温州みかんの産地はどこだろう?
 温州みかんは「おんしゅう」でなく「うんしゅう」と読む。「温州」とはどこだろう? 愛媛は伊予、和歌山は紀州、宮崎は日向だ。温州の“う”の字も出てこない。

  調べてみると意外や意外。温州は、中国の東シナ海に面した浙江省(せっこうしょう)にある市の名前。日本ではなく中国の地名だった。 温州は、中国では「ウェンジョウ」と発音されており、それが日本で「うんしゅう」と読まれるようになったらしい。

 しかし「温州みかん」は国産である。JA和歌山県農の広報担当者に聞いてみた。「このみかんは、浙江省の温州が柑橘産地であることも手伝ってか、中国原産と思われがち。しかし実際は、鹿児島県の長島地域が発祥の地だといわれています。中国の『橘録』という書物で、温州のみかんを褒める記述があり、温州みかんはそれにちなんで付けられた名前のようです」

 なるほど、温州みかんは柑橘類の名産地である「温州」にあやかって付けられた名前だった。ちなみに欧米では、このみかんを原産地である鹿児島にちなんで、「サツマオレンジ」「サツママンダリン」と呼んでいるという。

 今回、ユニチカが「温州みかん」から抽出した「β-クリプトキサンチン」の摂取が、軽度高尿酸血症のヒトにて、血中尿酸値の低下作用を示す結果を得たと発表した。

 温州みかんの「β-クリプトキサンチン」は先日このブログでも、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防できる効果のあることを取り上げたが、ミカンを黄色くする色素であるβ-クリプトキサンチンが、骨粗鬆症だけでなく、痛風にも効くとは、私のような痛風の人には朗報である。


 温州みかん由来成分が尿酸値を低下させる
 ユニチカは3月26日、温州みかん搾汁残さから抽出したβ-クリプトキサンチンの摂取が、食餌性の高尿酸モデルラットおよび軽度高尿酸血症のヒトにて、血中尿酸値の低下作用を示す結果を得たと発表した。同成果の詳細は「日本農芸化学会2013年度大会」にて発表された。

 β-クリプトキサンチンは、温州みかんやパパイアなどに多く含まれる橙色の色素で、ニンジンに多く含まれるβ-カロテンや、トマトのリコペンなどと同じカロテノイドの1種。日本の固有種である温州みかんに特異的に多く含まれている。

 また、尿酸は食物から取り込まれるほか、遺伝情報であるDNAを構成するプリン体を体外に排出するために変化した物質で、腎臓でろ過され、尿とともに体外に排出されるほか、アルコールが体内で分解される際にも尿酸が産生することが知られている。そのため、血中尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くと、尿酸が関節などで結晶化し、痛風を引き起こすほか、心疾患や脳血管疾患などを引き起こす生活習慣病のリスク因子になることが近年の研究から報告されるようになってきている。

 今回の研究では、こうした尿酸値を摂取するだけで低下できる食品素材の開発に向けて行われたもので、粉末タイプと乳化タイプのβ-クリプトキサンチンを用いて血中尿酸値への影響の確認を行ったという。


 ラットにおける実験方法と結果
 具体的には、プリン体の1種であるイノシン酸を添加した飼料を20日間摂取させた食餌性高尿酸モデルラットを作製。同ラットは、イノシン酸を通常飼料に1%添加することによって、通常飼料を摂取させたラットに比べ、血中尿酸値が有意に上昇していることが確認されたが、イノシン酸と同時にβ-クリプトキサンチン(粉末タイプ)をβ-クリプトキサンチンとして0.02%となるように通常飼料に配合し、摂取させたところ、尿酸値の上昇抑制が観察され、通常飼料を摂取しているラットと同程度まで血清尿酸値が低下することが判明したという。

 この結果を受けて、尿酸値低下作用の作用機序解明に向け、ラット腎臓における尿酸の排出・再吸収に関与している遺伝子の発現量解析を実施したところ、尿酸の再吸収に関与していると考えられるURAT-1の発現量がβ-クリプトキサンチンの摂取によって通常飼料摂取のラットと同程度まで正常化することが判明。これにより、イノシン酸投与により過剰発現したURAT-1の発現量を、β-クリプトキサンチンが正常化し、尿酸の尿中への排出を促進することで血中尿酸値を低下することが示唆されたと研究グループは説明する。


 人における臨床試験と結果
 また、現在治療などで薬剤を摂取していない成人男性9名(42.9±6.7歳、BMI=23.9±1.8)の軽度高尿酸血症患者(血中尿酸値が7.0mg/dl以上)を対象にした臨床試験では、β-クリプトキサンチン(乳化タイプ)を配合した100mlの試験ドリンク(β-クリプトキサンチンとして0.2mg/100ml)を1日1本、6カ月間摂取してもらったところ、血清β-クリプトキサンチンは上昇した一方、尿酸値は摂取とともに徐々に低下し、4カ月以降は有意に尿酸値の低下が認められたという。ちなみに、この尿酸値低下作用は、元々の尿酸値が高い被験者ほど顕著であったという。

 この試験では、開始前と試験ドリンク摂取2カ月ごとに、血清β-クリプトキサンチン、血清尿酸値、肝機能マーカー(γ-GTPなど)、心血管マーカー(CPK、LDH)、血清脂質(T-Cho、TGなど)の測定と、アンケートが実施されているが、各種生化学マーカーなどにはまったく影響が見られなかったという。

