体臭の原因とは何か?
 体臭とは何だろう?体臭は、汗などの分泌物などが元となって体から発せられる臭いである。体臭の強さなどには個人差があり、また加齢に伴い独特の臭気が強くなることがあり加齢臭(かれいしゅう)と称される。なお、口腔から発せられる臭気は口臭(こうしゅう)と称される。体臭などを消すために、香水や、香(こう)などがつくられた。

 体臭と言っても、その発する部位は頭から口、わきの下、足など、全身のいたるところにある。そして臭いが発生する原因や、においの強さも様々だ。

 まず頭だが、頭皮の皮脂の酸化が進んだり、汗をかいて高温多湿となり細菌が繁殖することで臭いが出ることがある。髪の毛も、その構造上、においを吸着させやすくなっている。煙草を吸う人と同じ部屋にいたり、居酒屋を出た後などに髪の毛に臭いが残っていることはよくある。

 次に口の臭いだが、これは口臭と呼ばれるもので、食べたものによる臭いと、病気の症状として起きる臭いがある。例えば、腎臓、肝臓の病気や、虫歯、歯肉炎などが含まれる。

 腋の下の臭いというと「わきが」が浮かべる方が多いと思う。わきがは、単純に汗くさい臭いではなく、腋の下などにあるアポクリン腺という汗腺から出る汗の成分が空気に触れて変質し、細菌によって分解されて臭いが生じるものである。人間にはエクリン腺という汗腺もあるが、こちらは全身にあり、ここから出てくる汗に臭いはない。


 そして、足。足には上に述べたエクリン腺が多くあり、汗をよくかくようになっている。汗自体にはそんなに臭いはないのだが、靴の中という高温多湿の環境の中で繁殖した雑菌が汗や皮脂を分解し、臭いが発生してしまうのだ。

 また、自分で気にしている人は少ないが、耳にも臭いがある。特に乳幼児で耳のにおいや耳垂れがあり、それが中耳炎などの病気のサインである場合もある。このようにいろいろな体臭の原因、意味があることを知れば、自分にあった予防法、対策方法も見えてくる。


 体臭の原因と食べ物の関係
 体臭の原因は汗腺からからでる成分が問題だと言うが、汗自体には臭いはないという。なぜ汗が臭いの元になるのだろうか?

 体臭を引き起こすのは、アポクリン汗腺から分泌される脂肪や、皮脂腺から分泌される脂肪酸が原因となっていることが多い。中でも皮脂腺からの分泌物が臭いの原因となる場合、食事内容を改善することで体臭が軽減される場合がある。

 臭いの原因になる物質は動物性脂肪や動物性タンパク質などの代謝物。大腸まで送られたタンパク質は細菌によって腐敗し、色々な臭い物質を作り出す。悪玉菌であるウェルシュ菌や大腸菌によって分解されると、アンモニア、アミン等が作り出され、体臭や多くの疾患の原因となる。食事をする際には、臭いの素となる肉類(動物性タンパク質や脂肪)を控え、腸内の善玉菌を増やすことが重要である。

 また食物繊維を多く摂取して、においの素となる物質を排出することも大切。食物繊維は、便を作る最大要素であり、におい物質を自ら積極的に取り込み体外に排出してくれる。

 さらに、食物繊維は腸内でビフィズス菌などの善玉菌の餌になるので、結果としてタンパク質の腐敗を予防でき、大腸内で臭い物質が作られるのを抑制する効果がある。 また、善玉菌を育てるのはオリゴ糖だと言われるが、ゴボウや玉ねぎ、アスパラ、大豆などにもたくさん含まれている。食物繊維と合わせてとれるよい食品だ。

 このように、体臭を発生させないようにするためには、肉類を減らしたり、善玉菌を増やす食品を摂るなどの食生活の改善が大切だといえる。


 疲労臭の原因と対策・予防法
 体が疲れていても体臭を発するの疲労臭。これまであまり聞いたことはなかったが、どうして疲労と体臭が関係するのだろうか?

 身体が疲れてくると汗の中にアンモニアが出てくる。アンモニアは皮膚表面からガスとしても出ていく。このアンモニア臭が疲労臭だ。なぜ、疲れがたまるとアンモニアが汗やガスの中に出てくるのだろうか?

