世界最大のワニ、ギネス認定
 体長6メートル17センチの“ロロン(Lolong)”と名付けられたイリエワニが、捕獲されているワニとしては世界最大であるとギネス世界記録に認定された。この巨大なワニは人間を襲い、2人の命を奪ったのではないかと疑われている。2011年9月にフィリピンのブナワン地区で捕獲された。
 
 ロロンは現在、新しく作られたブナワン・エコパーク研究センター(Bunawan Eco-Park and Research Centre)で保護されている。ワニ学者のアダム・ブリトン(Adam Britton)氏がここで計測を行った。ギネスはこのほど、ブリトン氏を含む複数の専門家によるデータに基づいて世界記録を認定した。
 
 ブリトン氏は当初、大きさの記録更新に慎重な姿勢だったが、ギネスの発表を受け、自身のブログの中で「私の中の懐疑心をも驚かせた」ロロンにお祝いを言いたいと書いている。
 
 「20フィート(約6メートル)を超えるワニを自分の目で見ることがあるとは思わなかった。簡単には忘れられない体験だ」とブリトン氏は言う。ブリトン氏は、ワニ類に関する研究とコンサルティングを行うオーストラリアの組織ビッグ・ゲッコー(Big Gecko)の責任者だ。

Giant-crocodile

 これまでの大きさの記録は、オーストラリアで捕獲されたイリエワニの5.48メートルだった。体重が1075キロあるロロンは、大きさの記録を塗り替えただけでなく、フィリピンのワニの保護にも大きな影響を及ぼすかもしれないとブリトン氏は話す。

 たとえばフィリピンの上院は最近、イリエワニとミンドロワニを保護する法律を強化する決議を行った。ミンドロワニは、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧IA類に分類されている。ブリトン氏はブログに「これは素晴らしい前進だ」と書いている。(Christine Dell'Amore for National Geographic News July 3, 2012)

 過去最大? フィリピンで巨大ワニ捕獲
 今回のワニ、フィリピン、ミンダナオ島のブナワンで2011年9月4日、3週間に及ぶ追跡の結果、生け捕りにされた巨大なイリエワニだ。AP通信によると、ワニの体長は6.2メートルもあり、フィリピンで捕獲されたワニのなかで過去最大だといわれていた。

 体重は1075キロにも及び、複数の人間を攻撃して2人を死に至らしめた疑いがある。ロロン(Lolong)と名付けられた巨大ワニは生きたまま捕まり、ブナワン地区近くのコンスエロ村に設けられた臨時の囲いの中に保護された。

 今回、過去に捕獲されたなかで、ロロンが最大のものであることが確認された。これまでのギネスブックの記録では、オーストラリアで捕まった体長5.48メートルのイリエワニが最大だった。

 ナショナルジオグラフィック チャンネルの番組「バー教授の最も危険な調査隊」で司会を務める爬虫両生類学者のブレディ・バー氏は、今回のワニが人を襲った犯人かどうかについては、そのワニを殺して開腹してみない限り判断できないという。現地当局は飲み込んだものを吐き出させたが、人間の体組織は出てこなかった。

「ワニを殺さなかったのは素晴らしい。そんなことはめったになく、賞賛に値する」とバー氏は述べた。(National Geographic News September 7, 2011)

 ワニのなかまは3科に分かれる
 ワニはもちろん「爬虫類」のなかまである。しかも、現在「爬虫類」の中で最大の動物だ。したがって今回発見されたワニは、爬虫類としても最大の大きさ。さて、ワニは何種類あるのだろうか?

 答は「30種類」。伊豆熱川のワニ園では絶滅の危機に瀕している貴重な世界のワニを24種類(亜種・交配種等を含む)約200頭飼育しており種類のコレクションでは世界一。ワニ園の他にも分園には大きなワニの放流池があり、植物園にも子ワニがいる。

 さて、30種類あるワニのなかまは、大きく分けると3つの科に分かれる。それぞれ何というなかまだろう?

 答は「クロコダイル」、「アリゲーター」、「ガビアル」の3科である。この3つに分類するのが一般的だが、クロコダイル、アリゲーターの2種に分ける専門家もいる。

 ワニ園で特にめずらしいのは、「クロコダイル科、イリエワニのアルビノ種(白いワニ)」と世界的にも希少な「ガビアル科、インドガビアル」。必見の価値がある。

 ガビアル科はインドガビアル1種のみで、魚を捕らえるのに適した細長い口(吻=ふん)を持ち、非常に特徴がある。また成体の雄は鼻が大きく膨らみ、雌と簡単に区別できるようになる。ワニの場合、外見で雌雄の区別ができるのは本種のみである。

 アリゲーターとクロコダイルを比較すると、ワニの頭を上から見て、口先の丸みがかっているのがアリゲーター科、細くとがっているのが、クロコダイル科である。

 またワニの口を横から見て、下顎の第4歯が上顎の穴に収まっているのがアリゲーター科、牙のように外に出ているのがクロコダイル科。だからクロコダイル科のワニの方が凶暴な顔に見える。

 ワニはどの種をとっても危険だが、その中でも比較的温和なのがアリゲーター、極めて獰猛なのがクロコダイルである。これはクロコダイルの方が脳の容積が多く、頭が良いからだと言われている。アリゲーターでも人を襲うことはあるが、今日「人喰いワニ」として恐れられているのは、大きさが6mにも達するイリエワニやナイルワニで、ともにクロコダイル科に属している。

参考HP National Geographic news:世界最大のワニ、ギネス認定 アイラブサイエンス:温泉熱利用の伊豆熱川、バナナワニ園

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