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梅開花 記録的遅さ
冬の冷え込みが厳しかった今年、梅の開花が遅れている。季節進行を調べる気象庁の「生物季節観測」によると、平年より20日前後遅れた所が多く、観測史上最も遅い記録を塗り替えた地点も。気象庁は「開花と気温には相関関係があり、寒かったことも一因」としている。
気象庁は3月1日、記録的大雪や寒気に見舞われた今冬(昨年12月~今年2月)の天候まとめを発表した。期間中の積雪は鳥取県大山町で初めて3メートルを超すなど、21地点で観測史上最大(過去タイ4地点含む)を記録し、過去10年では「平成18年豪雪」に次ぐ規模だった。
また、北日本(北海道、東北)と東日本(関東甲信、北陸、東海)、西日本(近畿―九州)の平均気温は3カ月連続で平年を下回った。平均気温が3カ月間連続で平年より低かったのは、東日本と西日本は26年ぶり、北日本は11年ぶりという。
冬期間の平均気温は、北日本は平年を1.3度、東日本は0.9度、西日本は0.7度下回り、同庁は北―西日本は「暖冬」と逆の「寒冬」と位置付けた。
同庁は(1)ラニーニャ現象の影響で偏西風が蛇行し、寒気が南下しやすかった(2)ロシア北西部・バレンツ海の海氷が少なかったためシベリア高気圧の勢力が増し、西高東低の冬型の気圧配置も強まった―と分析している。
また沖縄・奄美は寒気や気圧の谷の影響で日照時間が平年の52%にとどまり、地域別の統計を取り始めた戦後最短となった。(スポーツニッポン 2012年3月1日)今日は秋から冬の天気を追ってみたい。
秋雨前線~台風
夏を支配した太平洋高気圧が弱まり、大陸にある冷たい高気圧の勢力が強まってくると、「秋雨前線」が日本付近に現れ、日本列島の南岸まで南下してくる。年によっては8月下旬に秋雨前線が現れる。秋雨前線は太平洋高気圧の北側にできることでは梅雨前線と似ている。
しかし、太平洋高気圧の勢力は梅雨期と比べると衰えていて、南から秋雨前線に流れ込む水蒸気の量が少なくなっている。このため、秋雨前線の雨は全国的にしとしと降ることが多くなる。ときには強い雨を降らせることがあるので、注意が必要だ。2006年9月10日と11日には各地で激しい雨が降った。
秋は、特に9月は大型の台風が日本に来襲することが多く、昔から「二百十日」「二百二十日」などと恐れられてきた。大きな被害がでている洞爺丸台風や伊勢湾台風は9月に来襲している。1991年9月の台風19号は、りんご台風と呼ばれる風台風で、青森などリンゴの産地に大きな被害をもたらした。2004年9月の台風18号は、広島で60.2m/s、札幌で50.2m/sなど、各地でこれまでの記録を更新する最大瞬間風速50m/s以上の猛烈な風を観測した。
移動性高気圧~木枯らし
秋は春と同じように大陸から高気圧が移動してくるため、低気圧や気圧の谷と高気圧が交互に通過する。このため、低気圧や気圧の谷と高気圧が東西に順序良く並んでいることがある。日本列島が大陸から移動してきた高気圧に覆われている。高気圧の西側と東側に低気圧があり、高気圧や低気圧が東西に並んだ。
秋の「移動性高気圧」は乾燥した澄んだ空気を運んでくるため、快晴状態となることが多く「天高く馬肥ゆる秋」などと言われる。秋の移動性高気圧の動きは速く、気持ちのよい晴れも1~2日程しか続かないことが多く、「女心と秋の空」などと言われる。の21日に華中にある低気圧が東に移動し、24日に低気圧を含む気圧の谷が日本付近を通過している。雨は22日に西日本から降り出した。
秋が深まると、日本付近を通過する低気圧が日本の東海上で急激に発達し、西高東低の冬型気圧配置になることがあり、「木枯らし」と呼ばれる北風を吹かせる。気象庁では、東京と大阪で晩秋になって最初に吹く木枯らしを「木枯らし1号」とし発表している。過去の統計(東京)をみてみると「木枯らし1号」は立冬の概ね前後10日間の間に吹くことが多い。
冬の気圧配置「西高東低」
冬はシベリア気団(シベリア高気圧)がユーラシア大陸北東部、つまりシベリア方面で発達する。その一方で北太平洋に大きな低気圧が居座る。このため西高東低の「冬型気圧配置」となり、日本付近は北よりの季節風が吹く。この季節風は日本海から水蒸気をもらい、日本海側に雪を降らせ、太平洋側に乾燥した冷たい風を吹かせる。冬型の気圧配置が強いと大陸東岸の沿海州の海岸近くから雲が出来て、日本海が筋状の雲で覆われる。
このような時は、日本海側では大雪が降る。季節風が強いと太平洋側にも筋状の雲が現れ、滋賀県や愛知県で大雪となることがある。そのため、東海道新幹線は京都あるいは米原と名古屋の間で徐行運転をするので遅れることがある。
冬型の気圧配置といえば西高東低であるが、大きく分けると2つのタイプがある。その一つが日本付近で等圧線が南北に並んだタイプで、山雪型という。もうひとつは、日本海北部に小さな低気圧があったり、気圧の谷が接近するなどして、日本海の等圧線が袋状に湾曲する場合。このような時は日本海側の平野部で大雪になりやすくなり、里雪型という。
冬型の気圧配置は時々お休みになり、移動性高気圧に覆われることがある。このような日は風も弱まり、ホッとする。いわゆる小春日和だ。特に日本海側に住んでいる人にとって、太陽の光を充分に浴びることができるのでなおさらだ。ただし、このような日は放射冷却が起こるので、朝晩は冷え込む。
太平洋側の積雪~春一番
シベリア気団の勢力が弱い年は低気圧の通過が多くなる。また、冬型がお休みになると高気圧だけでなく低気圧も通過する。低気圧が本州の南を通ると太平洋側に冷たい空気が流れ込み、太平洋側でも雪が降ることがある。2012年2月29日は、太平洋側で雪が降り、関東各地では大雪となった。東京都心でも、2センチの積雪を観測。東京では今シーズン2度目の積雪となった。
冬でもときには低気圧の通過で大雨が降ることがある。2006年1月14日には本州南岸を通過した低気圧により関東では雷を伴って激しい雨が降った。日本列島を挟んで日本海と太平洋側を通過する低気圧を「二つ玉低気圧」という。低気圧の通過により1月6日には岩手県宮古市で冬には珍しく1時間に54㎜の雨が降った。
2月の終わりから3月のはじめ頃にかけて、日本海に低気圧が入り発達することがある。日本付近は南よりの強い風が吹き、気温が上昇する。一時的に春のような気温となるので「春一番」と呼ばれる。しかも、春一番を吹かせた低気圧は日本の東海上で急激に発達するので、翌日は冬型の気圧配置になる。
日本海側で低気圧が発達すると暖かい空気が流れ込むので山岳地帯では積雪のある雪崩に対する注意が必要。冬型になると新雪が積もるので、やはり積雪のある山岳地帯では雪崩に対する警戒が必要になる。 (バイオウエザーサービス)
参考HP バイオウエザーサービス お天気豆知識 Yahoo!天気情報
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