 すでに研究グループは、別の検討によりβ-クリプトキサンチンを含む試験ドリンク(β-クリプトキサンチンとして0.25mg/100ml×2本/日)の12週間摂取によって、メタボリックシンドロームの発症因子である内臓脂肪の低減作用があることを明らかにしており、今回の結果と合わせて、β-クリプトキサンチンの摂取が総合的なメタボリックシンドロームの予防・改善作用を期待することができるとコメントしている。(マイナビニュース 2013/03/27)


 骨粗鬆症予防にミカン 黄色い色素が骨を増やす
 ミカンをよく食べると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防できることが、果樹研究所の杉浦実主任研究員らの研究でわかった。ミカンを黄色くする色素であるβクリプトキサンチンが、骨を増やしたり、減少を抑えたりしていると考えられる。

 骨粗鬆症は、骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状だ。患者の8割は女性である。ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降の女性に多く、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が、患者になっている可能性があるとされる。初期段階に自覚症状はなく、骨折して初めて気付くケースも少なくない。

 原因としては性ホルモン・加齢以外にもある。運動の習慣がないこと、骨形成に欠かせないカルシウムを不足させる動物性たんぱく過多の食事、ビタミンDの不足した食事、カフェインの摂り過ぎ、過剰なアルコール摂取などが、食事面における危険因子となる。他には喫煙も危険因子だ。

 対策としては、運動と食物の内容が重要である。砂糖や動物性食品はカルシウムを奪う「骨泥棒」とされ、骨粗鬆症の予防のためアルカリ性食品を摂取する。酸性体質は骨を溶かしもろくする。野菜と果物を多く食べた子供は尿中のカルシウムの排出量が少なかった。野菜と果物の摂取量が多いほど骨密度が高いという研究結果が老若男女それぞれにある。

 果樹研究所の杉浦実主任研究員らが温州ミカンの産地の一つ、浜松市の三ケ日町地域で行ってきた研究で、ミカンを多く食べる女性に骨粗鬆症の患者が少ない傾向がわかっていた。

 今回、この地域の閉経後の女性212人で、βクリプトキサンチンの血中濃度と骨粗鬆症の関連を調べたところ、ミカンを毎日4個食べることに相当する血中濃度の人は、ミカンを食べない日がある人よりも、骨粗鬆症にかかるリスクが92%低いことがわかった。

 果物などに含まれる色素の骨粗鬆症予防効果が明らかになったのは世界で初めてという。(朝日新聞社 2012年12月22日)


 β-クリプトキサンチンとは?
 β-クリプトキサンチン(β-cryptoxanthin)は、天然に存在するカロテノイド色素の一つである。ホオズキやみかん、オレンジの皮、パパイヤ、卵黄、バター、リンゴ、ウシの血清など多様なところから単離される。

 分子構造はβ-カロテンに似ており、その片方の環にヒドロキシル基が一つ置換している。炭素と水素以外の元素を含むためカロテノイドのうち、キサントフィルに属する。 純粋なクリプトキサンチンは金属光沢を有する赤色の結晶である。クロロホルムやベンゼン、ピリジン、二硫化炭素に易溶。

 ヒトでは、β-クリプトキサンチンはビタミンA(レチノール)に変換されるためプロビタミンAと見なされている。他のカロテノイドと同様に、β-クリプトキサンチンは抗酸化物質としてフリーラジカルによる酸化的損傷から細胞およびDNAを保護していると考えられている。(Wikipedia)

 かんきつ類は、免疫力を強くしたりストレスを和らげるビタミンCが豊富に含まれることで知られる。健康面で見ると、温州ミカンには、他のかんきつ類にはない成分が含まれている。そのひとつが、風邪予防によいシネフィリンという成分。そして、最近注目されている成分「β-クリプトキサンチン」である。

 βクリプトキサンチンは、ミカンの黄色成分であるカロテノイド。カロテノイドとは、動植物に含まれる赤~黄色の天然色素の総称で、抗酸化力が強く美容やがん予防に効果的な成分として知られている。身近なところでは、にんじんに多いβカロテンやトマトに多いリコピンなどと同じ仲間である。

 独立行政法人 農業技術研究機構の果樹研究所カンキツ研究部が行った試験管内実験や、動物実験による研究の結果、βクリプトキサンチンは、βカロテンに比べてはるかに強い発がん抑制効果があることがわかった。とくに大腸がんの予防に役立つと考えられ、同研究部では、今年から人を対象にした臨床試験を始める予定だ。

 もうひとつ、βクリプトキサンチンが威力を発揮しそうな病気が、骨粗しょう症である。ネズミを使った実験では、骨量が増えたとの報告もあり、骨形成を促す成分としては、これまで最も多いとされてきたビタミンK2よりはるかに強力である。

 βクリプトキサンチンの特徴は、1日でその作用が消える他の食品成分と異なり、2ヵ月以上も影響が続くこと。冬場に食べたミカンのβクリプトキサンチンが、春も体を守ってくれるというわけだ。日本人、とくにミカン好きの人は、欧米人と比べて血液中のβクリプトキサンチン濃度が高いとも言われている。


参考HP Wikipedia:β-クリプトキサンチン マイナビニュース:温州みかん由来成分が尿酸値を低下させる helthクリック:冬の定番みかんはこんなにスゴかった!


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