手洗いの効能
 インフルエンザや風邪の季節がやってきた。その予防法はうがいと手洗い。風邪は誰もがいちばんよくかかる病気といえる。 風邪の8~9割はウイルスが原因といわれ、成人では、平均1年に2~3回、小児では5~6回も風邪ウイルスに感染しているというデータもある。

 では、この風邪ウイルスはどうやって感染するのだろうか?もちろん、くしゃみや咳でも感染するが、意外なことに「手」を介した感染が、一番多い感染パターンだそうだ。電車の吊革、手すり、ドアノブに触れると、そこにウイルスが付着。別の人が触れると、その手で鼻や口のまわりを無意識に触れることで感染が起こる。

 こうしたことから、帰宅するとうがいをし、すぐ手を洗うことが習慣になっている。手を洗い終わるとほっとする気持ちになるのは誰でも同じだろう。どうやら、ウイルスを洗い流すだけでなく、精神的にも落ち着かせる効果もある。


 最近の心理学の研究によると、難しい選択を行った後に手を洗えば頭の中に残る迷いを振り払えスッキリとリセットできるという。

 たとえば何かに失敗しても、手を洗うことで“挫折感”を和らげる効果がある。だが、同時に「次はもっと頑張ろう」という“やる気”も減ってしまうことが研究で明らかになった。

 National Geographic news:手洗いで挫折感縮小、やる気も低下 より引用する。


 手洗いで挫折感が縮小、やる気も低下
 細菌やインフルエンザの蔓延を防ぐ手を洗う行為には、“挫折感”を和らげる効果もあるとドイツの専門家が明らかにした。

 オスナブリュック大学のカイ・カスパー(Kai Kaspar)氏の研究によれば、手を洗うと、与えられた課題に失敗した後の挫折感を軽減できるが、「次はもっと頑張ろう」という“やる気”も減ってしまうという。

 「私は、身体的な経験と抽象的な認識がどのように関連し、影響し合っているかという点に注目している」とカスパー氏は語る。

 このテーマに関心を寄せる研究者はカスパー氏が初めてではない。「クリーン状態効果」、つまり手洗いなどの行為が、道徳的な純潔度や、「幸運や不運は洗い流せる」という信念に対して前向きの影響を与えるという理論もある。同氏は、その後の行動にもたらす影響にまで発展させようと試みた。

 「“実際の認知能力”まで調査対象を広げるとどうなるか? 以前の研究は、望むかどうかに関わらず、“洗うことで過去の痕跡を払拭できる”という説に留まっている」とカスパー氏。「失敗の後に手を洗えば、立ち直れるのだろうか? その後の行動はどうなるのか? 知りたかったのはこの点だ」。

 同氏は被験者を2つのグループに分けて、同じ「不可能な課題」を解くように依頼。想定どおり課題に失敗した後、一方のグループだけに手を洗ってもらった。どちらも特に落ち込むこともなく2度目の課題に取り組み、最初よりも上手にこなしたが、手を洗ったグループの様子は明らかに楽観的だったという。

 しかし、前向きな気分と“やる気”の高さは直結しなかったという。2回目は、手を洗わなかったグループの方が成績がよかったのだ。

 理由についていくつか説明できるが、カスパー氏は次のように考えている。「失敗の後に手を洗うと気分がよくなり、問題に区切りをつけようという気持ちが生まれる。しかし、もっと頑張ろうという欲求も洗い流される」。

 「手洗いは、身体から汚れを取り除くだけでなく、精神的なレベルで複数の効果をもたらすのではないか。まるで何もかもリセットする儀式のように」と、カスパー氏は持論を説明している。

 シェイクスピアの戯曲『マクベス』では、罪の意識にさいなまれたマクベス夫人が、夜ごと手を洗う仕草を繰り返す。結末はご存じだろう。

 今回の研究結果は、「Social Psychological and Personality Science」誌オンライン版に2012年4月10日付けで発表された。(Chelsea Huang National Geographic News November 8, 2013)


 手を洗えば後悔も洗い流せる?
 難しい選択を行った後に手を洗えば頭の中に残る迷いを振り払えるという最新の研究が発表された。

 研究の共著者で、アメリカのミシガン大学の博士課程で心理学を専攻する大学院生スパイク・W・S・リー氏は、手を洗うという単純な動作には衛生面だけでなく、決断後に頭に残る葛藤を“ぬぐい去る”効果もあるようだと話す。

 人間は難しい選択を強いられた後、自らの決断を正当化して安心しようとする傾向があると同氏は説明する。「誰しも自分の選択は正しかったと思いたい。だから、自分の下した決断の良い部分を考えることでその決断を正当化する」。このプロセスは“決定後不協和”と呼ばれる。

 ところがこの研究の実験では、難しい選択を行った後に手を洗った被験者のグループは、自らの選択を無意識のうちに合理化する必要性を感じなくなった。「身体的な経験は実際に心理的な経験に影響を及ぼす」というのだ。

 手洗いの効果を試すため、同じく共著者のノーバート・シュワルツ氏とリー氏はボランティアの学生を対象に、本当の実験目的を明かさず、消費者の意識調査という名目で実験を行った。例えば、40人の学生からなるグループに10枚の音楽CDを自分の好きな順番に並べてもらい、謝礼として5位か6位のCDのいずれかを選んで持ち帰ってもらうと告げた。

 CDを好きな順番に並べた後で、一部の学生には液体ハンドソープの評価との名目で手を洗ってもらい、それ以外の学生には液体ハンドソープのボトルを見るだけで評価してもらった。

 その後でもう一度CDを好きな順番に並べてもらったところ、手を洗わなかった学生は、自分が持ち帰るCDを前回よりも高いランクに置いた。決定後不協和の典型である。一方、手を洗った学生は10枚のCDを前回とほぼ同じ順番に並べた。

 同様の別の実験では、85人の被験者に2つのジャムから味見無しで好きな方を1つだけ選ばせ、その後で、一部の被験者にだけ殺菌用ティッシュで手を拭かせた。手を拭かなかった被験者は、自分の選んだジャムはもう一方のジャムよりおいしいと予想した。一方、手を拭いた被験者はどちらのジャムも同じ程度の味だろうと予想した。

 どんな形であれ手を洗うという行為が“記憶をぬぐい去る”働きをし、自らが行った選択にまつわる感情や合理化の必要性を取り除くとリー氏は主張する。

 研究チームは今後、この心理的現象が清潔感に関する他の感覚にも当てはまるかどうかを調べたいと考えている。

 「汚れた靴下を洗わずに“ラッキーソックス”として大切にしている野球選手がよくいる。なぜだろうか。汚れた靴下の中に、洗い流したくない“幸運のかけら”が潜んでいると信じているからかもしれない」。

 この研究は、2010年5月7日発行の「Science」誌に掲載されている。(Rachel Kaufman for National Geographic News May 7, 2010)


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