パワー10倍!マグネシウム電池
マグネシウムを新しいエネルギーとして活用することを、矢部孝東工大教授が提唱している。理科の授業では、リボン状にしたマグネシウムを燃焼させる実験を行うが、そのとき発生する「熱と光」には驚かされる。これを利用してタービンを回せば発電できる理屈だ。
そして、マグネシウムは海水中に大量に存在する。たとえば 10t の海水からは 13kg のマグネシウムが採れるという。矢部教授は、太陽光レーザーを使ってマグネシウム化合物を精錬して取り出せば、リサイクルでき、経済的にもエネルギーとして利用可能になると主張している。
一方、東北大学の小濱教授が開発した、マグネシウム燃料電池がすごい。この電池、 ー極にはマグネシウムを使うが、+極には空気中の酸素を使い、電解液として食塩水を使うからコストがかからない。さらに電力がこれまでの10倍になった。
空気が+極というとピントこないが、理科の実験で行う備長炭電池。この-極がアルミニウム、+極が空気である。
また、マグネシウムは酸と反応しよく溶け、アルカリ中では皮膜ができてしまうので、制御が難しかった。しかし、マグネシウムにカルシウムを混ぜることで安定して電力を供給できることを発見!この電地、3週間も回り続け、これまでのものの約10倍も電力があった。
反応後にできる、水酸化マグネシウムは、矢部教授の太陽光レーザーを利用して、マグネシウムが再生できる。
塩水で発電!マグネシウム燃料電池でエネルギー循環型社会へ
2013年3月10日NHKサイエンスZEROで放送した、「パワー10倍、マグネシウム電池」は凄かった。(サイエンスZERO「マグネシウム電池」)
マグネシウムにカルシウムを混ぜることで、安定した電池になったことに驚いた。通常はマグネシウムもカルシウムも反応しやすい物質だからだ。
開発したのは、東北大学・未来科学技術共同研究センターの小濱教授。原発を前提としたリニアモーターカーのようなエネルギー大量消費でない、自然エネルギーだけで動く高速輸送機関の研究を続けていた小濱教授が、塩水で発電するマグネシウム電池を開発した。
地球上にたくさんあるマグネシウムを使って発電し、使用済み燃料は触媒を使って元のマグネシウムに戻すことができ、エネルギー循環型社会の実現が見えてきた。もうウランも石油も石炭もダムもなくて発電できる。
マグネシウム燃料電池はエネルギー問題に対してどのような意味を持つのか?東北大学の小濱教授は言う。
「これまでは経済発展のために原子力発電は仕方がないことだ、というのが国全体の方針だった。このような方針の前提は、電気は貯められないものだという主張である。だが、私のMg燃料電池は、太陽エネルギーをMgの形に貯めることができる。Mgはモノだから、輸送も可能だ。送電線で長距離送電する場合と異なり、効率低下もない。」
「これからは“燃料を作る時代”に入ったということを主張したい。化石燃料や原子力はもう50年もたない。その後は燃料物質を作るしかない。ちょうど食料を調達するために、当初は直接採取だったものが生産(農業)に変わっていったようなものだ。」
燃料を作る際、太陽エネルギーを利用すれば、Mgを作り出して消費しても、元のMgに復元できる。このようなサイクルを成り立たせる研究を続ける。(マグネシウムが変えるか、日本のエネルギー問題 - MONOist(モノイスト) - http://bit.ly/WOYvQg)
石炭火力発電所がマグネシウム発電所になる
海水に豊富に含まれるマグネシウムをエネルギーとして利用しようという構想を提唱する学者がいる。東京工業大学の矢部孝教授だ。ここで、東京工業大学の矢部孝教授に行き当たった。
現在の精錬方法ではコストが高すぎて燃料としての利用は現実的ではない。矢部教授は、太陽光レーザーを使ってマグネシウム化合物を精錬して取り出せば、経済的にもエネルギーとして利用可能になると主張。
