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近くて遠い惑星「水星」
水星は太陽系の惑星の中では最も小さい。例えば赤道面での直径 4,879.4km は地球の38%に過ぎない。水星よりも大きな衛星は木星のガニメデと土星のタイタンがある。水星の・太陽からの平均距離は5,791万km、大きさ(赤道半径)は、2,440km、質量は、地球の0.05527倍、平均密度が5.43g/cm3、公転周期87.969日、自転周期58.65日である。
水星の特徴として 固有磁場がある。太陽系内の惑星のなかで地球に次いで密度の高い水星は、その直径の3分の2から4分の3にもなる巨大な核があると考えられている。水星は最も小さな惑星であり、そのため急速に冷えていくため内部は固体であると考えられていたが、マリナー10号によって微弱ながら水星固有の磁場が発見され、その後の観測より、液体の核をもつ可能性が示唆されている。
なぜ水星のような小さい惑星で核が溶けたままいられるのか、大きな謎となっている。現在運用中の水星探査機「メッセンジャー」などの観測によりその謎が明らかにされてゆくことが期待される。メッセンジャー (MESSENGER) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画の一環として行われている水星探査ミッション、及び探査機の名前である。
2011年3月18日、メッセンジャーが水星の周回軌道に入ってから、およそ1年が経った。どんなことがわかったのだろうか?
水星の磁場
探査機「メッセンジャー」の観測から、水星の磁場や水の存在の可能性に関する研究成果が明らかになってきている。
探査機「メッセンジャー」は、2011年3月18日に水星周回軌道に投入され、水星の表面組成・磁場構造などの解明や全球図作成を目的とした科学観測を行っている。その観測成果が、米テキサス州で19日から23日まで開催中の「第43回月惑星科学会議」で発表された。
水星は地球と同じように、南極と北極に極を持つ双極子磁場を持っていることがわかっている。「メッセンジャー」の定期的な観測により、この惑星磁場の大まかな理論モデルと観測が一致することがわかった。
またこのモデルと観測結果を比較した差違として、表面地形に由来する地殻磁場を抽出した。この磁場は、地形形成の歴史や、過去にどのような磁場が存在していたかを探るのに重要となる。
その結果、過去において地殻磁場は現在よりも強く、逆向きであった可能性があることがわかった。またダイナモ理論による惑星磁場も長い間存在していたと考えられる。
水星表面の化学組成
メッセンジャーはガンマ線検出器を搭載しており、水星の地表にあるカリウムやトリウム、ウランなど放射性同位体を持つ元素濃度のほか、宇宙線を利用することでケイ素やカルシウムの濃度も測定することができる。
最初の6か月間の観測で北半球のデータが得られた酸素やケイ素の濃度は、どこを見てもそれほど大きくは変動していなかったが、カリウムは緯度によって3倍以上もの差があることがわかった。
このようにカリウムが多い場所は月の海などで見られ、ある程度関係があるかもしれない。地形と対応させてみると山の領域(画像中高緯度で灰色で囲まれている領域)にはカリウムが多く、カロリス盆地(画像中右側の灰色で囲まれている領域)など天体衝突などによって高温を経験したことのある領域ではカリウムの量が少ないことがわかった。
カリウムは比較的蒸発しやすく、また水星の外側ではカリウムが多いことから、水星全体でカリウムがどのように分布しているのかを調べる上で非常に重要な情報になると考えられる。
極に水は存在するか?
水星の極域にはレーダーで明るく光るクレーターが存在しており、そこに月と同じく太陽の光が全く当たらない永久影があって氷が残っているためではないかと言われている。その中で北緯65~83度、東経30~90度の領域で表面の温度がどうなるかを計算し、氷やアンモニア、硫黄などが蒸発する温度になるかどうかを調べた。
その結果、表面の温度は氷が存在するには高くなりすぎるが、10cmも下にもぐれば、数十億年は安定して氷が存在し続けられることがわかった。衝突などで供給される炭化水素は氷よりも少し高い温度でも存在することができるため、水星の表面には氷の上に炭化水素を多く含んだレゴリス(細かい砂のようなもの)が存在している可能性がある。(アストロアーツ 2012年3月23日 LPSC2012)
参考HP Wikipedia メッセンジャー アストロアーツ 周回開始から1年、水星探査メッセンジャーの成果
MESSENGER Web Site http://messenger.jhuapl.edu/
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