ダニ媒介の新感染症すでに3人死亡確認
 世の中には、まだまだ知られていない感染症が多数存在する。

 厚生労働省は1月30日、ダニが媒介する新種の感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、山口県内の成人女性が死亡したと発表した。原因となるSFTSウイルスは2011年に特定されたばかりで、国内で感染により患者が死亡したと確認されたのは初めてのことだった。

 このウイルスSFTSは、2009年ごろに中国で発生が報告され、致死率は12%程度と推定される。死亡した女性は、野山に生息するマダニの一種にかまれて感染したとみられる。今のところ有効な治療薬やワクチンはない。

 この女性は、昨年秋に発熱や下痢などの症状が出て白血球や血小板の数が低下し、約1週間後に死亡したという。国立感染症研究所(東京都)で患者の血液を調べたところ、SFTSウイルスが見つかった。患者には最近の海外渡航歴がなく、持病などもなかった。国内でダニにかまれ、感染したとみられる。厚労省は30日、類似の患者を診察した場合の情報提供を、各都道府県に要請した。


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 その後、都道府県からの報告があり、2月13日厚生労働省は、愛媛県と宮崎県の成人男性2人も昨秋、この感染症によって死亡していたと発表した。共に少なくとも最近の海外渡航歴はなく国内で感染したとみられる。

 宮崎県の発表では、同県の男性は山に出掛けることがあった。下痢や下血の症状が出て入院し、発症の10日後に死亡した。愛媛県によると、同県の男性は全身倦怠(けんたい)や発熱、下痢で入院し、発症の16日後に死亡した。

 ウイルスの遺伝子は、2009年ごろに発生が報告された中国のものとはわずかに異なっていた。厚労省は日本に存在していたウイルスの可能性が高いとみている。

 厚労省によると、都道府県から同様の症状の事例報告が9件あり、検査した4件のうち2件からウイルスを検出。残り5件の検査を進めている。マダニの活動は春から秋にかけて活発になるため、同省は、生息するような場所へ行く時は肌が露出しない服を着用するなど注意するよう呼びかけている。(毎日新聞 2013年2月13日)


 ダニによる感染症“SFTS”には有効な治療法がない?
 2月13日、厚生労働省はマダニが媒介するウイルス感染症で、新たにふたりの死亡を確認したと発表した。症例は「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」。国内では山口県の成人女性が昨年秋に死亡したことが1月30日に初めて確認されており、これでSFTSによる国内の死者は3人となった。国立感染症研究所の西條政幸氏がこう話す。

 「SFTSは中国で2009年頃から発生が報告されていた感染症で、国内での確認は初。中国ではすでに200人の患者が報告され、致死率は10%を超えます」

 ウイルスに感染したら10人に1人が死に至る。決して看過できる数値ではないが、「感染経路やその生態については現時点では不明です」と西條氏は言う。

 日本で唯一のダニの民間研究施設である「馬原アカリ医学研究所」(徳島県阿南市)で、長年ダニ研究を続けてきた医学博士・馬原文彦氏は語る。

 「いま日本に生息するマダニは名称がついているものだけで47種類いますが、今回確認された新型ウイルスを持つと疑われているのはそのうちの2種、フタトゲチマダニとオウシマダニです」

 死を招く可能性のある“殺人ダニ”は現時点で2種。感染するとどうなるのか。

 「これに噛まれて感染すると、6日から2週間の潜伏期間を経て、発熱、嘔吐、多量の黒色便(下痢)、血尿といった症状が現れます。また、血小板数が著しく低下するのも大きな特徴です。体中の血が固まらなくなって止血不良、血尿といった出血症状を起こし、多臓器不全を併発する恐れもある。最悪は今回のように死に至るケースも……」