マグネシウムは燃焼時に二酸化炭素を排出しないので、燃料として利用すれば温暖化対策としても有効だ。また、海水には無尽蔵ともいえる量のマグネシウムが含まれている上、リサイクルが可能なので資源の枯渇問題も解決する。再生可能なエネルギー利用の新しい仕組み、「マグネシウム循環社会」を同教授は提唱。
矢部教授は自身で会社も設立しており、淡水化装置と太陽光レーザーによるマグネシウム精錬の事業化に乗り出す計画だ。同教授の意向により具体的にここで説明することは出来ないが、ある国の有力企業の資金支援を受け、海外で事業展開する。
「まずは、海水の淡水化です。日本では逆浸透膜方式が主流ですが、これは莫大な電力が必要。私はエレクトラというベンチャー企業を立ち上げ、ほとんどエネルギー不要の淡水化を実践しています(すでに数カ国から国レベルで採用された。詳細は企業秘密)」
「クロムとネオジムという金属を触媒にして太陽光線を当てると、レーザー光線が出ます。これを塩化マグネシウムの直径1㍉の一点に当てると2万度の超高温となり、0コンマ数秒でマグネシウムが精錬できます。これを発電に使うのですが、たとえば10㌧の海水からは13㌔のマグネシウムが取れ、標準世帯一か月分の電力をカバーできます」
マグネシウムの精製にも太陽エネルギーのレーザーが使われるし、酸化マグネシウムとマグネシウムのリサイクルにも太陽エネルギーのレーザーが使われる、ということ。さらには、沖縄で実証実験が行われることが記されている。
「あとは資金繰りだけなのですが、矢部教授は、近いうちに、沖縄県宮古島で、海水の淡水化、太陽光励起レーザー装置を5000台設置してのマグネシウム精錬という、総合的な実験に挑みます。
「できた淡水は地元の医療施設やホテルなどに供給します。また、当面は、淡水とマグネシウムを売って収益を得ることを目指します。マグネシウムは携帯電話やパソコンにもまだまだ需要がある。ここで必要な資金をため、2025年までに発電を目指したい」(新潮45 2011年 12月号)
空気マグネシウム電池
空気マグネシウム電池、マグネシウム・空気電池、またはマグネシウム燃料電池は空気電池および燃料電池の一種であり、負極に金属マグネシウムを使用し、正極に空気中の酸素を使用する。電解液としては食塩水が利用される。
研究および市販化の技術はMagPower Systemsにより公開されており、90%の効率および-20~55℃の環境下での動作が可能としている。
国内では埼玉県産業技術総合センターの栗原英紀博士が活物質重量比90%以上の実容量での放電に成功している。 負極の放電容量は2000Wh/kg。
自己放電を防ぐために電解液をアルカリ性にすると、マグネシウムの表面と反応して不動態になってしまう。また余分な熱も発生する。 発生する水酸化マグネシウムが電解液に溶解しやすくするための補助剤を加えることで回避する(記事上では具体的な物質名は公表されていない)
小濱泰昭率いる東北大学エアロトレイン開発チームはエアロトレインに使った難燃性マグネシウム合金(マグネシウムにカルシウムを混ぜた合金)を海水に浸して電池を作る実験をしたところ、従来よりはるかに長く電気が発生する事を発見した。これはマグネシウムとカルシウムが不動態の原因となる水酸化物イオンを奪い合い続けるため、水酸化物イオンが結びつく相手を変えた瞬間に電極のマグネシウムが溶け出す現象が起こるからである。
現状で反応(放電)速度を制限しているのはマグネシウムのイオン化速度ではなく酸素の吸収速度であり、大電流を取り出すためにはより高効率な酸素の吸収を行える空気極の開発が必要である。
使用済みマグネシウムの再生
電池の放電によって生成される水酸化マグネシウムは安定した物質であるため金属マグネシウムにリサイクルすることは容易ではない。触媒とともに真空中で約2200℃に加熱することにより還元できるため、小濱教授は太陽炉によるマグネシウムリサイクルを提案している。