 そもそもアンモニアは、食事から摂ったタンパク質を分解するときや腸内細菌などにより体内で発生する。このアンモニアは、体にとって有害で疲労のもととなるため、肝臓で尿素に解毒され、体外に排出される。それにより、通常の健康な状態では体内のアンモニア量は低く保たれる。このように肝臓内でアンモニアを尿素に分解する代謝回路のことをオルニチンサイクルと言う。

 ところが、疲れやストレスで肝機能が低下すると、オルニチンサイクルの働きが鈍り、アンモニアを尿素に解毒できず、血液中のアンモニア量が増え、皮膚から出るアンモニアが多くなる。なので、疲労臭の予防のためには、肝機能を高めることが重要。

  最も効果を発揮するのが、最近話題のオルニチン。シジミに豊富に含まれるアミノ酸で、肝機能の改善や疲労改善効果などで知られている。ただ、オルニチンの必要な摂取量の目安は400~800mgとされ大量に食べる必要がある。なので、手軽にとれるオルニチン入りサプリメントなどを利用するのも効果的。

 また、クエン酸が、肉体疲労だけでなく神経疲労にも有効とされている。黒酢や梅干し、柑橘類に豊富に含まれているので、それらの食材を摂ることも効果的だ。

 「しじみ」には、体内で合成することができない必須アミノ酸をはじめ、20種類のアミノ酸がほとんど含まれています。なかでも、アラニン・グルタミン・タウリン・オルニチンは、大切な成分。

 さらに重要なビタミンB群(ビタミンB2、B12)が多く含まれている。女性の体に不足しがちなカルシウムと鉄、そして鉄との相性の良い亜鉛。健康に欠かせない成分としておなじみのカロチンやビタミンEも含まれている。

 このように「しじみ」は毎日の健康維持のために大切な働きをしてくれる。昔の人が「しじみ」をよく食べていたのにもちゃんと理由があったのだ。


 疲労臭対策には入浴が効果的
 汗のにおいや足のにおい…。「季節に関係なく自分の体臭が気になる」「しっかり体を洗っているのになぜかにおいが取れない」、若い世代には特にそんな悩みを持つ方が多いようです。そこで体臭の問題に詳しい五味クリニックの五味常明院長に、体臭を予防する体の洗い方についてお聞きしました。

 「体臭が気になるからといって体を石鹸でゴシゴシ洗ってしまうと、石鹸に含まれる界面活性剤の働きで善玉菌が過剰に洗い流されてしまいます。そうなると、反対に悪玉菌の黄色ブドウ球菌が増えて体臭の一因であるアンモニア臭が発生してしまうんですよ。乾燥肌の人は皮膚が傷つきやすくなっているので特に注意しましょう。一方オイリー肌の人も皮脂を必要以上に除去してしまうと、それを補うために脂が余計に分泌され、結局より強い皮脂のにおいが発生してしまいます。つまり、体を洗いすぎないことが体臭予防になるんですよ」

 においを気にして、洗いすぎてしまうことが裏目に出てしまうんですね。

 「はい。しかしこれは体の表面から出るにおいに限っての話です。最近、毎日忙しく働くビジネスパーソンの間で、『疲労臭』と呼ばれる体の内側から生じるにおいの悩みが増えています。体の疲れが溜まると、乳酸とアンモニアが血中に増加します。アンモニアは通常、肝臓のオルニチンサイクルで解毒されるのですが、疲労の蓄積やお酒の飲みすぎで肝臓が弱まると、解毒されきれずに汗腺に放出されてしまうのです。その結果、汗にアンモニア臭が生じて体臭がキツくなります。また、乳酸が分解されて生じるアルデヒド系の物質も、汗のにおいを強くします」

 加齢臭ならぬ疲労臭…。聞くだけで嫌な感じがしますね。日中においがしないようにするには、朝出かける前にシャワーをさっと浴びる程度がベストということになるのでしょうか?

 「体の内側から発生する疲労臭は、デオドラントスプレーや石鹸では消えません。実は朝シャワーを浴びるよりも、夜にゆっくり湯船に浸かる方がこの疲労臭を軽減できるのですよ。朝あわただしくシャワーを浴びて出勤しても疲れがしっかり取れておらず、汗の中のアンモニア濃度が減少する期間が少ないため、体臭が消えません。一方、湯船にゆっくり浸かって血液の循環をよくしてから眠ると、体内の乳酸とアンモニアが減少して体臭の原因が弱まった状態で翌朝を迎えられるのです」

 日中の体臭予防のためには、朝シャワーよりも夜風呂の方が効果的とは…こちらも驚きの事実ですね! でも、寝ている間にかいた寝汗が翌日におってしまうことはないですか?

 「乳酸とアンモニアが減少していれば、寝汗からキツいにおいが発生する心配はそうそうありません。入浴後、1時間ほど時間を空けて体温を下げてから眠れば、寝汗を減らせますよ」

 一日働いた疲ればかりでなく体臭の元まで減らせるなんて…。これはシャワー派の方も湯船派に乗り換えたくなる話ですね。(富永玲奈 web R25 2月9日)


参考HP Web R25:疲労臭対策には夜風呂 汗臭さの原因と対策・予防法:疲労臭の原因と対策・予防法


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