 感染した場合、有効な治療法はないのか。

 「SFTSは国内に前例がなく……長年、私もダニ研究に携わってきましたが、残念ながら現時点では有効な治療法が確立されていないと申し上げるほかないです」

 ダニが媒介する病原体に感染したときの典型的な症状としては、全身に紅斑が出る場合が多いという。そんな場合は、速攻で皮膚科へ駆け込んでほしい。(週刊プレNEWS 2013年2月14日)


 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは何か?
 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、中国において2009年頃より発生が報告され、2011年に初めて原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性疾患である。

 「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)」の症例

 昨年秋、山口県の患者は、発熱や下痢などの症状が出て白血球や血小板の数が低下し、約1週間後に死亡した。国立感染症研究所(東京都)で患者の血液を調べたところ、SFTSウイルスが見つかった。患者には最近の海外渡航歴がなく、持病などもなかった。国内でダニにかまれ、感染したとみられる。厚労省はその後、類似の患者を診察した場合の情報提供を、各都道府県に要請した。

 平成25年2月13日、新たに愛媛県と宮崎県よりそれぞれ1例ずつ報告があった旨発表された。

 厚労省が情報提供を求める患者の要件は、「38度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈する。 血小板減少、白血球減少、及び血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇がみられる。」

 「血小板(10万/mm3未満)、白血球(4000/mm3未満) で上記症状を呈し、集中治療を要する若しくは要した又は死亡した者。ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。」

 このウイルスSFTSは、2009年ごろに中国で発生が報告され、致死率は12%程度と推定される。死亡した女性は、野山に生息するマダニの一種にかまれて感染したとみられる。今のところ有効な治療薬やワクチンはない。


 まだある、恐ろしいダニ感染症
 今回の感染症、ダニが媒介するウイルスが原因だという。問題のダニはフタトゲチマダニとオウシマダニで、マダニの一種である。マダニは体長2~10ミリで日本でも自然が豊かな所にいる。家の中にいるイエダニとは別種だ。

 治療方法は、血圧の管理などの対症療法しかない。中国では抗ウイルス薬を投与した例があるが、効果は不明だ。予防法としては、通常のマダニ対策と同様に、肌が露出しない服を着て、屋外でかまれないようにすることが重要だ。

 調べてみると、ダニが媒介する感染症はこれだけではなかった。

 ダニ(蜱)は、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目に属する動物の総称である。世界で約2万種と言われている。比較的小型のものが多く、多くのものは1mm以下程度。このダニの仲間にマダニ(真蜱)は存在する。マダニは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目マダニ亜目マダニ科に属するダニの総称である。

 ダニに関係する病気としては次のようなものがある。

 ツツガムシ病・・ツツガムシリケッチアの感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、野ネズミなどに寄生するダニの一群であるツツガムシが媒介する。日本でも毎年死者がでる。

 ライム病・・・ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属のシュルツェマダニ(日本以外では、Ixodes ricinus(ユーラシア大陸)、Ixodes scapularis、Ixodes pacificus (北アメリカ大陸)群のマダニ)に媒介されるスピロヘータの一種、「ボレリア」 の感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ。感染症法における四類感染症。

 日本紅斑熱・・・ダニに刺されて日本紅斑熱リケッチアに感染することで高熱や赤い斑点、刺し傷が体にできる。1984年に徳島県で発見された新興感染症であり、2009年までの5年間に470人が発症、06年と08年には死者が出た。1999年から感染症法4類感染症。2007年から中国でブニヤウイルス科のウイルスをダニが媒介した病気により、30人以上死亡したと言われる。(中国での血小板減少症候群の流行)

 ロッキー山紅斑熱・・・1906年リケッツにより発見された初めてのリケッチア。マダニにより感染する。世界中に分布する。

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・・・2013年、重症熱性血小板減少症候群を引き起こすSFTSウイルスに感染し死亡する事例が国内で初めて発表された。症状は発熱、嘔吐、下痢などが現れる。マダニの一種にかまれ感染したと見られており、今後とも注意が必要である。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:マダニ 厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群


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