食料問題の救世主?
世界の人口が70億を超えたのは昨年の11月だった。さらに増加し続けていて、食料や原材料、エネルギー、飲料水はすでに足りなくなりつつあり危機にある。 しかし、実は50億人から60億人になるのに12年かかったのに対し、60億人から70億人に達するのには13年かかった。つまり、人口増加のスピードは遅くなっているという。
そして専門家たちの推測では、増加スピードは落ち続けて、最後には止まるだろうと見られている。おそらく70〜80年後にはそうなるはずだ。そこからは、人口減少が始まる。 先進国では、以前から出生率が問題となっていることは知られている。この数十年、平均的な出生率は、人口の均衡を維持するのに必要な女性1人あたり2.1を下回っている。最新のデータには多少変化もあるが、本質は変わっていない。
しかし、当面の食料不足はどうするか?世界では、昆虫食や犬食などの文化もあり、ヒトが生きるためには、これまでの食文化を見直す必要もあるかもしれない。しかし、虫を食べるのはどうしても無理!という人も多いだろう。
そんな人のために、新しい穀物はどうだろう。アンデスの穀物「キヌア」が、食料問題の救世主になる可能性があるとして期待が高まっている。国連は今年を「国際キヌア年」に設定、欧米での人気を背に原産地のペルーやボリビアでは生産、輸出が増えている。
キヌアは栄養価が非常に高く、またアミノ酸のバランスが優れている。また、脂質のほとんどがリノレン酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸で、特にリノレン酸はコレステロールの産出を抑制するなど、健康増進に役立つ。
今日は日本人にあまり馴染みのない穀物、「キヌア」について調べてみた。
南米の「スーパー穀物」 飢餓対策にキヌア注目
寒暖の差や乾燥に強く、栄養価に優れる南米アンデス原産の穀物「キヌア」が食料問題の救世主になる可能性があるとして期待が高まっている。
「キヌア」みは「アンデスの黄金穀物」の呼び名もある。国連は今年を「国際キヌア年」に定め、普及に乗り出しており、潘基文事務総長も20日の会合で、飢餓撲滅に「キヌアは重要な役割を果たす」と強調した。
煮ると2~3ミリになるキヌアは、サラダやスープの具などに用いられる。プリプリ、プチプチした食感で、かむとほのかに米飯のような甘みがある。
国連によると、すべての必須アミノ酸を含みビタミンも豊富。氷点下8度から38度の環境で生育でき、乾燥しやせた土地でも栽培可能という。干ばつが恒常的なアフリカ・サハラ砂漠南部サヘル地域の食糧問題にも対応が可能だと国連は期待している。(共同)
食物繊維やビタミンが多く、栄養バランスの良さで知られるキヌアは氷点下や酷暑のいずれでも生育が可能で、やせた土壌や雨の少ない地域でも育つ。ペルーやボリビア、エクアドルで世界の生産量の8割を占め、多くを標高2500~4000メートルの高地で栽培する。
かゆやスープのほか、ゆでてサラダに使うのも一般的。ゆでるとプチプチした食感で、健康志向の強い欧米でも人気が高く、日本でも広まりつつある。
需要の増加で国際価格は10年前の数十倍に上がり、昨年のペルーやボリビアからのキヌア輸出は前年比3~4割増。国連は「飢餓撲滅に重要な役割を果たす」と期待。ペルー政府などは品種改良や生産拡大計画を進めている。(共同 2013.2.21)
キヌアとは何か?
キヌア(Quínua、学名:Chenopodium quinoa)キノア (Quinoa) は、南米のアンデス地方原産の穀物。
アカザ科・アカザ属の植物で、アカザやホウレンソウとは同属である。1年草で、草丈は2 m以上にもなるが、近年では1 m前後までしかならない短幹な品種もある。穂は品種により、赤、黄、紫、白など様々な色を呈し、直径2-3 mmの種子を一つの房に250-500個程度つける。この種子を脱穀し食用とする。脱穀した種子は白く扁平な円形をしている。冷涼少雨な気候でもよく育ち、逆に水はけの悪い土地では種子の収量は大きく減る。
チチカカ湖周辺地域が原産地で、現在でもペルーやボリビアなどで多く生産されている。標高2,500 mから4,000 mにかけての高原地帯で栽培されている。年間生産量は、ペルーで約4万1000トン、ボリビアで約3万8000トン、エクアドルで800トンを程である。日本での生産はほとんど無い。
アンデス地方ではインカ帝国時代か、それ以前から栽培されていた。一説には5,000年前から栽培されていたとも言われる。古くから「穀物の母」と称され、重要な穀物であった。
いわゆる痩せた土地でも栽培ができるため、モンゴルなどの気候条件が厳しくもっぱら遊牧が行われてきた地域などでも栽培が試みられている。
栄養
キヌアは栄養価が非常に高く、またアミノ酸のバランスが優れていることより、近年ヨーロッパや日本などで健康食品として注目されてきている。
1990年代にはアメリカ航空宇宙局が理想的な宇宙食の素材の一つとして評価し、「21世紀の主要食」と述べている。
タンパク質の含有率が他の穀物と較べて多く、その構成は牛乳と似ている。グルテンを含まないため、小麦アレルギーのような対グリアジンアレルギーを持つ人でも摂取できる。
アミノ酸はリシン、メチオニン、イソロイシンなどの必須アミノ酸を多く含み、その量は白米に匹敵するかそれよりも多い。
粘性の高いデンプンを含むため、小麦粉にキヌア粉を混ぜて使うとコシの強い生地を作る事ができる。
脂質のほとんどがリノレン酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸で、特にリノレン酸はコレステロールの産出を抑制するなど、健康増進に役立つ。なお、キヌアの脂質量は乾燥品で8%程度とあまり高くはない。
コレステロール値を下げる効果がある一方、赤血球を破壊する性質(溶血性)があるサポニンを多く含む。このため、調理には十分な水洗いと加熱を行なったほうがよい。
料理
ボリビアやペルーでは、スープに入れてよく煮たものを食べる事が多い。煮たキヌアは軽いプチプチとした食感があり、わずかにくせがある。他の食材の味をあまり変えないので、様々な味のスープに合わせる事ができる。現代ペルー料理では、キノット(キヌアのリゾット)にもする。果物と煮て甘い飲み物にすることもある。
また、小麦粉とあわせてクッキーやパウンドケーキやパンの生地にして焼いて食べる事もある。
醗酵させる事により、ビールに似た飲料やチチャのようなアルコール飲料を作ることもある。
日本では、白米に混ぜて炊いて食べるのがブームになったことがあった。キヌアを混ぜて炊いた米は若干粘り気が強く、またいわゆる「薬臭い」香りがする事がある。この独特の臭気を誤魔化すため、炊き込み御飯にするなどの工夫が行われることもあった。
キヌアを用いて味噌や醤油を製造しているメーカーもある。(Wikipedia)
参考HP Wikipedia:キヌア
![]() | 有機 キヌア 340g |
クリエーター情報なし | |
DOUCEMENT |
![]() | アンデス 食の旅―高度差5000mの恵みを味わう (平凡社新書) |
クリエーター情報なし | |
平凡社 |
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