このような太陽熱によるマグネシウムの再生は、ピジョン法に代わるマグネシウムの生産方法として、昔から研究されてきており、すでに1995年にMurrayらは太陽熱と炭素還元剤を使用した実験を行っている。彼らは2234度の高温を30分間持続させて、マグネシウムの再生に成功しているが、生成マグネシウムの割合はわずか9%であった。
このように、太陽だけを利用する場合には、あまりにもマグネシウム生産量が少なく、実用には無理であるとの試算もあり、実用化に至っていない。大量に発生するマグネシウム蒸気の、光を導入する窓への付着や、炭素還元剤を使用した場合に発生する二酸化炭素等々の問題により、単純な太陽炉でのエネルギー循環は、まだ未解決の部分が多い。
これに対して、東京工業大学の矢部教授らは、太陽光から生成されたレーザーや、自然エネルギーから得られる可能性のある半導体レーザーを用いたマグネシウム再生を提案しており、従来のピジョン法の約4倍の効率を実験により実現している。
ここで、このような巨大なエネルギーがどうして必要なのかを示す。1gの酸化マグネシウムを4000度にするために必要なエネルギーは4kJだ。これに対し、ピジョン法では、1gのマグネシウムを作るために10gのコークスを使っている。
この熱量は300kJである。逆に、1gのマグネシウムが発するエネルギーは25kJなので、このエネルギーを与えないとマグネシウムができないことも当然である。これからも、ピジョン法がいかにエネルギー効率が悪いかわかるだろう。もっと大事なことは、マグネシウムを再生するためのエネルギーは酸化マグネシウムを4000度にする4kJよりもはるかに巨大なエネルギーが必要なことである。
これは、酸化マグネシウムをマグネシウムに分解するエネルギー、マグネシウムを蒸発するエネルギーが余分に必要だからである。だから、4000度に加熱した後も、その5倍以上のエネルギーを与えないとマグネシウムが生成できないのである。
マグネシウム循環社会構想
マグネシウムを用いてエネルギーを貯蔵し、これを電池や発電に使い使用済み燃料を太陽光等の自然エネルギーを用いて元のマグネシウムに戻すことにより、自然エネルギーを貯蔵するという「マグネシウム循環社会」構想は、2006年に東京工業大学の矢部教授によって提案された。
さらに、2007年には、矢部らによって自動車等の利用に燃料取り換え可能のマグネシウム電池が提案され、これはマグネシウム燃料電池と名付けられている。
2012年には、この燃料型マグネシウム電池の特許が成立し、実用化に向かって大きく前進している。この電池はフィルム型マグネシウム電池と呼ばれており、蒸着されたマグネシウムフィルムを、テープレコーダーのように巻き取りつつ発電してゆくものである。
フィルム型の利点は、高効率であること、使用していない状態でのマグネシウムの劣化がなく、長時間の停止状態からすぐに再開できること、熱暴走などにより電池全体が損傷したり火災の危険などの問題のないことなど、多くの特徴を持っている。現在、この電池は実用化に向かって進んでいるようであるが、実際に採用している大手企業名等は企業側の要望により秘密とされている。
2012年12月11日、東北大学未来科学技術共同研究センター(小濱泰昭教授ら)と古河電池、産業技術総合研究所などのグループがマグネシウム電池搭載の3輪電気自動車(EV)の走行実験を福島県のいわき市-仙台市間、走行距離は約100キロで行い、平均時速50~55キロで走行し完走した。
ただ、このときの走行はリチウムイオン電池で行われており、マグネシウム電池はリチウムイオン電池を充電しただけであるとの一部報道もあるが事実は不明である。(Wikipedia)
参考HP サイエンスZERO:パワー10倍マグネシウム電池 Wikipedia:空気マグネシウム電池 ざまみやがれい:マグネシウム発電とマグネシウムの毒性
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