方に漏れてゆく。しかし、環太平洋地域の東側では岩石がより深く引き込まれているため、水蒸気として放出されにくくなっており、地殻変動に伴って、環太平洋の大陸プレートの下まで海底が引き伸ばされたということだ。

 スタンフォード大学の地球物理学者であるノーマン・スリープ氏は、今回の発見について「これによって、地球の未来の運命に関わる手掛かりも明かされる」と話す。太古の地球では、蒸気が地球の深部から表面に火山ガスとして出てきて、最終的に今日の海洋が生まれた。しかし年代を経て、地球の内部が冷却するにつれて、水は地表の下に戻りやすくなっている。「つまり、現在の地球では、ガスが表面に向かって失われるよりも、水の方がマントルに向かって失われている可能性があるのだ」(同氏)。

 「このように地表の下に水が徐々に吸引される現象は、地球の地質の安定性にとってはよいことだ」とスリープ氏は指摘する。同氏によれば、地下水が潤滑油のような役割を果たすことで、地殻プレートは現在の移動速度を保つことができる。大陸の厚みと標高が比較的安定しているのもそのためだという。(Richard A. Lovett for National Geographic News February 27, 2007)

 地下水の由来
 地球に限定すれば、水は地上や地下、そして大気中を長い時間をかけて循環しており、地下深くに浸透した水が「涵養」「流動」「流出」という過程を経てふたたび地上に出現する大きな循環系を構成している。このような地球規模での大きなスケールの循環では、地表面や大気中の水の循環は「地表水循環系」と呼ばれ、地面より下の水の循環は「地下水循環系」と呼ばれる。

 地下水の大部分は大気中の水分が雨や雪などのかたちで地表面に降水となって降ることで、地面の下に流入する。降水に限らずこのように何らかの水が地下への流入することが「涵養」である。天水とも呼ばれる降水は、地表の浸透能によって多くが地中に浸透する。

 海水を由来とする地下水もある。太古に海だった地域が、長い年月の間に陸となり、海水が地中に残存して地下水となったものである。こうした地下水を化石水(かせきすい)といい、アメリカ中西部プレーリー平原の化石水が代表的なものである。化石水は、数千万年 - 数億年前に形成されたと見られている。

 化石水はもともと海水だったため、塩分を多量に含む塩水であることが多く、人間にとって利用しにくい地下水であるが、東京都内や川崎・横浜市内の天然温泉は化石水が温められたものである。

 また、プレートテクトニクスに由来する地下水もある。大陸プレートが海溝などで他の大陸プレートの下部へ潜り込む際、周辺の海水も一緒に引きずり込まれる。地殻内部へ引きずり込まれた海水は、マグマ熱などにより、地表近くへ上昇して地下水となるものもある。こうした地下水は、高温であることが多く、温泉を形成することがよく見られる。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia 地下水 National Geographic アジアで発見された巨大な地下海洋

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