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梅雨明け後は「高温注意情報」
昨年の夏の暑さを考えると、今冬の寒さはとても予想できなかった。昨年の梅雨明けは早く、7月9日だった。その後、真夏日が続く。気象庁は、7月13日「高温注意情報」をスタートさせた。高温注意情報は、最高気温がおおむね35度以上になると予想された場合、前日にホームページに発表する。
このころの天気はどうなっていただろうか?毎年7月に入ると、太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線を東北地方の北部まで押し上げて消えてしまうと全国的に梅雨が明ける。2005年は、8月4日に東北地方南部北部とも梅雨明けになった。1日には津軽海峡あたりに梅雨前線(停滞前線)がある。本州の南海上に中心を持つ高気圧は太平洋(小笠原)高気圧である。その前線は4日に北海道中部に北上し、5日には消えてしまった。日本付近は、日本のはるか東海上に中心を持つ高気圧と、日本海に中心を持つ高気圧に覆われている。どちらも太平洋高気圧である。
このように梅雨前線が北海道まで北上して消えるのが一般的な梅雨明けだが、ときには梅雨前線が南下して、太平洋側に抜けて消えてしまうという、梅雨明けもある。2004年は7月22日に北陸地方、東北地方南部北部とも梅雨明けとなり、日本全国で梅雨に入っている地域はなくなった。7月21日には梅雨前線が東北地方にある。すでに梅雨明けした北陸地方や関東甲信地方から西は、南西諸島に中心を持つ太平洋高気圧に覆われている。22日になると、梅雨前線は日本の東海上に抜け、日本海に中心を持つ高気圧に覆われた。
夏というと太平洋高気圧に覆われて暑い日々というイメージが強い。2006年8月3日の天気図では、北海道の北に前線があり、関東の東に中心を持つ太平洋高気圧が西に張り出して、日本付近を覆っている。記憶に新しいのが、2007年8月16日の熊谷の最高気温が40.9℃。今まで山形で観測された最高気温40.8℃を抜いてしまった。日本付近は西日本と関東の南海上に中心を持つ高気圧に覆われている。夏をもたらす太平洋高気圧(亜熱帯高気圧)だ。
冷夏・夕立・集中豪雨
夏も年によっては気温が低い日が現れることもある。2008年8月9日がその例で、この日、北海道のオホーツク海側の網走の最高気温は18.0℃と20℃を下回っている。サハリンの中部に中心を持つ高気圧がある。日本付近に前線こそないが、まるで梅雨みたいな天気図。この高気圧から送り込まれた冷たい空気が北海道に送り込まれた。
夏の天気のもう一つの主役は夕立。雷雨は上空に寒気が入ると起こりやすくなる。また、前線の通過のときも雷雨が起こりやすくなる。2002年8月2日は、東北地方から能登半島の北に延びている寒冷前線が南下して、関東地方を通過した。このため、関東甲信地方では大気の状態が不安定になり、局地的に雷雨となり、南アルプスでは落雷により登山者が亡くなっている。
夏でも前線が停滞することがある。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、前線の活動が活発化して前線付近で大雨になる。2005年8月10日は東北地方南部に停滞した前線に向かって日本海側から暖かく湿った気流が流れ込み、北陸地方や東北地方南部で大雨になった。新潟県三条市では竜巻が発生し、飛び散った屋根瓦などにより車のフロントガラスが割れたりし、怪我人も出ている。
暖湿気流の流入は馬鹿に出来ない。2008年8月29日には前線に向かって太平洋側から暖湿気流が入り、前線付近より南の地域で大雨になった。愛知県豊橋市と神奈川県東部から東京都八王子市で激しい雨が降り、大雨になった。豊橋市では中小河川が溢れて家が流され死者が出た。八王子では土砂崩れが発生した。
台風
台風の季節は9月だが、台風の発生数は9月よりも8月の方が多くなっている。もちろん、8月にも台風は日本列島にやってくる。秋はジェット気流が日本付近にあるので、それに台風が乗ると早い速度で通過する。夏はジェット気流が日本列島より北に位置していて、上空の流れが弱くなっている。台風の動きは上空の流れに左右されるので、夏の台風は動きが遅く進路がはっきりしない場合がある。こんな場合、予報円の半径が大きくて24時間先とか48時間先の予報円が重なっている。
2002年の台風13号は父島の方から北上してきて、8月18日から20日にかけて本州南岸をゆっくりと東に進んだ。18日の天気図からわかるように中心気圧が945hPaですから、かなりの勢力の台風であることがわかる。この台風で、関東各地は大雨になった。この大雨で山梨県や神奈川県で住宅への浸水被害が発生している。
台風は、太平洋や南シナ海(赤道以北、東経180度以西100度以東)に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が34ノット(17.2m/s)以上のものを指す。主に北緯2度~北緯40度付近の海上で発生(熱帯低気圧が発達して呼び名が「台風」に変わる)する。
台風の構造・タイフーンとの違い
台風の中心が最も天気が荒れていると考えがちだが、中心付近は暴風が吹き荒れるものの風向きが乱れているために互いに打ち消し合い、最も荒れているわけではない。台風の中心付近の下降気流となっている風や雲がほとんどない区域を台風の目と呼び、勢力が大きい台風ほど明瞭に表れるが、勢力が衰えると判然としなくなる。
台風の目の周囲付近は中心に向かって周囲から吹き込んだ風が強い上昇気流をつくっており積乱雲が壁のように取り囲んでいる(内側降雨帯)。そして、その外周には外側降雨帯が取り囲んでいる。また、台風本体から数百キロ程度離れた場所に先駆降雨帯が形成されることがあり、さらに、この位置に前線が停滞していると前線の活動が活発になり大雨となる。
台風は一般的にその中心よりも進行方向に対して右側(南東側)のほうが風雨が強くなる。これは、台風をめがけて吹き込む風と台風本体を押し流す気流の向きが同じであるために、より強く風が吹き荒れるためである。気象学上では台風の右側半分を危険半円と呼ぶ。逆に台風の左側半分は吹き込む風と気流の向きが逆になるために比較的風は弱く、可航半円と呼ぶ。しかし、可航半円の範囲といえども風雨は強いため警戒を要する。
WMOによる国際分類の定義では、日本の台風とは異なり、最大風速(1分間平均)が64ノット以上のものをタイフーン(typhoon)と呼ぶ。 同様の気象現象は世界各地にあり、それぞれの地方により呼び名が違う。国際分類では、大西洋北部・太平洋北東部・太平洋北中部では、ハリケーン(Hurricane)と呼び、インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部では、サイクロン(Cyclone)と呼ぶ。
参考HP バイオウエザーサービス お天気豆知識 Yahoo!天気情報
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